10月29日(土)30日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットにおいて、2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第9戦、第10戦が開催された。全7戦大会、合計10レースで争われてきたシリーズも、いよいよフィナーレ。今大会は、前大会と同じく土曜日に第9戦の予選と決勝、日曜日に第10戦の予選と決勝が行われる1大会2レース制での開催となる。
シリーズ最終戦、しかも新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってこれまで2年間行われなかったファンサービスが復活するとあって、雲一つない快晴に恵まれたサーキットには朝早くから多くのレースファンが詰めかけ、賑やかな大会となった。
10月29日(土)の第9戦公式予選は、気温17度、路面温度24度というコンディション。午前9時15分からノックアウト方式のセッションが始まった。Team KCMGは、18号車の国本雄資選手がQ1A組から、7号車の小林可夢偉選手は、Q1B組からの出走となった。
国本選手は好調の走りで6番手のタイムを出してQ1を突破。しかし、Q2ではセッション開始後もしばらく誰もコースに出ず、残り5分半になった時点で各車が一斉にアタック開始という、まさに一発勝負の展開となり、思うようにタイムが伸びなかった国本選手は、残念ながら12番手で予選を終えた。
一方の可夢偉選手は、トップタイムが目まぐるしく入れ替わる混戦の中で10番手となり、残念ながらQ2進出は叶わなかった。
午後からの決勝レースは、国本選手は12番グリッド、可夢偉選手は後方20番グリッドからのスタート。気温19度、路面温度が30度まで上昇する中、14時30分に31周で争われる第9戦決勝レースの火蓋が切られた。
スタートを決めた可夢偉選手は、1コーナーまでにポジションをアップするが、2コーナーにかけて前の車に詰まってしまいポジションを戻すことに。その後の序盤は順位に大きな変動はなく、ピットウィンドウが開いた10周終了時に、国本選手がいち早くタイヤ交換を済ませ、しばらくステイを選択した可夢偉選手は、15周目でピットイン。ここから上位グループへの追い上げが期待されたが、両車共、思うようにペースを上げることができず、最終的に可夢偉選手が18位、国本選手が20位で完走し、決勝レースを終えた。
翌30日(日)のシリーズ最終戦公式予選は、朝から日差しが降り注ぐ、まさにレース日和。午前9時5分、気温17度、路面温度は20度のコンディションでノックアウト方式の予選Q1が始まった。
まず、Q1A組からスタートした国本選手は、5番手の好タイムをマークしてQ2へと駒を進めた。続いて可夢偉選手は、毎回のレースでA組よりもコンディションが上がり、混戦となるQ1B組から出走。予想通り、上位6台が1分36秒台を叩き出し、Q1A組よりもコンマ6秒も速い激戦となる中で、惜しくも8位となり、ここでノックアウト。その結果、最終戦の決勝レースは国本選手が12番グリッド、可夢偉選手がやや下がって15番グリッドからのスタートとなった。
午後からの決勝レースは、開始時間が近づくに連れて気温が上昇。サーキットは、気温21度、路面温度32度のドライコンディション。そして、定刻の14時30分に、いよいよ今シーズンの最終戦となる決勝レースが始まった。
後方15番グリッドからのチャレンジとなった可夢偉選手は、今回も得意のスタートダッシュで3つポジションを上げて12位へ浮上。ところが、その直後の1周目の1コーナーで、他チームのマシンによるクラッシュが発生し、早くもセーフティカー導入。3周目になってセーフティカーが解除されたものの、なかなか順位を詰めることができない。ピットウィンドウが開いた10周目に、すかさずタイヤ交換を済ませて、レース中盤に望みをつなぐ。
12番グリッドからスタートした国本選手も、可夢偉選手に続いて11周目にピットイン。7号車、18号車共に、上位グループへの猛追が期待される中、今度は12周目のシケインでクラッシュが発生し、またもやこの日2回目のセーフティカー導入となってしまう。そのままセーフティカーに先導される形でレースは進行し、残り14周目で再スタートが切られた。
そして、レース中盤の26周目に、この日一番のドラマが待ち受けていた。可夢偉選手を含む三つ巴のバトルが勃発。前を行く2台を猛追していた可夢偉選手が、最終コーナーからの立ち上がりでアタックをかけた結果、なんとホームストレート上に3台が横一線で並ぶ手に汗握る展開に。可夢偉選手はイン側から2台を一気に抜き去ることに成功し、ポイント圏内の10位に浮上。その後もポジションをキープしてフィニッシュし、有終の美をポイント獲得で飾ることができた。国本選手も、18位で完走し、今シーズンのすべてのレースを終えた。
2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権
Team KCMG(7号車、18号車)の最終結果
ドライバーポイント:
小林可夢偉選手
9ポイント
、
国本雄資選手
10ポイント
チームポイント:
19ポイント