第40回 木星に初めて到達した探査機「パイオニア」パイオニア吹奏楽団

コラム

2012年 12月 19日

前回に引き続いて第23回定期演奏会に演奏する曲目に関する話題を取り上げます。今回もまたメインプログラムとしてお送りする予定の組曲『惑星』より「木星」に関する話です。

古来、宇宙は人類の興味を惹くところですが、最近になって世間の関心は一層高まっているように思われます。近年では、小惑星「イトカワ」を探査した「はやぶさ」の帰還が動画サイトで中継されたこともあって大きな話題になりました。数々の困難を乗り越えて帰ってきた「はやぶさ」の物語は実にドラマティックであり、これを題材にした映画も何本も公開されています。小惑星のサンプルリターン(地球外の天体からサンプルを採取し持って帰ること)に世界で初めて成功した「はやぶさ」は学術面での成果も大きく、2014年には後継機の打ち上げも計画されています。

「はやぶさ」が探査した小惑星「イトカワ」のモデル
球形ではなくかなり特異な形をしている

このように世界的にも注目された日本の「はやぶさ」ですが、宇宙探査という点ではやはりアメリカが最先端を行っています。冷戦時代にはソ連と激しい宇宙開発競争を繰り広げたアメリカですが、ソ連崩壊後は宇宙探査における第一の存在と言っていいでしょう。

そんなアメリカの打ち上げた数々の探査機の中で、人類初の木星探査を実現した探査機をご存知でしょうか。その名もズバリ「パイオニア」です。正確には、太陽系の探査プロジェクト「パイオニア計画」を担った10番目の探査機「パイオニア10号」です。もちろん当社の社名とは関係ありませんが、それでも同じ名前を冠していると多少なりとも関係あるものかと思ってしまいますね。

「パイオニア計画」はNASA(アメリカ航空宇宙局)のプロジェクトで、1958年に最初の探査機「パイオニア0号」が打ち上げられました。有人ではなく無人の探査機で、「パイオニア9号」までは月や宇宙環境の探査を行い続けました。一方でNASAは「パイオニア計画」とは別のプロジェクトで水星・金星・火星の探査を進めていましたが、木星以遠の惑星の探査は技術的なハードルが高くなかなか実現しませんでした。しかし、1970年代に至ってついに「パイオニア10号」が木星の探査を担うことになります。

「パイオニア10号」は六角形の本体に大型アンテナが取り付けられた形態をしており、1972年に打ち上げられました。打ち上げ後も課題が生じたもののそれらを克服し、1973年に木星に接近して数々の画像の撮影に成功します。他にも木星の磁場や放射線、温度などの観測を行い、それまで謎に満ちていた木星の実態を知るのに多大な貢献をしました。正に「パイオニア」の名に恥じないミッションを果たしたといえるでしょう。

木星へ向かう探査機「パイオニア10号」(想像図)

しかし、「パイオニア10号」にはもう1つ「パイオニア」たるミッションが残っています。木星の探査後も「パイオニア10号」は太陽系の外へ向かって飛び続けているのですが、探査機の中にはいつか地球外生命体と遭遇するかもしれないことを想定して、地球や人類について記した金属板が搭載されているのです。何万年も、いや何億年も先のことかもしれませんが、もし本当に地球外生命体が「パイオニア10号」に接触する日が来たら、彼ら(?)は一体どんな反応をするのでしょう。想像が膨らむばかりですが、こうして見ると「パイオニア10号」は人類のロマンをずっと乗せ続けているといえるかもしれませんね。

現在では、太陽系の惑星は最も外側の海王星まで一通り探査機による探査が行われており、『惑星』の作曲者であるホルストの時代には想像するしかなかった惑星の実態がよりよく分かる時代になっています。それでも『惑星』の織り成す世界観は壊れることはなく、むしろ惑星の実態が分かれば分かるほど魅力を増しているように思われます。ホルストが『惑星』に込めたロマンもまた永遠に続いている、といったところでしょうか。そんな『惑星』の持つ世界観を少しでも表現するべく、我々も定期演奏会に向けて努力したいものだと思います。

文責:磨墨

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