第59回「花は咲く」の「花」は何の花?パイオニア吹奏楽団

コラム

2014年 2月 12日

当団の第24回定期演奏会が無事終わりました。当日は天候にも恵まれ、多くの方々にご来場いただきました。誠にありがとうございます。

さて、その第24回定期演奏会のアンコールでは「花は咲く」をお送りしました。この曲は2011年に発生した東日本大震災の復興のためのチャリティーソングで、作詞・作曲家への印税が全額被災地の自治体へ義援金として寄付されます。NHKの「東日本大震災プロジェクト」のテーマソングでもあり、2012年の紅白歌合戦でも演奏されました。また英語版もあり、海外でもカバーされています。

定期演奏会当日は、演奏だけでなく団員による合唱も披露しました。演奏だけをお送りする形でもよかったのですが、やはりこの曲本来の魅力を伝えるには歌った方がよいだろう、ということで合唱を加えた次第です。とはいえ、団員は普段楽器には慣れていても歌には慣れていないため、本番までの練習は思っていたより苦労しました。最後は若干駆け込みで間に合わせた点は否めませんが、終わってみればよい企画だったのではないか思います。

第24回定期演奏会のアンコールでの「花は咲く」の演奏の様子
団員は慣れない歌の練習を積み重ねて本番に臨んだ

ところで、この「花は咲く」の「花」とは一体何の花を指すのでしょうか。歌詞の中にも具体的な花の名前は出てこないので、ちょっと気になるところですね。

一般にはこの「花」はガーベラを指すとされています。ガーベラはキク科の一種で、日本でも春から秋にかけて見ることができます。ガーベラである理由は簡単で、「花は咲く」のCDはガーベラの花の写真がレーベルになっていることによります。また、前述のNHKの「東日本大震災プロジェクト」で「花は咲く」が演奏される際には、ガーベラの花を持って歌うシーンがしばしば登場しています。花に少し詳しい方ならすぐにガーベラだと分かるかもしれませんね。

そのガーベラですが、ご多分にもれず花言葉も存在します。花言葉は色によって分かれており、赤はチャレンジを、ピンクは崇高さを、黄色は究極の愛を、オレンジは我慢強さを、そして白は希望を意味するとされています。こうして見てみると、ガーベラは正に東日本大震災の復興を象徴するような花といえるのではないでしょうか。実際にガーベラを目にすると、その花言葉を体現しているかのように思えます。

「花は咲く」の花とされるガーベラ
オレンジのガーベラは「我慢強さ」の意味を持つ

当団では第22回定期演奏会のアンコールに、同じく東日本大震災の復興のための曲である「陽はまた昇る」を演奏しました。そのときは震災からまだ1年も経っておらず、「陽はまた昇る」をはじめとする復興に関する曲は広く演奏されていましたが、もうすぐ震災から3年になろうとする現在ではそのような曲が取り上げられる機会もだんだんと減ってきている感があります。そのような中で今回「花は咲く」のような曲を演奏したことは、ともすれば風化しがちな震災当時の想いを思い起こす上でも意味のあったことではないかと思います。

アンコールでお送りした「花は咲く」に対する客席からの反応は大きいものがあり、なお一層の拍手を受けました。団員のお送りした合唱も相まって、会場にはそれまで以上の一体感が生まれたように思います。これも音楽の持つ力なのでしょう。今回の演奏をきっかけに、お聴きになった方々の心の中に被災地との間を結ぶ一輪のガーベラの花を咲かせられたのなら幸いに思います。

文責:磨墨

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