報道資料:高音質CDプレーヤー「PD−HS7」新発売

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Pioneer
1997年 8月 25日
パイオニア株式会社

新技術「Z−コンセプト」採用 よりリアルで三次元的な立体音場を実現高音質CDプレーヤー「PD−HS7」新発売

PD−HS7

PD−HS7

 当社はこの度、新技術「Z−コンセプト」を採用したCDプレーヤー1機種を下記要領にて新発売いたします。

商品名型番価格(税別)発売日月産予定台数
CDプレーヤーPD−HS795,000円9月下旬1,000台

【企画意図】

 CDはそのフォーマット上、再生周波数帯域の上限は約20kHz、解像度は16bit精度(ダイナミックレンジ約96dB)に制限されています。
 当社は高音質追求のため、これまで「ワイドレンジテクノロジー」思想に基づき、「Hi−bit・レガート・リンク・コンバージョンS」等のオリジナル技術を開発、再生周波数帯域を約50kHz、解像度を24bit精度(約140dB)まで拡大することに成功し、フォーマットの枠を超え、より自然で原音に近い音質を実現してきました。

 今回の「PD−HS7」では、「Hi−bit・レガート・リンク・コンバージョンS」に加え、新たに開発した「Z−コンセプト」技術を導入しています。
 「Z−コンセプト」では、デジタル信号の読み取り・伝送・変換について、それぞれを正確な時間軸上にて行うことを追求しており、その結果、力強いクリアな音像とリアルな音場の再生を実現しました。また同時に、「Hi−bit・レガート・リンク・コンバージョンS」の効果をより高いレベルで発揮させる効果もあるため、より現実的で三次元的な立体音場を実現することができました。

 「PD−HS7」は「Z−コンセプト」に基づき、筐体、メカニズムおよび回路を新規に設計、フロントパネルは先進的かつ高級感あふれるデザインに仕上げ、細部に至るまで最新の技術を投入したハイクオリティモデルです。

「Z-コンセプト」

 デジタルオーディオでは、いかに正確な時間軸上でデジタル信号を伝送し、また信号処理を行うかが、音質に大きな影響を与えます。信号の伝送や処理が時間軸に正確でないことから生じるジッター(揺らぎ)が多いと、その音質は安定感の乏しい、あいまいな感じになることは、従来より知られていました。
 当社ではこの点に着目し、光ディスクの信号検出部、伝送部および変換部それぞれを、時間軸上の正確さを追求するという切り口から検討し、開発を進めることで確立した技術が、「Z-コンセプト」です。

 「Z−コンセプト」とは、「レガート・リンク・コンバージョンS」による周波数レンジの拡大をX軸、Hi−bit化によるダイナミックレンジの拡大をY軸ととらえ、新たにZ軸として時間軸を提案するものであり、その名称には、X、Y方向の二次元的な音から三次元的な本来の意味でのステレオフォニック音質を目指し、新次元の音にチャレンジしていこうという意味が込められています。

【主な特長】

1 ) より自然で、より原音に近い再生を実現した「Hi−bit・レガート・リンク・コンバージョンS」搭載

従来約20kHzである再生周波数帯域の上限を約50kHzまで拡大する「レガート・リンク・コンバージョンS」と、ディスクに記録されている16ビットデータを24ビットに再量子化することでダイナミックレンジを従来の96dBから140dBまで拡大するHi−bit化技術を組み合わせることで、より滑らかで繊細な音楽表現を可能にしました。これらによって、CDの枠を越えたより一層原音に近い音楽再生を実現しています。

2 ) 正確な音楽信号伝送を追求し、より三次元的な立体音場再現を実現する「Z-コンセプト」採用

「Z-コンセプト」技術は、信号検出部の「ステイブル・ディテクション「安定信号検出)」、伝送部の「アキュレート・トランスミッション(時間軸正確伝送)」、変換部の「ジッター・フリー・コンバージョン(時間軸忠実変換)」技術の組み合わせにより波形ひずみを低減し、正確なデジタル信号伝送を追求するものです。

