第52回 爆音!バグパイプバンドとの共演パイオニア吹奏楽団

コラム

2013年 10月 1日

演奏会における演出にはいろいろと手法があります。一般的には音響や照明、衣装や小道具といったところでしょうか。しかし、他にも演出の手法の1つとして他団体との共演があります。今回は当団がかつて行った共演について取り上げたいと思います。

当団では第15回定期演奏会において東京パイプバンドと共演しました。東京パイプバンドは1974年に発足した日本有数のバグパイプバンドで、今まで海外も含めた数々のコンテストで賞を獲得している他、各地のイベントで活躍しています。吹奏楽との関係が決して近いとはいえないバグパイプバンドがなぜ当団との共演に至ったのかと思われるかもしれませんが、理由は簡単で、東京パイプバンドの中心メンバーがパイオニア社員であり、また練習場所が当時のパイオニア本社であった縁から共演に結びついた次第です。

バグパイプはスコットランドやアイルランドで盛んに演奏されていますが、日本ではその名前は知られているとはいえ、生で見る機会がなかなかない楽器です。楽器について多少説明すると、構造は文字通り袋(bag)と管(pipe)から成っており、口に咥えた管から袋に息を送り込み、その袋から空気を送り出すことによって別の管から音が出るようになっています。特に調べたわけではありませんが、ただでさえバグパイプを見る機会は限られているのに、吹奏楽との共演ともなると非常に珍しいものだといえるでしょう。

スコットランドを中心に盛んなバグパイプ

とはいえ、一口に共演といってもそれほど簡単なことではありません。最初に東京パイプバンドと一緒に練習したときはバグパイプの音量に圧倒されました。我々の管楽器も相当な音量が出ますが、それをかき消すほどなのですからビックリです。したがって全体のバランスを取るのも容易ではなく、また共に練習する機会が自ずと限られるのも難点でした。それでもいろいろと調整を繰り返し、何とか本番にこぎつけました。

演奏会当日はプログラムの第2部に2曲を共に演奏しました。スコットランドのキルトに身を包んだ東京パイプバンドの登場の際には、客席から驚きの声が上がると共に会場全体の空気がガラリと変わったことが強く印象に残っています。また、演奏と共にバグパイプの解説をステージ上で行ったのもお客様から好評だったようです。アンコールの際に再度登場したときの雰囲気は最高潮に達し、最後は拍手が鳴り止みませんでした。結果としてはこの共演は大成功だったといえます。

盛り上がりを見せた東京パイプバンドとのステージ 客席も大興奮

今になって振り返ってみると、このときの共演は音楽における異業種間交流だったのかなあ、と思えます。音楽という共通項はあるにせよ、自分たちと違う分野のバンドとの共演には互いの楽器の特性を知るなどの理解が必須であり、練習のやり方にもそれぞれの考えがありますから協力が必要になります。そういったことを乗り越えることによって自分たちの音楽の幅が広がったのであれば、演奏する側としても成長につながるいい機会だったといえるでしょう。

このように他の団体との共演は刺激があり、音楽的にも興行的にも大きなインパクトをもたらすものです。面倒なことも多々ありますが、東京パイプバンドに限らず、今後も共演の機会があれば是非トライしてみたいものだと思います。

文責:磨墨

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