報道資料：ドルビーデジタルサラウンドとTHX5.1に対応AVアンプ「VSA−D9TX」新発売

　当社は、デジタルサラウンド音声「ドルビーデジタル」の再生に加え、映画音場へのこだわりを追求した「THX5.1」の再生をも可能にしたAVアンプ1機種を下記要領にて新発売いたします。

VSA−D9TX

【企画意図】

　「ドルビーデジタル」方式のサラウンドは、現在ではDVD−Videoのフォーマットとして標準で採用されていますが、当社は、早くからその可能性に注目し、94年秋にはレーザーディスクの音声フォーマットの1つとして採用、それに対応したプロセッサーやAVアンプを積極的に市場導入してきました。

　DVDの登場によって、本格的サラウンド「ドルビーデジタル」への関心も高まり、AVアンプの販売は前年比約2倍を記録しており、本格的ホームシアターは限られたマニアの楽しみ方ではなくなりつつあります。当社も「リビング劇場システム」として、DVDプレーヤー、AVアンプをはじめ、大画面ワイドプロジェクションTV、小型高性能のリニアパワー方式スピーカー、また、近い将来にはプラズマディスプレイを発売するなど、トータルなシステムを提案しています。

　「VSA−D9TX」は、「ドルビーデジタル」のみならず、「ルーカスフィルム ホームTHX5.1」にも対応しています。これは、あの「スターウォーズ」を手がけたジョージルーカス氏の映画音場へのこだわりを家庭でも実現することを目的に、映画館の音場を正確に家庭でも再現できる高性能AVアンプのみにルーカスフィルム社が認証を与えるものです。

　当社は、12月発売予定の最高級DVDプレーヤー「DV−S9」と共に、デジタル時代のAV再生に必要なすべての機器を揃え、今後も、本物として感動できるパイオニア独自のホームシアターを提案してまいります。

【主な特長】

1 ) ドルビーデジタル1チップIC使用のデコーダ内蔵

ドルビーデジタル1チップIC（富士通・パイオニア共同開発）使用のデコーダ内臓により、アナログ回路にとってノイズ源とも成り得るデジタル回路の小型化を実現。さらにアナログオーディオ回路と分離させることで、一層の高音質化を図ると共に、高効率パワーアンプとの組合せで性能を向上させながらシステムのコンパクト化を実現しています。

2 ) 「ルーカスフィルム ホームTHX5.1」対応

「THX」は映画鑑賞を最高の品質で実現するためにルーカスフィルム社が定めた規定です。「ルーカスフィルム ホーム THX5.1」は、その家庭版に位置付けられ、ドルビーデジタルをベースとして、家庭で映画館の音場、臨場感を正確に再現します。その認証はルーカスフィルム社の厳正な審査の結果、映画館そのままの臨場感を家庭で再現可能な高性能AVアンプに対して与えられるものです。
当社では、THX5.1に対応するため具体的に下記のような技術を搭載しています。

• 「リ・イコライゼーション」
  映画館用に録音されたフロントチャンネル音声は、スクリーン透過を想定してオーバーブライト（高域が強調されている）ですが、それを最適に補正します。
• 「ティンバー・マッチング」
  フロントch（チャネル）とリアchのスムースな音場・移動感を実現します。
• 「ダイナミック・ディコラレイション」
  2本のサラウンドスピーカー（リアスピーカー）でも映画館と同様の効果を引き出します。
• 「バス・ピーク・レベル・マネジャー」
  低域を自分のスピーカーシステムに適したレベルに設定することが可能です。
• 「ラウドスピーカー・ポジション・タイム・シンクロナイゼーション」
  スピーカーからリスニングポイントまでの距離に合わせて、最適な音場に調整します。

