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256階調制御の動画表示を可能にする新規構造の高性能有機発光型トランジスタを開発~ 16×16ドットアクティブマトリックスをフィルム基板上に作製フレキシブルディスプレイの実現に向けて前進 ~
パイオニア株式会社は千葉大学と共同で、有機TFTと有機LEDを組み合わせた新規構造の有機発光型トランジスタのさらなる高性能化に成功し、この素子を用いたドットマトリックスのアクティブ駆動を実現しました。 今回試作したパネルはガラス基板上で優れた特性を示すほか、フィルム基板上でも同様のマトリックスでアクティブ駆動を実現しました。これにより、フレキシブルディスプレイが実用化に向けて大きく前進し、近い将来、民生用製品への応用も期待できます。
これまで、有機物を半導体材料に用いる有機発光型トランジスタの研究は各分野で活発に進められていましたが、その輝度は低く、On/Off時の輝度比も十分に得られないなど、実用化には多くの問題点がありました。 今回、ソース電極周辺の構造や材料を見直す事により素子特性の改善を実現しました。 すなわち有機発光型トランジスタは有機TFT層と有機LED層を積層した構造を新たに採用し、ゲート電圧によって、有機LED層に注入するホールの量をコントロールすることで、輝度制御が可能になりました。同時に開口率も大きくとれる特長を持たせました。
本プロジェクトのリーダーである千葉大学の工藤一浩教授※1とパイオニア株式会社が共同で、有機TFTと有機LEDを組み合わせた縦型構造の有機発光型トランジスタ(MIS—OLET) ※2を新たに開発し、素子構造の最適化などにより、最大輝度約1000cd/m2、輝度On/Off比104の特性を得る事に成功しました。またこの素子を用いて画素サイズ1.8mmピッチの16×16ドットマトリックスパネルを作製し、アクティブ駆動を実現しました。 今回のパネルは、ガラス基板上に主要材料としてLED層に燐光発光系有機物、TFT層にはペンタセンを用い、フレーム周波数60Hz、デューティー比 1/64の条件で駆動した結果、約200cd/m2の輝度が得られ、256階調制御の動画表示が十分に可能であることを確認しました。 また、フィルム基板上にも同一条件で有機発光型トランジスタを作製し、アクティブ駆動での動作を確認しました。
なお本成果の詳細発表は、先端材料の国際学会であるMaterial Research Society主催の「2006 MRS Fall Meeting in Boston」※3 およびディスプレイの国際学会であるSociety for Information Display主催の「The 13th International Display Workshops in Otsu」※4で行う予定です。
本成果は、(財)光産業技術振興協会※5がNEDO技術開発機構※6から受託したプロジェクト「高効率有機デバイスの開発事業」で得られました。
フィルム基板に作製した16×16ドットアクティブマトリックスパネル
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