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デジタル画像の電子透かし技術提案を統合−日立、IBM、NEC、パイオニア、ソニーの提携により、デジタル録画機器の普及が大きく前進−
株式会社日立製作所(以下日立)、IBMコーポレーション(以下IBM)、日本電気株式会社(以下NEC)、パイオニア株式会社(以下パイオニア)、ソニー株式会社(以下ソニー) の5社は本日、デジタル・ビデオ・コンテンツ(以下コンテンツ)用の電子透かしを組み込む方式について統一することで合意したことを発表します。今回の合意により、コンピュータ技術と家電の映像処理技術を融合し、放送やネットワークシステムを介したコンテンツやパッケージ用コンテンツの不正コピーを防止することができる、より優れた電子透かし技術が可能になります。これにより、例えば将来の録画可能なDVD等のデジタル録画機器やパソコン、高品位テレビ放送など幅広く応用されることが期待されます。なお、この5社は今後、この合意に関して「ギャラクシー・グループ」(Galaxy group)と呼称します。
電子透かしは、映画等のような著作権があるコンテンツに電子透かしを組み込むことにより、不正コピーを防止するために用います。デジタル化によりコンテンツは、画質を落とさずに何回でもコピーができ、またアナログ信号になっても高画質でのコピーが可能となるため、デジタル接続のみならずアナログ接続でも有効な電子透かしによる著作権保護技術の開発は、映画業界にとって重要な課題でした。電子透かし技術を利用すれば、コピーの禁止はもちろん、一回のみコピー可という電子透かし情報をコンテンツに入れることにより、不正なコピーを防止できるため、さまざまなコンテンツを安心して市場に投入できるようになります。例えば、将来のデジタル録画機器等を用いて、映画等のダウンロードサービスによる録画等が可能になります。もちろん、コピーが認められたコンテンツであれば、ユーザーが私的利用の範囲に於いて、高画質で、ビデオ録画を楽しむことが可能です。
電子透かし技術では、著作権管理情報が画像に影響を及ぼさないように埋め込まれており、容易に著作権管理情報のみを消すことはできません。例えば、本技術を、将来のデジタルビデオ録画・再生機器に組み込んだり、PCのソフトウェアで実行できるようにすればすれば、コンテンツ上の著作権管理情報を検出し、不正にコピーされたコンテンツの再生を禁止したり、録画機器では録画を制限することが可能となることから、不正にコピーされたコンテンツの流通や製造を防止することが期待できます。この電子透かし情報は、デジタル・アナログ変換やデジタル圧縮・伸長等のような通常の処理でも消えることはなく、また、アナログ信号にも残っているため、幅広い機器での応用が期待されています。
1997年9月、ギャラクシー・グループの5社を含む11社は、コピー・プロテクション・テクニカル・ワーキング・グループ(Copy Protection Technical Working Group:CPTWG)のデータ・ハイディング・サブグループ(Data Hiding Subgroup Group:DHSG)に電子透かし技術を提案しました。CPTWGは、コンピューター、家電、映画スタジオおよび音楽著作権の各業界の専門家により構成され、映画などのコンテンツのコピー防止策案を検討する組織です。
電子透かし技術については、CPTWGのDHSGで討議されていました。IBMとNECは技術融合をはかり、一方日立、パイオニア、ソニーの3社も技術融合をはかってきましたが、このたびコンピュータ業界と家電業界の広範な専門技術の融合を目指します。特に、将来の高品位テレビの規格やデジタル映画の配給、コンピュータ用高解像デジタル・イメージ・アプリケーションの分野においても、今回統合される技術の拡張に5社で協力していきます。
なお、今回の合意によって開発される電子透かし技術は1998年12月にCSS(Contents Scrambling Scheme)の答申機関として設立されたWaRP(Watermark Review Panel)に評価されます。その後CSSのアドバイザリ機関である暫定CPAC(Interim Copy Protection Advisory Council)がCSSの要求に最も適合した提案として今夏までに選定する予定です。
以上
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