菅野 聡子

ハワイ島バムをナビして

今までミーハー心で一度は行ってみたかったハワイ。
胸膨らませて初めて降り立ったハワイ島は、予想を気持ちよーく裏切ってくれた。空港には、雨をしのぐ屋根とベンチと小さなお土産屋さんだけ。上を見上げれば、遮るものが何もない、ただの空。
あーこれがハワイ島なのか、と肌で実感する。
何もないことが、こんなにもわくわくさせる。

荒涼とした溶岩に覆われた土地と、花咲き乱れる木々が代わる代わる楽しめる宿への道すがら、早速ウクレレを購入する。このウクレレは、その後朝昼晩つまびく相棒となる。毎晩開かれた面さんのウクレレレッスンは、白熱したな。西村さんとの練習デュオも、ウミガメのいるビーチでikuwaさん、宮本さんと演ったアンサンブルも。ウクレレが日常に在る生活。

Music Festivalでは、本場の演奏を大きなスピーカーの前でビリビリ振動の中聴いたり、ミュージシャンにサインをもらったり、カメラをなくしたりみつかったり。ハラハラドキドキ。
ブラさん宅でのライブでは、まるで体の一部のように楽器を操り、音を楽しむ人たちに感激し、ikuwaさんの演奏には目を見張った。ウクレレで唯一弾き語れるハッピーバースデーを皆さんと並んで弾いた。
日が暮れるのをゆっくり味わい、ナッツを木から採っては石で割って食べたことも鮮やかに思い出される。

自然の中を馬に乗りながら音を録ったり、夕刻と早朝に同じ森へ行き音の変化を感じたり、夜と朝の海の音を目を閉じて録ったり。
もちろん早起き後のパンケーキ、オムレツも格別だった。
二本の虹を見て激写したり、雨風にさらされながら溶岩の音を録ったり。
ドクドクとゆっくり溢れては流れる溶岩に、顔を赤く染めた。

「音を聴く」「録る」だけではなく、「音を発する」ことも楽しんだ今回のサウンド・バムは、旅への概念さえもくつがえしそうだ。今まで映画を見るように、お客さんでしかなかった旅が、自分もそこにいたことを実感させてくれるものへと変わりつつある。やみつきになりそう。
あの時間が確かにあったことが、今でもこころを豊かにしてくれる。
参加者の皆さんにこころから感謝を。

すがのさとこ

p.s. そういえば、残念なことが一つだけあった。ブラックビーチでつぶつぶした黒く輝く砂と緑の砂のセットを心弾ませ買おうとしたら、「縁がなくなるよ」と背後から言われて、結局買うのをやめてしまったこと。うーん悔しい。(02/09)

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