第21回 パイオニアの作る楽器パイオニア吹奏楽団

コラム

2011年 10月 3日

「パイオニアの製品」と聞いて思い浮かべる製品は何でしょうか。一般的にはカーナビやカーオーディオをはじめとするカーエレクトロニクス関連、あるいはディスクプレーヤーやAVレシーバーといったホームエレクトロニクス関連の製品を想像される方が多いと思います。

そんな「聴く」「見る」といった製品だけではなく「演奏する」、つまり楽器といっていい製品がパイオニアにはあります。それがDJ機器です。曲を選択するだけでなく、DJが音楽的な素材を繋いだりミックスしたりして新たにフレーズを作り出す様はまさに演奏するといっていいものです。DJの世界になじみがない方にはピンと来ないかもしれませんが、実はパイオニアはDJ機器の製造で世界でもトップメーカーの1つであり、パイオニア製のCDターンテーブル(CDJ)やDJミキサー(DJM)は世界中のクラブに設置されています。もちろん個人ユーザーもプロからアマチュアまで数多く、これらをプレイするDJを各地で見ることができます。

DJ機器のテストの様子
試験者の触れている機器がCDJ、
それらの間に挟まれているのがDJM

当団にも何人かDJ機器に関する業務に携わっている者がおり、筆者もその1人です。吹奏楽とはジャンルが違うとはいえ、音楽を趣味とする者がこのように楽器関係の仕事をしているというのはなかなか幸せなことかもしれませんね。

そしてそんな趣味でやっていることが実際の仕事で役に立つことがあります。傍から見ると、吹奏楽とDJ機器が使われるクラブミュージックとの接点は非常に薄いように思われるでしょう。しかし、楽器のプレーヤーとしての感覚というのは何かしら共通するものがあるようで、製品に対するDJの評価を聞く場合、自分の楽器に置き換えると理解がしやすかったり、DJの目線で操作感を捉えやすかったりします。またDJがプレイしている内容を自分なりに音楽的に分析しやすい面もあります。

では筆者がDJ機器を操作できるかというと・・・円滑にはできません。もちろん一通りの操作や機能は理解していますが、それをちゃんとできるかといえばその領域にはないというのが正直なところです。やはり他の楽器と同様、DJ機器の操作もそれなりにできるようになるには修練が必要です。レベルがある一定の達するのに必要な時間や労力は既に他の楽器で経験しているが故に自分は手を出さない、と言ってしまっては怠慢でしょうか。

CDJのジョグの内部 考え抜かれた設計が絶妙な操作感を生む

一方でこのような仕事をしていると、自分のやっている楽器を作っている側の立場も分かるようになります。例えばCDJのジョグ(ターンテーブル)にはいろいろな技術やノウハウが詰め込まれていますが、管楽器のキーやロータリーも同様でしょう。楽器を作る立場で見てみると、技術的な難しさや苦労している点もある程度理解できますし、さらにそれを超えて作った方の思い入れなども勝手に想像してしまったりします。そんなことを考えているうちに自分の楽器にも今までと違う愛着が湧いてきます。

DJ機器は電器店だけでなく楽器店でも販売されており、むしろそちらの方が主です。今度これらの店に寄る機会があれば、こういったDJ機器にも一度触れてみては如何でしょうか。操作の経験がなくても単純なスクラッチなどは簡単にできるので楽しいと思います。もちろん管楽器や打楽器など他の楽器にも触れていただきたいです。そしてどんな楽器であれ、その裏にある我々のようなエンジニアの志を感じていただければ、と思います。

文責:磨墨

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