第60回「オーメンズ・オブ・ラブ」と「ウインク・キラー」パイオニア吹奏楽団

コラム

2014年 3月 3日

前回に引き続いて第24回定期演奏会のアンコールにお送りした曲の話題を取り上げます。今回は「オーメンズ・オブ・ラブ」です。

「オーメンズ・オブ・ラブ」は、元々は日本を代表するジャズ・フュージョンバンド「T-SQUARE」の曲です。1985年に発売されたアルバム『R・E・S・O・R・T』の中の1曲で、T-SQUAREの代表曲の1つです。当団では第17回定期演奏会でも「オーメンズ・オブ・ラブ」を演奏したことがあり、今回で2度目の採用になります。

当団では前回の第23回定期演奏会のアンコールでもT-SQUAREの「宝島」を演奏しましたが、これで2年連続彼らの曲を演奏したことになります。こうして見ると「T-SQUAREファンなの?」と思われるかもしれませんが、この欄で「宝島」について取り上げたときにも述べたように、「オーメンズ・オブ・ラブ」も「宝島」も今では吹奏楽における定番曲になっており、吹奏楽がきっかけでこれらの曲を知った人の中には吹奏楽のオリジナル曲だと勘違いする方もいるほどです。したがって吹奏楽の観点で見れば、2年連続でT-SQUAREの曲が登場するのはごく普通の範囲のことだと言えるでしょう。

第17回定期演奏会での「オーメンズ・オブ・ラブ」の演奏直後の様子
このときも客席の反応は上々だった

さて、「オーメンズ・オブ・ラブ(OMENS OF LOVE)」という曲名ですが、これは日本語に訳すと「恋の予感」といった意味になります。インストルメンタルの曲ですので歌詞はありませんが、曲調はこれから恋が始まるようなワクワクした雰囲気を醸し出しています。

そんな「オーメンズ・オブ・ラブ」ですが、インストルメンタルの曲としては珍しく歌手によるカバーもされています。それもあの小泉今日子さんによってです。小泉さんがアイドルとして全盛を誇っていた1985年に「ウインク・キラー」というタイトルでリリースされました。当時は折からのフュージョンブームでT-SQUAREにもスポットが当たっていましたが、いくら曲がヒットしたからといって小泉さんにカバーされるとはT-SQUAREも思ってもみなかったのではないでしょうか。

ともあれ、結果的に小泉さんの「ウインク・キラー」によって「オーメンズ・オブ・ラブ」には歌詞が付けられたことになります。実際に「ウインク・キラー」を聴くと「恋の予感」というより更に情熱的な感じがしますが、半分は歌詞の力が、そしてもう半分は当時の小泉さんの勢いがそうさせている印象があります。まさに「ウインク・キラー」=「ウインクの殺し屋」という曲に仕上がっています。

「オーメンズ・オブ・ラブ」が使われている江戸川競艇場
周回展示(試走)の際に流れている

小泉さんは昨年大ヒットしたNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で主人公の母親役を演じ、ドラマの挿入歌である「潮騒のメモリー」も歌いました。更にその「潮騒のメモリー」を自身にとっての14年振りのシングルとしてリリースするなど歌手としても再び注目を集めています。小泉さんが今「ウインク・キラー」を歌うとまたアイドル時代と違った魅力があるのではないかと思いますが、如何でしょうか。実現は難しいかもしれませんが、いずれ「ウインク・キラー」の復刻版が出ることを期待したいところです。

「オーメンズ・オブ・ラブ」は他にも江戸川競艇場の周回展示(試走)や航空自衛隊のブルーインパルスの演技の曲としても使われています。またテレビ番組のバックミュージックとしても長年に渡って頻繁に登場しています。それだけ時代や空間を超えた普遍的な魅力がこの曲にあるということでしょう。当団としても「オーメンズ・オブ・ラブ」に倣って時代や空間を超えた演奏をすると共に、「ウインク・キラー」のような情熱を客席に届けたいものだと思います。

文責:磨墨

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