報道資料:CDプレーヤー「PD−HL5」「PD−HL1」新発売

ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

Pioneer
1998年 8月 10日
パイオニア株式会社

新開発D/Aコンバーター"DAC24"を搭載、
普及価格帯ながら高級機に匹敵する高音質を実現
CDプレーヤー「PD−HL5」「PD−HL1」新発売

当社はこの度、新開発の"DAC24"を搭載したCDプレーヤー2機種を下記要領で新発売いたします。

PD-HL5
PD-HL1
商品名 型番 価格(税別) 発売時期 販売予定台数
Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョン搭載
コンパクトディスクプレーヤー
PD−HL5 ¥65,000 8月下旬 1,000台
Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョン搭載
コンパクトディスクプレーヤー
PD−HL1 ¥39,000 10月中旬 1,000台

【企画意図】

CD(コンパクトディスク)は、圧倒的な普及を背景に現在も音楽メディアの主流の座を占めており、より一層の高音質化が求められています。

最近の研究では、CDフォーマットではカットされている20kHz以上の高周波数 成分や微小レベル成分が自然音には多く含まれており、音に深みと奥行きを与えていることが分かっています。当社では、CDのデジタル信号をより自然音に近づけ、高品位で心地よい音楽再生を追求する「ワイド・レンジ・テクノロジー」に基づく数多くの新技術を開発してまいりました。

この度発売いたします「PD−HL5/PD−HL1」では、CDフォーマットの枠を超えた自然で原音に近い音楽再生を可能にする"Hi-bit・レガート・リンク・ コンバージョン(*)"に加え、「ワイド・レンジ・テクノロジー」と正確な信号伝送を 追求する「Z-コンセプト(*)」に基づき新開発した24ビットD/Aコンバーター "DAC24"を搭載しています。これにより、Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョンで生成された自然音に近いデジタル信号を、超高帯域まで忠実にアナログ信号へ変換し、抜群の解像度で力強い表現力に富んだ音質を実現します。

「PD−HL5」は、中級価格帯ながら上記のオリジナル技術等の結集により高級機に匹敵する音質を実現しました。また「PD−HL1」は「PD−HL5」の高音質コンセプトを継承しつつ、さらにお求めやすい価格設定といたしました。

※新開発のオリジナル技術"DAC24"とは
CDのデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバーター(DAC)は、音質の決め手となる重要な回路です。そして今回当社が新開発した"DAC24"は、より自然で高音質な音楽再生を実現する次世代マルチビットDACです。
現在、主流のDACには「マルチビット方式」と「ノイズシェイピング方式」がありますが、一般にマルチビットDACはジッター(揺らぎ)に強く安定感のある音質を実現しやすい反面、高解像度を得にくい特性があります。一方、ノイズシェイピング方式(1ビットDAC等)は高解像度は得やすいものの、ジッターに弱く高周波ノイズの影響を受けやすいという弱点があります。"DAC24"は、この2つの方式の長所を兼ね備えています。つまりマルチビット方式の特長であるジッターに対する強さとともに、振幅方向に8段階のレベルを持たせることで24ビット 分解能を獲得し、20kHzで140dB、40kHzでも120dB以上という高解像度を実現しています。それにより、Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョンによって周波数帯域40kHz以上、量子化ビット数24ビットまで拡大されたデジタル信号を忠実にアナログ信号へ変換し、細かなディテールの表現力に富んだ高音質再生を実現しています。

【主な特長】

1 ) より自然で、より原音に近い音楽再生を実現する"Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョン(*)"搭載

CDに記録されている周波数帯域上限20kHzかつ16ビットのオリジナルデータを約40kHzまで高帯域化するとともに24ビットデータに再量子化することにより、より原音に近い音楽信号を生成し、超高帯域まで滑らかでダイナミックレンジの広い音楽再生を実現します。

2 ) 音楽のディテールの再現性をより一層高めた新開発"DAC24"を採用

40kHzを超える高周波数帯域まで120dB以上の解像度が得られ、かつジッター(揺らぎ)に強く安定感のある音質を両立する新開発リアル24bitDACを採用。"Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョン"により拡大されたデジタル信号を余すところなく忠実にアナログ信号へ変換し、細かなディテールの表現力に富んだ高音質再生を実現しています。

3 ) 正確な音楽信号伝送を追求し、より3次元的な立体音場再現を実現する「Z-コンセプト(*)」設計

ジッター(揺らぎ)のない信号伝送を追求する「Z-コンセプト」思想に基づき、ディスクからの信号検出精度の向上をはじめ、回路間の正確な信号伝送、D/A変換精度の向上などを実現する技術を採用しています。

