第50回「魔女の宅急便」のモデルとなった街パイオニア吹奏楽団

コラム

2013年 8月 1日

当団の第11回アンサンブルコンサートが無事終わりました。当日は猛暑にも関わらず多くの方にご来場いただきました。誠にありがとうございます。

さて、その第11回アンサンブルコンサートでは金管5重奏で「魔女の宅急便」をお送りいたしました。よく知られているように「魔女の宅急便」は角野栄子さんの著書で、それを元に大手アニメ制作会社スタジオジブリによってアニメ化され1989年に映画が公開されました。その後、約2年ごとにテレビ放送もされており、今もなお根強い人気を誇っています。今回のアンサンブルコンサートでは「魔女の宅急便」のテーマ曲にもなっている「ルージュの伝言」もサックス4重奏で取り上げており、お客様から見ると異なる編成で聴き比べができるといういい機会でもあったのではないかと思います。

金管5重奏による「魔女の宅急便」の演奏の様子

その「魔女の宅急便」ですが、映画の中に登場する「コリコ」の街は白壁の建物が多く何となく中世的な匂いの残る雰囲気で描かれています。どこかで目にしたことがある感じですが、少なくとも日本ではまず見られそうにない風景と言っていいでしょう。となると海外のどこかにモデルがありそうですが、実際にモデルとなっている2つの街があります。ここではそれらを見ていきたいと思います。

まず1つ目はスウェーデンの首都ストックホルムです。単に都会というだけでなく、「北欧のヴェネツィア」とも譬えられる港湾都市であり、また「ガムラ・スタン」と呼ばれる旧市街が残るなど観光面でも魅力ある街です。日本からの北欧ツアーではメジャーな訪問先の1つであり、毎年多くの日本人旅行客が訪れています。

もう1つはスウェーデンのゴットランド島の街であるヴィスビーです。ゴットランド島はバルト海に浮かぶ島で、前述のストックホルムから飛行機で30~40分ほどのところにあります。ヴィスビーはそのゴットランド島の中心的な街ですが、人口は2万人余りとストックホルムとは対照的に非常に小振りです。気候や交通の便の関係もあって、夏に保養目的で来るツーリストを除けば訪れる観光客もそれほど多くはありません。

とはいえ、歴史を遡るとヴィスビーは中世の頃にはハンザ同盟の一角を担った重要拠点でした。その頃の街並みは石の壁でぐるりと囲まれており、現在も良好な状態で保存されています。そういったことを受けて1995年にヴィスビーは世界遺産に登録されています。

ヴィスビーの街並み

スタジオジブリの作品は独特の世界観を持つものが多いため、よくモデルの存在が話題になります。以前この欄で「天空の城ラピュタ」のモデルについて述べたことがありますが、それはあくまでファンの間で噂されているものを取り上げたものでした。しかし、スタジオジブリはこの「魔女の宅急便」ではストックホルムとヴィスビーがモデルである、と認めています。架空の話であればモデルもぼかしてファンの想像を膨らませたくなるところですが、「魔女の宅急便」においてモデルの存在を認めているのはそれだけ制作スタッフの思い入れが強い、ということなのかもしれませんね。

コラム第32回「『天空の城』を訪ねて」参照

奇しくも「魔女の宅急便」は来年に実写版が公開される予定となっています。これを機にまた「魔女の宅急便」のブームが再燃するかもしれません。実写版はスタジオジブリとは直接関係なく制作されますが、「コリコ」の街が果たしてストックホルムやヴィスビーと近い感じで描かれるのかどうか注目しつつ公開を待ちたいものだと思います。

文責:磨墨

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