報道資料:民生用スピーカーシステム “TAD Reference One” 新発売

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Pioneer
2007年 2月 6日
パイオニア株式会社

長年にわたって蓄積した匠の技を結集したフラグシップモデル
プロオーディオ業界で信頼と実績のTADティーエイディー(Technical Audio Devices)ブランドから
民生用スピーカーシステム “TAD Reference One” 新発売

TAD Reference One

TAD Reference One

製品名 希望小売価格 発売時期
スピーカーシステム TAD Reference One 3,150,000円 (1本)
(税抜価格 3,000,000円)
4月上旬

【企画意図】

 TAD(Technical Audio Devices)は、パイオニアの誇る高級スピーカーブランドです。1975年の開発プロジェクト発足から現在まで四半世紀に亘る歴史を持ち、プロ用スピーカーユニットはプロフェッショナルスタジオのモニタースピーカーとして世界の録音現場の第一線で揺るぎない地位を築くなど、世界中の多くのトップアーティストやエンジニアから厚い信頼と高い評価を得てまいりました。
 この度、パイオニアが発売する民生用スピーカーシステム“TAD Reference One”は、2003年に発売した、TADブランド初の民生用スピーカーシステム「TAD-M1」の思想と技術を受け継ぎ、さらに進化を遂げたフラグシップモデルです。
 当社は本製品により、21世紀のハイエンドオーディオ市場における世界の頂点を目指します。

【主な特長】

1 ) TAD伝統の蒸着法によるベリリウム振動板を、ミッドレンジ及びトゥイーターに採用

 トゥイータードームとミッドレンジコーンには、非常に軽量かつ高剛性に優れた素材である、ベリリウムを採用。当社が独自に開発し長年培ってきたTAD伝統の蒸着法を用いることにより、材料強度や均一性において一段と優れた性能を達成すると共に、内部損失が大きく卓越した減衰特性をも実現しています。トゥイーターの形状には「HSDOM※1」というコンピュータ解析による先進の最適化手法を導入、分割振動を可聴帯域外へ追いやるなど的確にコントロールすることで、100 kHzもの超高音域再生を可能としています。ミッドレンジには直接放射型の蒸着ベリリウム振動板としては最大級の口径となるコーンを採用し、広帯域にわたり透明感のある高精度な音の再生を実現しています。

※1:HSDOM:Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Methodの略語

2 ) 理想的な点音源再生を追求、進化した同軸スピーカーCST※2ドライバー

 CSTドライバーは“位相の一致したひとつのポイントから、広帯域にわたり指向性をコントロールした再生をする”という理想を具現化したものです。ミッドレンジのコーンは、それ自身が優れた音響特性を持つだけでなく、同軸配置されたトゥイーターの指向特性をコントロールする機能を併せ持つように綿密に計算された設計となっています。これによりトゥイーターとミッドレンジの音響中心を同一にし、クロスオーバーにおける位相特性と指向減衰特性とを一致させています。さらに、250 Hz~100 kHz という超広帯域再生能力と、全帯域にわたって乱れることなくきれいに減衰する指向放射パターンを併せ持ち、明確で安定した定位と、広いエリアにおける自然な音場空間表現を可能にします。

※2:CST:Coherent Source Transducerの略語。

3 ) 波形を正しく再生。低歪で高リニアリティの 25 cmウーファー

 音の波形を常に正しく再生するためには、磁気回路、振動板、サスペンションのそれぞれが低歪で、駆動リニアリティが高くなければなりません。磁気回路にはOFGMS※3磁気回路を採用。ショートボイスコイル・ロングギャップタイプであるこの磁気回路は、37mm長のロングギャップでありながら、その間の磁束密度を均一化しています。これにより小さな振幅から大きな振幅まで動作が安定し、高い駆動リニアリティを実現しました。振動板には、構造体強度も含めて理想的な物性を得るためにTLCC※4 3層構造アラミド振動板を採用。豊かでクリアな低音とカラーレーションのない素直な中域音の再生を実現しました。またサスペンション系は、エッジにはTAD伝統のコルゲーションエッジ、ダンパーはデュアルダンパーとし、高度なリニアリティを確保しています。

※3:OFGMS: Optimized Field Geometry Magnet Structureの略語。
※4:TLCC: Tri-Laminate Composite Coneの略語。