4 ) 無振動、無共振化を追求した"CDターンテーブル・メカニズム"搭載

CDプレーヤーの音質向上を図るには、ディスクの不要振動を抑えることが重要です。"CDターンテーブル・メカニズム"では、ディスクをターンテーブル上に乗せ、ディスク全面を下から支えることで不要振動を抑え、常に安定した再生を実現します。
さらに「PD−HL5」では"アコースティック・ダンパー・トレイ・メカニズム"を採用し、フロントパネルが受ける音圧からメカニズムを分離することで、より安定した動作を実現しています。

5 ) その他の特長

  • 2トランス構成の強力な電源回路(PD−HL5/PD−HL1)
    オーディオ回路とサーボ、デジタル回路に独立の電源トランスを用いることで、デジタル系ノイズのオーディオ出力段への漏れ込みをシャットアウトし、パワフルかつノイズの少ない音質を実現します。
  • 強固な筐体、2重構造ベースシャーシ採用(PD−HL5)
    アンダーシャーシは2重構造になっており、外部振動に対し極めて強い構造となっています。ターンテーブル・メカニズムと合わせ、安定感に富んだ音質に貢献しています。
  • インレット方式の極太電源コード(PD−HL5)
    電源コードは、取り替え可能なインレット方式であるため、市販の電源コードと交換することで、音質チューニングをお楽しみいただけます。

【主な仕様】

  PD−HL5 PD−HL1
周波数特性 2Hz~20kHz 2Hz~20kHz
可聴周波数範囲 2Hz~40kHz 2Hz~40kHz
ダイナミックレンジ(EIAJ) 100dB以上 100dB以上
全高調波歪率(EIAJ) 0.0018%以下 0.0018%以下
SN比(EIAJ) 115dB以上 115dB以上
デジタル出力(光) -15dBm~-21dBm、波長660nm -15dBm~-21dBm、波長660nm
デジタル出力(同軸) 0.5Vp-p、75Ω
外形寸法W×H×D(mm) 420×128×374 420×112×283
質量 8.1kg 3.8kg
消費電力 10W 10W
入出力端子 オーディオ出力(金メッキ)
ヘッドホン出力(ボリューム付き)
デジタル光出力
デジタル同軸出力
SR
デッキシンクロ
ACインレット
オーディオ出力デジタル光出力
ヘッドホン出力(ボリューム付き)
SR
デッキシンクロ

【 技術解説 】 既存の当社オリジナル技術

*「Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョン」

CDフォーマットでは、記録される周波数の上限は20kHzまで、量子化ビット数は16ビットと決められています。しかし、自然界の音や楽器の音には20kHz以上の周波数成分や量子化ビット数の最小分解以下の微小レベル成分も含まれています。つまり、厳密にいえば、CDにはオリジナルの信号波形そのものが記録されているとは言えません。
そこで当社は、CDフォーマットではカットされている20kHz以上の周波数成分を推定して生成する"レガート・リンク・コンバージョン技術"を開発しました。また、CD再生におけるもう一つの課題であった'微小レベルでの滑らかな波形再生'を実現する為、"Hi-bit化技術"を開発。CD上のデータをもとに原音の波形を推定し、16ビットオリジナルデータを24ビットデータに再量子化し、ダイナミックレンジの拡大と量子化歪みの低減を図り、滑らかな波形の再生を可能にしました。

※ "Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョン"を初めて採用した商品は97年8月に発売しております。

*「Z-コンセプト」

デジタルオーディオでは、いかに正確な時間軸上でデジタル信号を伝送し、信号処理を行うかが音質に大きな影響を与えます。信号の伝送や処理が時間軸に正確でないことから発生ずるジッター(揺らぎ)が多いと、その音質は安定感の乏しい、 あいまいな感じになります。
当社はこの点に着目し、ディスクからの信号検出精度向上をはじめ、回路間の正確な信号伝送、及びD/A変換部の時間軸上の正確さを追求する設計思想である「Z-コンセプト」を製品設計に反映させています。CDプレーヤーではアキュレートサーボ回路、アキュレートEFM回路を始めとしたジッター低減回路を開発、また、ジッターに強いDACを採用するなど、徹底したジッターフリー設計を行っています。レガート・リンク・コンバージョンによる周波数軸(X軸)の拡大、Hi-bit化によるダイナミックレンジの拡大(Y軸)に加え、上記のような技術で時間軸(Z軸)上の再現を向上させることで、より3次元的な立体音場再現を実現しています。

※ 「Z-コンセプト」設計を初めて採用した商品は97年9月に発売しています。

他の報道資料を探す

キーワードで探す

年月で探す