第11回 東北地方太平洋沖地震に寄せてパイオニア吹奏楽団

コラム

2011年 3月22日

国内観測史上最大の地震といわれる東北地方太平洋沖地震が発生しました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

筆者個人にとっては、阪神淡路大震災の際に実家が被害を蒙ったこともあり、とても他人事には思えません。今回の地震は津波を伴ったことで阪神淡路大震災時を遥かに上回る被害をもたらしており、被災地の映像を見るだけでも暗澹たる思いになります。1日も早い復旧を祈ります。

川崎市にあるパイオニア本社 地震当日は帰宅できず会社で夜を明かした人も

地震はパイオニアにも影響を与えています。筆者の勤める本社も吹奏楽団の練習拠点である川越事業所も建物に被害が出ました。地震後は設備の点検や散乱した書類や部品の片付けに追われ、通常の勤務ができる状態に戻すのに相当な労力を費やしました。震源から遠い我々ですらこの状況であるのに、被災の中心地はどうかと想像するといたたまれない気持ちになります。

社内の音楽活動にも影響が出ています。3月21日に予定されていたパイオニア合唱団主催の「パイオニア・ミューズ・コンサート2011 Spring」は、地震の影響で開催中止を余儀なくされました。理由は、会場であるミューザ川崎シンフォニーホールの天井が破損し、当面の間使用できなくなったためです。このコンサートにおいて、吹奏楽団の団員は筆者も含めてスタッフとして参加する予定でしたが、このような事態になり非常に残念に思います。我々ですらこう思うのですから、この日のために練習に励んできた合唱団の団員は尚更です。聴きに来ることを楽しみしていた方も多かったことでしょう。仕方がないこととはいえ、次回はよりよいコンディションの下でコンサートが開催されれば、と願っています。

地震後に演奏会を開催した団体の中には義援金を募るところも出てきている

これらの他にも影響はいろいろと受けましたが、日本全体で見ればパイオニアの被害など極々軽微な部類です。この程度で済んだのなら、むしろ支援を積極的にするべきところでしょう。ただ、被害が甚大であった地域に対して実際に自分たちに何ができるかと考えると、節電か寄付といったくらいしか思い浮かびません。本業の音響機器製造やクラブ活動である吹奏楽など直接的な役に立たないことにもどかしさを感じます。

とはいえ、今すぐにではなくても、いずれ音楽の力が必要になる日が来るのではないかと思います。つい最近も、空港で足止めを食らって荒れかけた客たちに対し、偶然居合わせた歌手のシンディ・ローパーさんが歌ってその場を歓声に変えたということがありました。この話を聞くと、音楽には物理的な力はなくとも人々の心には大きな力を与えることを感じさせられます。そんなローパーさんは早速支援を表明しました。我々にローパーさんほどの力があるとは思いませんが、少なくとも志だけは同じように持ちたいものです。そういった思いを胸に、自分自身のできることを真摯にやり抜くことが務めだといえるでしょう。そして、時間はかかるかもしれませんが、いつか被災地の方々にも心から音楽を楽しめる日が来ることを信じています。

文責:磨墨

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