3 ) 業界初、96kHz24bit対応D／Aコンバーター搭載

DVD−Videoは現在市販されている最高音質のデジタルオーディオフォーマットである96kHzサンプリング・24bit分解能に対応しています。そこで今回、アンプとして世界で始めて96kHz24bit対応D／Aコンバーターを搭載。DVDの高音質を余すところなく引き出し、細かな音のニュアンスや空気感までも再現するため、より自然で存在感のあるサウンド表現を実現します。
このD／Aコンバーターは、デジタルオーディオ機器とデジタル接続することで使用できるので、AVだけでなく本格的なピュアオーディオの世界も楽しめます。また、信号が16bitで記録されているCDやMD等を再生する場合でも、信号をより細分化して忠実度の高い変換を行うため、極めて繊細な音楽空間表現が可能です。

4 ) ダイレクトエナジーMOS FET搭載

ピュアオーディオ用のアンプに採用し、ダイナミックでクリアーなサウンドが好評な高性能パワー素子「ダイレクトエナジーMOS FET」を搭載。140W×5ch（EIAJ）というクラス最大の出力を効率よくスピーカードライブ力に変換します。ピュアオーディオ（2ch）でもサラウンド（5.1ch）でも明瞭な音像感・音場感を実現し、さらにサラウンド時は重量感豊かな低域を再生します。

5 ) 5ch パワーディスクリートアンプ搭載

フロント（L／R）・センター（C）・リア（SL／SR）の計5つのスピーカーを同一のパワー、クオリティーで再生。特に各チャンネル独立の信号を持つドルビーデジタル再生においては、理想的なサラウンド再生を実現します。

6 ) プリセットコード・学習機能を備えたマルチコントロールリモコン及びGUI採用

DVD／LD／VCR／デジタル衛星放送等、AVアンプに接続される多様な機器をより簡単にコントロールできるリモコンを開発しました。手になじむ形状、操作しやすいキーパッドなど、使えば使うほど魅力の増すリモコンです。主に下記のような機能があります。
「マルチ・コントロール・リモート」
各ソースの主要メーカーのリモコンコードがあらかじめプリセットされており、コードを呼び出すだけでこのリモコンで操作が可能。学習機能も装備しており、自分に合ったアレンジが可能です。
「マルチ・オペレーション」
また、アンプのパワーOnからTVパワーOn、ソース機器のプレイまでボタンひとつで実現。見たいとき・聞きたいときにすぐその音や映像を楽しめます。

加えて複雑な各種設定をTV画面で確認出来る「GUI（Graphic User Interface）」を搭載。様々な使用環境で常にアンプの性能を最大限に引き出すため、スピーカシステムの形態、各スピーカの位置、能率、スピーカシステム全体での低域再生能力などのパラメータを簡単に設定することが可能です。

7 ) DSPによる音場再生機能5モード搭載

映画ソフトはもちろん音楽ソフトでも立体音場の楽しめるDSP機能を搭載。

• 「THEATER1」
  中型映画館の雰囲気をリビングルームで再生するために最適化した音響パラメーターを設定。
• 「THEATER2」
  各チャンネルの定位感を損なわずに映画館の音場を再現。
• 「HALL」
  座席数1000～2000の大型コンサートホールの音場を再現します。
• 「JAZZ」
  比較的狭いジャズクラブの濃密な雰囲気を再現します。
• 「DANCE」
  ダンスフロア中心の標準的なディスコに特有のライブ感豊かな響きが得られます。

8 ) S2にも対応した S−Video入力／出力端子を装備

ワイド放送やDVDの縦横アスペクト比のスクイーズ信号、レターボックス信号などがソース機器から入力された場合、それらの映像信号を自動判別しディスプレイ機器へと送り出すため、ワイドテレビとS映像ケーブルで接続した場合などに最適な画面サイズを自動選択しご覧いただく事が出来ます。

9 ) 豊富なドルビーデジタル専用入力端子

ドルビーデジタル対応のLD再生に必要なデモジュレーター及びAC−3RF入力を装備。また、DVD等のドルビーデジタル対応メディアやMDも接続可能なPCM/Dolby Digital兼用端子(同軸2系統、光1系統)も搭載。

【主な仕様】