第20回 音楽をテーマとした対話会「音楽カフェ」パイオニア吹奏楽団

コラム

2011年 9月 1日

パイオニアは本社(川崎)だけでも2000人以上が勤務しています。主要事業所で、当団の練習拠点である川越事業所も同様です。したがって、社員全員と交流のある方はまず皆無といっていいでしょう。仕事上の接点がなければお互いに知らなくても当たり前、といえるような環境にあります。

一方で、このように多数の社員が勤務しているのですから、社内での接点が仕事だけ、というのは人間関係の上では勿体無いことかもしれません。会社にしてみても、仕事に限らず社内に趣味などを通した重層的な人間関係が構築されている方がより強固な組織力の基盤になりえるはずです。

そんな希薄になりがちな人間関係を繋げるべく、パイオニアでは業務外のサークル活動として「ワールド・カフェ」が行われています。「ワールド・カフェ」とは、カフェのように数人でテーブルを囲み、あるテーマに関してアルコールは交えずに対話形式によって参加者同士が話を進めるというもので、近年注目されているコミュニケーション活性化の手法の1つです。一見何の変哲もないただの対話会のようですが、テーマに集中して話すこと、相手の意見を否定しない等のルールが存在すること、といった点がその辺りの会議とは異なるところといえます。

パイオニア社内に掲示された「音楽カフェ」の参加者募集のポスター

パイオニアの「ワールド・カフェ」では、活動を推進しているサークルのスタッフの選定したテーマごとに社内で参加者の募集がされます。そして掲げられたテーマに関心のある社員たちが集まり、前述の方法に沿って対話を行います。その場を楽しむことはもちろんのこと、それをきっかけに今まで接点のなかった社員との人間関係の構築のきっかけになることも見据えて開催されています。

そのような中、先ごろ「音楽」をテーマとして集まった社員たちによる「ワールド・カフェ」、その名も「音楽カフェ」が本社で開かれました。そもそも音響機器メーカーですので、音楽に高い関心を持つ社員は数多くいます。当団のジャンルである吹奏楽のほか、合唱、クラシック、ジャズ、ロックに邦楽と社員たちの音楽活動の範囲も幅広いものがあるため、テーマとしては格好のものだといえるでしょう。

「音楽カフェ」開催の当日は30人余りが本社の社員クラブに集まりました。数人ごとのグループに分かれ、自分の好きな曲やそれに纏わるエピソードについてそれぞれが話をするという方式での進行だったのですが、互いによく知らない者同士がテーブルを囲むので、最初は皆少し手探りの感がありました。しかし、一度始まるとそこはもう音楽愛好家の集まりです。制限時間を超えて話が弾むところが続出しました。盛り上がる中、この対話はグループの構成員を入れ替えて数度行われました。

盛り上がる「音楽カフェ」の参加者たち

筆者も「吹奏楽をやっているのなら是非どうぞ」と誘われてこの「音楽カフェ」に参加したのですが、他の参加者の話を聴いていると新たな発見があったり知見を得たりと非常に刺激のあるものでした。終わった後に多くの参加者が「参加してよかった」と言っていたのが印象的です。これを機会に社内の人の輪が少しでも広がるといいと思います。

音楽が趣味、というと聴いたり演奏したりというのが普通ですが、今回の「音楽カフェ」を通して音楽に関わることが創造的な対話、更にいえば肯定的な人間関係にも繋がるということを感じました。しかし、よく考えてみると当団の中で音楽関係の話をしているときは、この「音楽カフェ」と同じようなことをしているのかもしれません。今度からは団員たちとの対話もそのような視点で捉えてみたいと思います。そしてさらに交流が深まれば言うことなしですね。

文責:磨墨

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