山本:大学で最初に手がけようとしたのは、イルカの音声分析です。たとえば人間の声って、言葉の内容以上に、いろんなことを伝え合っているでしょ? 抑揚だとか調子だとか、そういうところで。声っていう「音」が、コミュニケーションの中でどう機能しているのか。そこに興味があったんです。
山本:イルカはクジラという種の一部なんだけど、大きく歯クジラと髭クジラに分けることができます。歯クジラは、100とか150Khzといった高い音の世界で生きている。髭クジラは、10hzとか15hzといった低い音の世界に生きています。どちらも、人間にはほとんど聴こえない世界。
山本:
ええ、アースウオッチでの活動は、これからもつづけます。
(*アースウオッチは、現場の研究者たちにお金だけでなくボランティア、つまり“お手伝い”も提供しながら、参加者が研究現場に直接接していくためのプログラム。各研究現場と人々の間を媒介する、新しい類のエコ・ツーリズムとも言える。専門的な知識がまったくない人でも、アースウオッチを通じて、世界各地の研究現場に参加可能。そこいらの観光ツアーパンフよりはるかにバラエティに富んだメニューを読んでいると、今すぐ行ってみたくなる。)山本 聡(やまもと さとし)
1961年生まれ。国内の大学で心理学を学んだ後、ハワイの研究機関でイルカを対象とした認知心理学に従事。
97年4月より静岡県・淡島マリンパークの海生哺乳類飼育顧問。
アースウオッチ・ジャパンの国内プロジェクトのひとつとして「イルカの認知能力の調査」を、参加した人々と一緒に行なっている。