4 ) 高い制振効果と強度をもつ、新SILENT※5エンクロージャー

 異質材の組み合わせによるラミネート構造材を巧みに使用し、横隔壁を骨格にすると共に周囲を強固なパネルにすることで、全体の強度を引き上げました。フレーム構造とモノコック構造のメリットを活かし、静的・動的強度を上げつつ制振効果を最大限に高めます。 エンクロージャーは厚さ21mmの樺合板を骨組みとして強固な枠組みを構成し、高周波加熱プレス成型した厚さ50mmの側板と最大137mmのCNC加工合板を張りあわせて形成されています。またティアドロップ形状にすることで音の回折が低減され、音場表現と強度に優れ、エンクロージャーの不要共振と内部定在波の排除にも貢献しています。

※5:SILENT:Structurally Inert Laminated Enclosure Technologyの略語。

5 ) 重心位置の最適化による安定感、スラントレイアウト採用

 エンクロージャー全体を4度傾斜させることで、タイムアラインメントを実現すると共に、エンクロージャーの支持点の中心に重心を置くことで、スピーカー全体の安定性をさらに向上させてスピーカーユニットの振動の反力をしっかりと支え、クリアかつ正確な低音を再生します。

6 ) TADホーンの流体設計を応用した新技術、エアロダイナミック・ポートシステム

 TAD proのホーンの開発で培われた精密な流体設計を背景に、フレア形状のポートシステムを新たに開発。徹底的に風切り音を低減し、大入力・大振幅時にもユニットがストレス無く駆動し、S/Nの良い深く澄んだ低音を再生します。

7 ) ベース板に高強度ハイブリッドベースプレートを採用

 エンクロージャー底部に、高強度なアルミ材を採用。バーチプライウッドとの異質材料の結合により、高い制振効果と美しい木工加工の保護を兼ねると共に、総重量150 kgのスピーカー本体を確実に支えます。

8 ) 正確かつ精密に音の力を生かせる「ISO(Isolation)ドライブテクノロジー」をCSTドライバーに採用

 CSTドライバーは、機械的な振動の伝達を遮断する独自の構造によってエンクロージャーに取り付けられています。これによりCSTドライバーはエンクロージャーを励振させることがなくなり、エンクロージャーからの2次的な輻射音を低減します。CSTドライバーの振動板からの放射音のみを正確に伝え、理想的な点音源再生として音のディテールを精密に描き出します。

9 ) 中低域音を濁らせる定在波を効果的に解消する「ABD(Acoustic Balance Drive)テクノロジー」

 「ABDテクノロジー」はスピーカーシステムのエンクロージャー内の不要な定在波の発生を抑える技術です。独自の音響シミュレーションにより発音源となるウーファーとポートの配置を最適化。濁りのないダイナミックな中低域音を再生します。

10) 美しい天然木「ポメラサペリ」突板採用と贅沢な透明ポリエステル仕上げ

 高級家具の素材として用いられる希少な天然木「ポメラサペリ」をエンクロージャーに採用。透明ポリエステルのハイグロス塗装(ピアノ仕上げ)を施し、熟練の職人が一本一本手作業により磨き上げ丹念に仕上げます。

【主な仕様】

型式 位相反転式フロア型、
スピーカー構成 3ウェイ方式
  ウーファー 25 cm コーン型 × 2
  ミッド/トゥイーター 同軸16 cm コーン型 / 3.5 cm ドーム型
再生周波数帯域 21 Hz ~ 100 kHz
クロスオーバー周波数 250 Hz、2 kHz
出力音圧レベル 90 dB (2.83 V、1 m 自由空間)
最大出力音圧レベル 115 dB
適合アンプ出力 50 W ~ 300 W
公称インピーダンス 4 Ω(minimum 4.1 Ω)
ユニット極性 低域(+)、中域(+)、高域(+)
外形寸法 554 mm (W) × 1293 mm (H) × 698 mm(D)
質量 150 kg  ( 1本)
付属品 丸型スパイク×3、コーン型スパイク×3、短絡コード×2、六角レンチ(開梱用)
クリーニングクロス、オーナーズマニュアル(英語版、日本語翻訳版)、
保証書、ウーファー保護カバー、開梱説明書(外装箱に貼付)

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