「ステイブル・ディテクション「安定信号検出)」
<アコースウィィク・ダンケー・メカカズム>

  • ターンテーブルメカニズム・SD(ステイブル・ディテクション)バージョン
    ピックアップとディスクとの間の機械的な結合力をアップすることで、ピックアップのディスクに対する追従性が増し、電気的なフォーカスサーボの負荷が軽減されています。ディスクテーブルは振動解析を行い共振点を効果的に分散させるように設計、特殊なディンプル処理を行った上、数個の孔を効率よく配置したユニークな構造になっています。
  • アコースティック・ダンパー・トレイ
    CDトレイ前面部とターンテーブルを分離し(トレイ引き込み時)、外部音圧の影響を押さえ、ピックアップ・フォーカスサーボ電流の安定化を実現しました。
  • トリプルレイヤードシャーシ
    床からの音圧の影響を受けにくい3重のアンダーシャーシ構造により、振動減衰特性の向上と共振周波数の分散化をはかりました。
  • クリーンレーザーピックアップ

「アキュレート・トランスミッション(時間軸正確伝送)」
<アキュレーエ・サーボ回路>

ディスクの回転制御信号に含まれる不要な高周波成分は回転精度に影響をあたえ、最初にディスクから取り出されるRF信号の揺らぎ(ジッター)となります。回転制御回路に新開発のアキュレートサーボ回路を付加することで大幅に不要な高周波電流を低減しました。

<アキュレートEFM回路>
EFM回路は、アナログのRF信号をA/D変換して得られます。通常の変換ではRF信号のジッターが少なくてもEFM信号に変換するとジッターの増加があります。アキュレートEFM回路によりジッターを約30%低減させることが可能となります。

「ジッター・フリー・コンバージョン(時間軸忠実変換)」
D/Aコンバーターに入力されたデジタル信号は、水晶振動子から生成されたマスタークロック信号を基準にアナログ信号に変換されます。一方デジタルオーディオ機器内部には多くの高周波信号が存在し、時としてこのマスタークロックに有害な影響を与えます。ジッターフリー・コンバージョン方式では、マスタークロック回路部を独立電源にてドライブし、発振回路部に金属密封の波形対称性に優れた専用部品(ステディクロックジェネレーター)を仕様することで安定したマスタークロックを実現しました。さらに、DAC回路部に入力クロックのジッターに強いタイプ(ジッタープルーフDAC)を使用することで、前述のマスタークロック採用と合わせ、時間軸方向における忠実なD/A変換を実現しました。

3 ) 「Hi−bit」能力を余すところなく発揮する「ワイドレンジDAC」搭載

「Hi−bit・レガート・リンク・コンバージョンS」によって拡大されたデジタルデータを広帯域にわたって余すところなく正確にD/A変換する、マルチビットタイプの「ワイドレンジDAC」を搭載し、極めて忠実な原音再生を実現しました。

4 ) DACモード搭載

他のデジタルオーディオ機器を接続するためのデジタル入力端子(光・同軸)を備え、「PD−HS7」を高音質D/Aコンバーターとして利用するDACモード(サンプリング周波数32/44.1/48kHz)を搭載しました。

【主な仕様】

周波数特性2Hz~20kHz
可聴周波数範囲2Hz~50kHz
出力電圧2Vrms
ダイナミックレンジ(EIAJ)100dB以上
全高調波歪率(EIAJ)0.0017%以下
SN比(EIAJ)115dB以上
チャンネルセパレーション(EIAJ)110dB以上
デジタルアウト(光)−21~−15dBm(波長660nm)
サイズ W×H×D(mm)420×125×374
重量10.0kg
消費電力12W
入出力端子オーディオ出力(RCAピン)金メッキジャック
デッキシンクロ端子
デジタルアウト(光・同軸)
デジタルイン(光・同軸)
ヘッドホン出力(ボリューム付)
ACインレット

【主な機能】

トラックサーチ 24曲プログラム* 10キーダイレクト選曲*
マニュアルサーチ ポーズプログラム* インデックスサーチ*
プログラムチェック* プログラムクリア* タイマープレイ
タイムロケーション プログラムランダムプレイ* ランダムプレイ*
予約プログラム* 1曲リピート プログラムリピート*
全曲リピート ディスプレイオフスイッチ

*は付属の34キーリモコンに搭載された機能です

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