第64回「アラジン」の宮殿パイオニア吹奏楽団

コラム

2014年 6月 17日

「演奏会情報」をご覧になるとお分かりの通り、7月に開催予定の当団の第12回アンサンブルコンサートのプログラムがおおよそ決定しました。今回はその中からフルバンドでお送りする予定の「アラジン・メドレー」に関する話題を取り上げます。

「アラジン」は、元々は「千夜一夜物語」に出てくる「アラジンと魔法のランプ」が原作です。この話を元にディズニーが1992年にアニメ化しました。日本でもヒットを記録し、今もなお人気の高い作品の1つです。今回はこの「アラジン」に登場する曲の中から「アラビアン・ナイト」、「フレンド・ライク・ミー」、「アリ王子のお通り」、「ホール・ニュー・ワールド」の4曲をメドレーで演奏する予定です。

「アラジンと魔法のランプ」を描いたイラスト

さて、「アラジン」は砂漠の王国・アグラバーが舞台になっています。「千夜一夜物語」はイスラム圏の説話集ですから、映画の中でも西アジア風の雰囲気が漂っています。

その西アジア風の象徴がアグラバー王国の宮殿でしょう。西欧風でも中国風でもないエキゾチックな様式の建物ですが、イスラム圏の話が題材となればそれも当然のことだと言えます。

そんな宮殿のモデルと言われている建物があります。それがインドの古都アーグラにあるタージ・マハルです。世界的に有名なタージ・マハルはインドでも随一の観光名所であり、世界遺産にもなっています。とはいえ、「そもそもインドは西アジアではなく南アジアで、宗教もイスラム教ではなくヒンドゥー教だから映画と関係ないのでは?」と思われる方もいるかもしれませんね。しかし、タージ・マハルが建てられた当時のインドはイスラム教を奉じていたムガル帝国時代でした。したがってタージ・マハルはイスラム文化を色濃く反映しており、映画のヒントになっていたとしてもおかしくないと言えます。

このように現代の人々も惹きつける絢爛さを誇るタージ・マハルですが、正確には宮殿ではありません。実は墓廟で、時の皇帝シャー・ジャハーンが死んだ后妃のために建てたものです。洋の東西を問わず古来権力者の作る墓は巨大であったり豪華であったりしますが、その目的が自身の権力の誇示と来世での安穏であるところは変わらず、タージ・マハルもその例外ではないものと思われます。とはいえ、皮肉なことにシャー・ジャハーン自身は息子の反乱に遭って権力の座を追われ、幽閉されて失意のうちに最期を迎えています。死後はタージ・マハルに埋葬され、現在も后妃と共に墓廟の中で眠りについています。

インドを代表する観光名所であるタージ・マハル
建てられたのは17世紀

筆者はかつてインドを旅した際にアーグラを訪れましたが、総大理石のタージ・マハルは街中から眺めても眩いばかりでした。タージ・マハルの区画に入ると、庶民が行き交うインドの街中の雑踏とは対照的に整然としており、圧倒的なスケールを誇る対称形の墓廟が目の前に現れます。正に芸術的と言える造りであり、ずっと見ていても飽きないものでした。日本人の想像する「墓」の概念とはかけ離れたタージ・マハルの姿は今でも鮮明に記憶に残っています。

墓廟と紹介したタージ・マハルですが、原語には実は「王冠宮殿」という意味があります。シャー・ジャハーンが死んだ后妃のために建てたことを鑑みると、そのように名づけられたのも分かるような気がしますね。現実の世界では墓廟ですが、映画の中で原語の通り宮殿としての役割を果たした、というのも何かの因縁かもしれません。今回のアンサンブルコンサートでは、このようなタージ・マハルの歴史を思い起こしながら「アラジン・メドレー」を聴いていただければ、と思います。

文責:磨墨

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