第15回 東京音楽大学訪問記パイオニア吹奏楽団

コラム

2011年 5月 23日

当団の常任指揮者である大澤和幸氏は東京音楽大学(以下東京音大)の出身で、現在も研究員として勤務されています。大澤氏は東京音大でユーフォニアム専攻ができたときの第1期生でした。現在も大学で実技を中心に指導をされています。

東京音大といえば、昨年「ゲゲゲの女房」で脚光を浴びた女優の松下奈緒さんの出身校でもあります。ピアノ専攻だった松下さんはドラマでも代役なしでピアニストを演じたことがあるほか、自らの演奏のCDも出すなど音楽面での活躍も注目される存在です。

パイオニアとも縁があります。東京音大の客員教授の1人に作曲家として有名な服部克久さんがいますが、実は服部さんはパイオニアの社歌の作曲者なんですね。ちなみに社歌の作詞者は阿久悠さんです。

東京・池袋にある東京音楽大学 創立から100年を超える名門校

さて、最近筆者はその東京音大を訪問する機会がありました。当団の活動の関係で知り合った学生たちが招いてくれたのがきっかけです。世間一般ではどう捉えられているのか分かりませんが、普通の総合大学出身の筆者にとって音楽大学は以前から何となく特別な大学のように感じられる部分がありました。それも東京音大ほどの名門校ともなれば尚更です。一度中を覗いてみたかったので、ちょうどよい折りと思って伺いました。

行ってみると、メインとなる大きな建物が2つある以外に小さな校舎がいくつか、と小ぶりだったので少し意外な感じでした。敷地の外を一周するのにものの10分程度です。ただ、よく考えると単科大学の一種なので、これくらいの規模で当然なのでしょう。

しかし、中に入ると圧巻でした。まずはホールです。創立100周年を記念して建てられたA館と呼ばれる建物の中にあるホールは、一般の会場で例えれば中ホールクラスの広さを持っています。コンサート専用に設計されており、ピアノやオーケストラはもちろんのこと、オペラまでも上演できる音響や照明の設備が揃っているということです。催事や発表会でこのようなホールを普通に使用できるとは羨ましい限りです。

A館と呼ばれる建物の中にあるホール オペラも上演可能

練習環境も素晴らしいものでした。完全防音の状態でグランドピアノを2台備えた練習室が無数にあり、学生たちは部屋の予約さえすれば練習し放題ということです。このような環境の下で修行できるのであればさぞ満足でしょう・・・と感想を述べていたら、案内してくれた学生たちは「いや、別にこれくらいの数では全然足りません」などと言っていました。何とも贅沢な話です。

そうやって構内を回っていると、意外なモノに遭遇しました。図書館の一角に学生たちがCDなどを視聴するためのAV視聴室があるのですが、その中にパイオニアの製品が何台もあったのです。中には筆者が設計に関わったものも。この話をすると、今度は学生たちがビックリする番でした。筆者にとっては何でもない製品ですが、ささやかながら自分が音楽大学における教育に貢献できているのかと考えると嬉しく思います。

その他にも楽器庫や民族音楽研究所など様々な施設を見ることができました。こうして見てみると、音大に限らず一般においてもよい音楽教育のためにはよい環境が必要なのではないかということを強く感じさせられます。

今回の訪問は、単に奏者して勉強になっただけでなく、本業の音響関係でも非常に参考になるものでした。これを刺激に奏者としてはよりよい演奏を、エンジニアとしては音楽教育面でも役に立つ機器の開発を心がけたいものだと思います。

文責:磨墨

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