第62回 企業業績は吹奏楽団の活動に影響する?パイオニア吹奏楽団

コラム

2014年 5月 12日

世間では企業の業績の悪化によってその企業の部活動が統合されたり廃部になったりするケースが見受けられます。名門のスポーツ部が廃部になると、テレビや新聞でもニュースになりますね。では同じく企業の部活動の1つである当団は業績の影響を受けているのでしょうか。外から見ているとそういう点に興味がある方もいらっしゃるかと思います。

結論からいえば、影響はあります。当然といえば当然のことで、企業に属する以上、影響がない方がおかしいと言った方がいいでしょう。分かりやすいのは会社からもらう活動補助金です。当団に限らずパイオニアの正式な部活動には会社から活動補助金が出ますが、この額は毎年一定ではなく業績にある程度左右されます。一般の市民楽団からは「多少でも補助金があるだけいいじゃないか」と言われそうな気がしますが、補助金の額が変動するというのは先を読みづらい点で予算編成において非常に苦労します。過去には「期中削減」といって年度始めに一度決まった補助金の額から年度の途中で減額されたケースも一度ならずあり、またここ数年は当団への補助金自体がゼロという状況が続いています。このように企業の吹奏楽団には独特の事情があり、会計担当者はいつもこういった点で頭を悩ませています。

電子化される前の手書き時代の活動補助金用の伝票
ちなみに筆者はかつて当団の会計を担当していた

直接的にではありませんが、練習場所も業績の影響を受けるときがあります。事業の再編等による組織変更で事業所内のレイアウトが変わると、今まで使っていた練習場所を変更するように指示されたりすることがあります。また、社内行事等の都合で一時的に使用可能なスペースに制約が発生したりすることもあります。

このように様々な影響があるわけですが、当団にとって影響を受けた過去最大のものは2007年の所沢事業所の閉鎖であったといっていいでしょう。当時の業績不振により会社の判断で閉鎖が決まったわけですが、それまで練習場所としていた所沢事業所が丸ごとなくなるのですから当団への影響は甚大でした。閉鎖によって退団せざるをえなかった団員がいたのも事実です。一時は存続すら危うい状況でした。

お客様の声が当団の活動の大きな支えになっている

それでも活動を継続できたのは、団員の熱意と、そして活動を支持して下さる皆様の声のお陰でした。所沢事業所の閉鎖が決まった後、会社の上層部には活動を継続するための嘆願をいろいろとしていたのですが、その中で当団の活動の継続を訴える定期演奏会のアンケートに書かれたお客様の声も多数取り上げてお伝えしました。その効果もあって川越事業所での活動の継続が認められ、現在に至っています。

この件を経て、改めて「お客様の声」というもののもつ重みを感じました。パイオニアの製品も消費者がいて初めて存在価値があるものですが、吹奏楽団の活動も団員だけでなく演奏を聴いたり周りで支えたりして下さる方々がいるからこそ成り立っているということが言えるでしょう。当たり前のことではありますが、当たり前であるがゆえにともすれば抜けがちなこういった点を、企業の社員としても吹奏楽団の団員としても常に忘れずにいたいものだと思います。そして、本欄をお読みの皆様には今後とも当団の活動について是非ご理解とご支援をいただきたいと思います。

文責:磨墨

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