第74回 『となりのトトロ』と「トトロの森」パイオニア吹奏楽団

コラム

2015年 2月 2日

2月に入り、当団の第25回定期演奏会の日が近づいてきました。今回はその定期演奏会前の最後のコラムとして、第2部にお送りする予定の「アニメ・メドレー 久石譲作品集」に関する話題を取り上げます。

「アニメ・メドレー 久石譲作品集」は、人気の高いスタジオジブリの作品の曲のメドレーです。作曲家の久石譲さんが長年に渡ってスタジオジブリの作品の作曲を担当してきたのがタイトルの由来です。スタジオジブリの作品は映画と共に曲もよく知られていますが、その中で今回は『天空の城ラピュタ』より「君をのせて」、『風の谷のナウシカ』より「鳥の人」、『紅の豚』より「帰らざる日々」、『となりのトトロ』より「風の通り道」をメドレーでお送りします。

所沢市を中心に広がる狭山丘陵
その一部は「トトロの森」と呼ばれる

スタジオジブリの作品の曲は当団でもよく取り上げています。前回の第24回定期演奏会でも2013年の大ヒット作品『風立ちぬ』のテーマ曲である「ひこうき雲」を演奏し、好評を博しました。他にも第15回定期演奏会で「ハウルの動く城」、第20回定期演奏会で「となりのトトロ」、「崖の上のポニョ」を演奏しています。やはり人気の作品の曲というだけあってお客様の反応もよく、アンケートからもそれは見てとれます。

そういった数々の作品の中で演奏会場のある所沢市と最も関係の深いものは『となりのトトロ』でしょう。映画では森林の風景が多く登場しますが、これは所沢市を中心に広がる狭山丘陵がモデルになっています。背景にはスタジオジブリの宮崎駿監督が所沢市在住ということがあり、本人もモデルが狭山丘陵であることを公言しています。映画監督はしばしば身近にあるものにインスパイアされて作品を手掛けることがありますが、『となりのトトロ』のそんな例の1つと言えそうです。

そのような経緯もあり、現在狭山丘陵の一部は「トトロの森」と呼ばれています。れっきとした公称で、公益財団法人「トトロのふるさと基金」が環境保護活動の一環として運営しています。1991年に「トトロの森1号地」が取得されたのを皮切りに、現在では20箇所以上が「トトロの森」として定められています。「トトロの森」の命名は宮崎駿監督にも認められているものであり、正に『となりのトトロ』の世界観がそこにあるという証明にもなっています。

「トトロの森1号地」の看板

実際に「トトロの森」に行くと、静けさの漂う森林の中で散策が可能です。歩き進むと所々に東屋があるほか、「トトロの森」を示す看板もあります。付近には狭山湖や多摩湖などもあり、所沢市中心部の喧騒とは真反対の自然を楽しむことができます。「トトロの森」と所沢市中心部とはほんの数キロしか離れていませんが、それだけ所沢市はバラエティに富んだ街だといえるかもしれませんね。

今回の「アニメ・メドレー 久石譲作品集」ではこの『となりのトトロ』のほか、スタジオジブリの世界が詰まった曲をお送りします。登場するどの曲もよく知られているものであり、たとえファンでなくても一度は耳にしたことがあるものばかりです。スタジオジブリに関しては一昨年の夏には宮崎駿監督が引退を表明し、また昨年の夏には制作部門の休止が発表されるなど寂しいニュースも届いていますが、送り出されてきた作品や曲はこれからも語り継がれることでしょう。当団の演奏がどれほどのものになるかは分かりませんが、スタジオジブリに負けぬようお客様の心に残るような演奏を行いたいものだと思います。

文責:磨墨

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