藤本:肩書ですか。何だろうな。ひと言でいえば、自然と人をつなぐような仕事。自然というのは人間にいろんなメッセージを出してるんですよね。音もそうだし色、形、いろんな様を見せてくれてるんだけどもみんな気がつかないですよね。それを私が翻訳して伝える、そういう仕事だと思ってます。
藤本:そうそう、まさにそうですよ。そういう場所なんです。だからこのホテルブルーレイクの庭先にいるだけで、いろんな鳥の声が聞こえてきます。塩の道を散歩しながら姫川源流の辺りとか、そこは春先にはミズバショウ、ザゼンソウ、それからフクジュソウの自然群落があるからたいへん有名な場所なんですが、そういう花が咲いている上で、鳥たちの声が聞こえてくる。すごくいい場所ですよ。これはお薦めの場所です。あまり教えたくない(笑)。でもこのサウンドエクスプローラのメールを読んでいる方は、いい方ばっかりでしょう。ぜひ。
藤本:わからない。何かが聞こえてくる。あれだけ生き物がたくさんいる環境っていうのは、そうそうありません。なのに、日本のあるバードウォッチンググループが行くと、半日でぐるぐる回っちゃうんですよ。で、もう次の日帰ってしまう。
藤本:感じてない? 音にこだわる仕事してるのに(笑)? 軽井沢っていうのは浅間の噴石でしょ。軽石が引き締められてる。だから野鳥の森を歩いててもカサッカサッカサッという音はずうっと耳に入ります。
藤本:そうそう。実は、公園づくりの中で前からそういう考えを持ってまして。たとえば、1年を通して虫が鳴く公園づくりとか。まあ真冬には難しい場合もありますけど、九州だとそれが可能な場合もありますよね。もしかすると坪庭なんていうのは、あれ見るだけで来てますけど、あれと同じ方式で生き物の音をいつでも感じられる庭づくりってできると思います。
藤本:神宮で十分です。光が丘公園で十分です。井の頭公園でも十分聞こえます。落葉の上に落ちる音がすごくいいんですよ。でも、ドングリころころって大嘘ね(笑)。ああいうふうには絶対ならないです。
藤本:いちばん好きな音ねぇ……。そうですね、マツムシの声ですね。多摩川の土手もかすかにまだ残ってますけど、愛知県の知多半島に伊良湖岬というところがあります。そこの恋路ケ浜というところに毎年10月ごろになるとサシバがたくさん渡ってくるんです。タカの仲間なんですけどね。サシバ以外にも、もちろん小鳥たちが渡っていく姿が見られます。集中して来るので、その時期になると全国の野鳥の会とか自然好きがみんな集まるんです。藤本和典(ふじもとかずのり)
1951年東京都生まれ。(財)日本野鳥の会を経て、現在、シェアリングアース協会代表。身近な自然を大切にする人をひとりでも多くすることを目的とし、五感を活かした自然感察会を主催するほか、地球環境ウオッチングツアーの実施、自然をテーマにしたメディアの制作監修、執筆活動などをおこなっている。NHKラジオ夏休み子供科学電話相談室出演(鳥を担当)、TBS「どうぶつ奇想天外」企画協力などに携わっている。主な著書に、『野鳥 ポケット図鑑』(主婦の友社)、『庭に鳥を呼ぶ本』(文一総合出版)、『都会の生物』(小学館)などがある。