第63回 小さなお子様連れのお客様に優しい「母子席」パイオニア吹奏楽団

コラム

2014年 6月 2日

以前にもこの欄で取り上げたことがありますが、当団は毎年夏にアンサンブルコンサートを川越市市民会館の中ホールであるやまぶき会館で開催しています。やまぶき会館での開催は今年で6回目になり、川越での夏のイベントとして恒例化しつつあります。

当団の演奏会はこのアンサンブルコンサートも毎年冬に開催している定期演奏会も入場は無料とし、更に未就学児の入場も可としています。他の楽団の演奏会においては入場を有料としていたり未就学児の入場を制限していたりということもありますが、パイオニアの企業理念である「より多くの人と、感動を」を鑑みれば、前述の方針を採ることで多くの方に演奏会に来ていただく機会を提供することはよい選択ではないかと考えています。

やまぶき会館の母子席 一般の客席とは仕切られている

さて、このように入場を無料とし、かつ未就学児の入場も可としている当団ですが、一方で演奏中に小さな子供が泣いたり声を上げたりすることで他のお客様の迷惑になる可能性もあります。昨今はマナーに関して見知らぬ人に注意しづらい雰囲気もあり、なかなか悩ましい問題です。当団でも小さなお子様連れのお客様に対しては、できるだけホールの外に出やすい席での観賞を促すアナウンスや注意文の配布を行っていますが、それだけでは完全な対策とはなっていないのが実情です。

このような小さなお子様連れのお客様にも安心して楽しんでいただけるような設備が開場にあれば、と思いますが、実はやまぶき会館にはそれが備わっています。その名も「母子席」です。母子席は一般の客席に対して防音壁や防音ガラスで仕切られており、スピーカーを通して舞台の音声を聴きつつガラス越しに舞台を観賞することができます。ここであれば演奏中にたとえ子供が声を出しても他のお客様の迷惑になりません。やまぶき会館は建てられてから今年で50年になるという古い建物ですが、当時からこのような配慮があったとすれば、設計した方の卓見であった、というべきでしょうか。

実際に母子席に入ってみると、部屋は小振りながらも一般の客席と変わらずちゃんとした座席で鑑賞できるようになっています。舞台に対してはガラス越しに斜め上から見下ろす形になっており、死角もほとんどなく十分に楽しめます。舞台の音声も問題なく聴こえ、また逆に母子席からの音声は舞台や一般の客席に漏れることはありません。演奏者にとっても、一般のお客様にとっても、そして小さなお子様連れのお客様にとっても、正にウィン・ウィンの関係を実現できる環境にあると言えます。

母子席から見える舞台 写真はリハーサル時の様子

このような母子席は多くの方々に演奏や演劇を楽しんでいただくために有効だと思いますが、やまぶき会館のように備えている会場は多くありません。背景には設備の費用や稼働率の問題などがあるのでしょうが、可能であればこのような設備を備えた会場が今後増えていくことを期待したいものです。

小さなお子様をお持ちの方にとっては普段なかなか演奏会に行く機会がないと思いますが、このやまぶき会館での催事であれば安心して来場できます。当団のアンサンブルコンサートはよく知られた曲が数多く登場しますので、これを契機にお子様を連れて聴きに来られては如何でしょうか。もちろん、お子様連れでない方も大歓迎です。当団や吹奏楽にご興味をお持ちの方々に広く楽しんでいただくよう、我々も万全の準備をして当日を迎える所存です。

文責:磨墨

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