第7回「バードランド」 それは「鳥の国」?パイオニア吹奏楽団

コラム

2011年 1月 18日

前回に引き続き第21回定期演奏会の第2部でお送りする予定の曲を取り上げます。今回は「バードランド」です。

「バードランド」は、世界的に活躍したジャズ・フュージョンバンド「ウェザー・リポート」のリーダー格であるジョー・ザヴィヌルによって作曲されました。曲のモチーフはニューヨークのジャズクラブ「バードランド」です。「バードランド」は1949年にブロードウェイで開店した当時世界最大級のジャズクラブで、その後一度閉店しましたが、場所を移して再度開店し現在に至っています。今でもニューヨークを訪れるジャズファンには人気のスポットです。

チャーリー・パーカー(中央) その右はマイルス・デイヴィス

この「バードランド」は直訳すると「鳥の国(土地)」になりますが、鳥自体はジャズクラブのネーミングに直接関係ありません。実際には1940年代から50年代前半にかけて活躍したサックス奏者チャーリー・パーカーのあだ名が「バード」であったことに由来しています。パーカーはディジー・ガレスピーらと共に「ビバップ」というモダン・ジャズの基礎となるスタイルを築いた名プレーヤーで、その功績から「モダン・ジャズの父」とも呼ばれるジャズ史における巨星の1人です。

そんなパーカーのあだ名がなぜ「バード」であったのかについては諸説あるのですが、流布している中で有力と思われるものに以下の2つがあります。

・パーカーが鳥のように自由に生きていたから。
・パーカーがツアー中に車で轢いてしまった鶏を拾い、それを持ち帰って宿の人に料理するように頼んだから。

前者の方が分かりやすいですが、後者の方が内容が具体的なのでこちらが真実かもしれません。ただ、いずれの理由であるにせよ、ジャズの一大中心地であるニューヨークの大型ジャズクラブに自分のあだ名が冠されるところにパーカーの偉大さが分かろうというものです。「バードランド」の杮落としの際にはパーカー自身ももちろん出演し、その後も活動の場としました。しかし、そんなパーカーの栄光も長くは続かず、アルコールやドラッグの影響もあって1955年にわずか34歳という若さでその生涯を閉じています。

現在のジャズクラブ「バードランド」 Photo : allaboutgeorge

ザヴィヌルの「バードランド」は、パーカーの死後20年余り経った1977年に発表され大ヒットしました。今ではジャズやフュージョンの世界でスタンダードナンバーになっているこの曲は、吹奏楽でも数多くのアレンジが出ています。このように吹奏楽オリジナル曲だけでなく、他のジャンルの曲まで幅広く扱えるところが吹奏楽の魅力の1つだといえるでしょう。さらにいえば、ただ演奏するだけでなく、「吹奏楽のアレンジならこんなサウンドになるんだ!」というようなインパクトを与えられると理想的ですね。さて、当団のお送りする「バードランド」は如何に?

余談ですが、パイオニアのサイト内で”Birdland”と打って検索すると、ある商品情報のページがヒットします。上記の「バードランド」とは関係ありませんが、興味のある方は一度覗いてみて下さい。

文責:磨墨

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