第71回 高校サッカーの応援歌の定番!「ブラジル」パイオニア吹奏楽団

コラム

2014年 12月 15日

前回に引き続いて第25回定期演奏会に演奏する予定の曲目に関する話題を取り上げます。今回は第2部に取り上げる「ブラジル」です。

「ブラジル」は1939年にブラジルの作曲家アリ・バホーゾによって書かれた曲です。原題は「ブラジルの水彩画」ですが、単に「ブラジル」と呼ばれることが多い曲で、まさしくブラジルを彩るサンバが基調となっています。1942年にディズニー映画「サルードス・アミーゴス」のテーマ曲になったことで広く知られるようになり、バホーゾの代表曲の1つとなりました。曲の途中で「ブラジル!」の掛け声が入るなど非常にノリのよい曲で、現在は吹奏楽でも様々なところで演奏されています。

今年のサッカーのワールドカップの決勝戦が行われたマラカナンスタジアム
ワールドカップ前に改修されたが、写真は改修前のもの

さて、「ブラジル」と聞けばサンバと共にサッカーのイメージも強いことと思います。サッカーのブラジル代表は言わずと知れた世界トップクラスのチームであり、サッカー史上においても何人もの名選手を送り出しています。今年の夏にはその「サッカー王国」ブラジルでサッカーのワールドカップが開かれ、大いに盛り上がりました。優勝が期待された地元のブラジル代表にとっては4位、そして我らが日本代表にとってはグループリーグ敗退という残念な結果になりましたが、次回にまた期待したいところです。

このようにサッカーの盛んなブラジルですが、曲の方の「ブラジル」もサッカーと関係があります。どういう点で関係があるのかというと、高校サッカーの応援歌としてよく演奏されているのですね。明るいサンバのリズムにサッカー王国のイメージが加わってそのように取り上げられるようになったのでしょう。サッカーのようなスポーツをしているときに「ブラジル」のような曲が応援歌として流れてくると、確かに元気が出てくるような気がします。

こういった高校サッカーの応援歌の定番には、他に「負けないで」、「風になりたい」、「『ロッキー』のテーマ」、「テキーラ」などがあります。いずれもたとえタイトルは知らずともどこかで聴いたことのあるフレーズを持つ曲であり、かつ曲調が高校サッカーの応援歌に合ったものばかりです。これらの曲を集めたCDがその名も「ブラバン!高校サッカー」として発売されており、好評を博しています。

「ブラバン!高校サッカー」のCD
「ブラジル」をはじめ高校サッカーの応援歌が多数収録されている

この「ブラバン!高校サッカー」と並んで高校スポーツの応援歌をテーマとしたCDに「ブラバン!甲子園」があります。タイトルの通り高校野球の応援歌の代表的なものを取り上げたもので、当団も第18回定期演奏会で演奏した「アフリカン・シンフォニー」をはじめ、「エンターテイナー」や「ウィ・ウィル・ロック・ユー」などが収録されています。「ブラバン!高校サッカー」と曲が被らないのが興味深いところですが、これもそれぞれのスポーツで進行のリズムやテンポが違うからでしょうか。いずれにしろ、高校スポーツの歴史と共に応援歌もそのスポーツに合わせた歴史を歩んでいる点が面白いところです。

冬の風物詩である全国高校サッカー選手権大会は、例年通りこの冬休みにも開催されます。テレビやスタジアムで見ながら応援歌を聴いていると、おそらく「ブラジル」も流れてくることでしょう。そんな応援歌をバックに高校サッカー球児たちの熱い戦いが繰り広げられることは間違いありません。我々もそんな熱戦に負けない熱い演奏をお届けしたいものだと思います。

文責:磨墨

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