第43回 日本アニメ発祥の地と「銀河鉄道999」パイオニア吹奏楽団

コラム

2013年 2月 1日

2月に入り、当団の第23回定期演奏会の日が近づいてきました。今回はその定期演奏会前の最後のコラムとして、第2部にお送りする予定の「ジャパニーズ・グラフィティⅩII」に関する話題を取り上げます。

「ジャパニーズ・グラフィティⅩII」は、文字通り日本の名曲を選りすぐった「ジャパニーズ・グラフィティ」シリーズの12番目の作品です。シリーズに出てくる曲は演歌からポップスまで様々なジャンルに渡っていますが、この作品では名作アニメである「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」のテーマが元になっています。「ジャパニーズ・グラフィティ」シリーズは当団でもしばしば取り上げており、第13回定期演奏会では8作目の「ウルトラ大行進!」、第19回定期演奏会では11作目の「刑事ドラマ・テーマ集」を演奏しています。聴き馴染みのある曲が多いこともあってか、このシリーズをお送りするとお客様からの評判も上々だという印象があります。

東京都練馬区の東大泉にある東映アニメーション

さて、本曲に登場する「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」はいずれも日本を代表するアニメですが、これらの2作品のみならず日本のアニメは世界的に注目を集める存在です。今では日本の代表する文化の1つと言っても過言ではなく、海外へも多くの作品が輸出されています。

そんな日本のアニメの歴史がどこから始まったのかについてはいろいろと見方がありますが、その1つとされるのが東京都練馬区の大泉です。1957年に東大泉に東映動画社によってスタジオが設立され、1958年にその東映動画社において日本初の長編カラーアニメ「白蛇伝」が製作されたのがアニメ発祥の地といわれる所以です。東映動画社は現在も東映アニメーションとして日本のアニメ界を牽引しており、「スラムダンク」や「ドラゴンボール」、「ワンピース」といった数々のヒット作を世に送り出しています。練馬区には他にも90を超えるアニメ関連会社があるといわれており、アニメ業界における一大拠点になっています。

そういった歴史を受けて、練馬区では大泉を「日本アニメ発祥の地」として制定しました。制定されたのは割合最近で、「白蛇伝」の製作からちょうど50年経った2008年のことです。練馬区は更に、そのシンボルとしてモニュメントも建てることにしました。単に制定しただけでは誰にも分からないですから、このような動きも当然といえるでしょう。

西武池袋線大泉学園駅の構内に建つ「銀河鉄道999」の車掌のモニュメント

そのモニュメントになったのが「銀河鉄道999」に登場する車掌です。背景には「銀河鉄道999」の生みの親である松本零士監督が近くに住んでいるということがありました。こんな巨匠の後押しがあると「発祥の地」として箔がつきそうですね。モニュメントは西武池袋線大泉学園駅の構内に設置されており、横には「日本アニメ発祥の地」の説明も掲げられています。加えてこの車掌は大泉学園駅の「名誉駅長」も務めており、「銀河鉄道999」ファンの間ではちょっとした名所になっています。

大泉学園駅では、他にも「銀河鉄道999」のフラッグを掲げたり、自動販売機に「銀河鉄道999」のヒロインであるメーテルのラッピングをしたり、と様々な工夫を凝らしています。また電車の発車時のメロディに「銀河鉄道999」のテーマを用いており、その世界観を駅全体で表現しています。

当団の定期演奏会の会場(所沢市民文化センター「ミューズ」)の最寄り駅である航空公園駅は大泉学園駅と同様に西武線沿線にありますので、もし池袋方面からおいでになる方がいらっしゃったら大泉学園駅にも少し寄ってみては如何でしょうか。現実の鉄道の中に佇む夢の鉄道「銀河鉄道999」の世界に束の間浸ることができることと思います。

文責:磨墨

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