第39回「木星」が広げる世界パイオニア吹奏楽団

コラム

2012年 12月 3日

「演奏会情報」をご覧になってもお分かりの通り、当団の第23回定期演奏会のプログラムが固まりました。今回はその中でメインプログラムとしてお送りする予定の組曲『惑星』より「木星」に関する話題を取り上げたいと思います。

組曲『惑星』は20世紀の初めにイギリスの作曲家グスターヴ・ホルストによって書かれた曲で、「火星」から「海王星」まで惑星の名が付いた7つの楽章で構成されています。世界的に知られるようになったのは作曲後しばらく経ってからのことで、20世紀を代表する指揮者であるあのヘルベルト・フォン・カラヤンが取り上げてからと言われています。吹奏楽ファンにとってはホルストの作品といえば「吹奏楽のための第1組曲」などが真っ先に挙がるかもしれませんが、世間的にはやはりこの『惑星』がホルストの代表作として一番に来るのではないでしょうか。今ではCMやBGMなど様々なシーンで『惑星』のフレーズが登場しています。

その『惑星』を構成する楽章の中でも特に有名なのが「木星(Jupiter)」でしょう。中でも第4主題は誰もが一度は聞いたことがある、と言っていいほど有名です。それ故、「木星」を題材にしたアレンジは非常に多く作られています。

第9回アンサンブルコンサートでの「Jupiter」

よく知られているところでは、平原綾香さんが「木星」をアレンジした「Jupiter」を歌って大ヒットしました。聴き馴染みのある「木星」のテーマに、宇宙と愛とを豊かに表現した歌詞がマッチしたのがヒットを呼んだものと思われます。当団でもその平原さんの「Jupiter」をアンサンブルコンサートで演奏したことがあり、好評を博しました。

2005年に38歳という若さ亡くなった本田美奈子さんも「木星」をアレンジして平原さんとは違うバージョンの「Jupiter」を歌っています。この他にもドビュッシーの「新世界」や「アメイジング・グレイス」のアレンジを歌い上げるなど、ポップスとクラシックとのクロスオーバーを目指していた本田さんが早逝したことは惜しまれてなりません。もし存命ならどんな世界を我々に見せてくれていたことかと思います。

少し目線を変えたところでは、フィギュアスケートの浅田真央選手が2011~2012年シーズンのエキシビションの曲に「木星」を元にした「誓い~ジュピター~」を採用していました。エキシビションは競技とは直接関係なく観客に楽しんでいただくものであることもあり、浅田選手が曲に乗って伸びやかに演技していたのが印象的です。

東武東上線朝霞駅前にある本田美奈子さんの記念碑

世界的には、オリンピック・サッカーW杯に次ぐ規模のスポーツイベントであるラグビーW杯のテーマ曲「ワールド・イン・ユニオン」が「木星」を元にしたものとして有名です。「ワールド・イン・ユニオン」は1991年の第2回ラグビーW杯からテーマ曲となり、それ以降大会ごとに曲調が異なるような工夫も凝らされています。2019年には第9回ラグビーW杯が日本で開催される予定ですので、その時期にはこの「ワールド・イン・ユニオン」が日本中に流れることでしょう。まだ先のことですが、そこから派生して『惑星』がブームになるかもしれませんね。

今回はこの有名な組曲『惑星』より「火星」及び「木星」を吹奏楽版でお送りする予定です。原曲が管弦楽曲であるため当然吹奏楽としてアレンジしたものになりますが、平原さんや本田さんに負けないよう、原曲とは違った魅力をお届けできればと思います。是非ご来場下さい。

文責:磨墨

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