「世界の音を聴こう!」展覧会レポート

日本科学未来館と世田谷くりっくで
二つの展覧会を開催(2002年10月)

東京・お台場にある日本科学未来館と、
三軒茶屋の世田谷くりっく・文化生活情報センターの二カ所で、
サウンドバムによる音の展覧会「世界の音を聴こう!」が開催されました。

日本科学未来館での開催期間は、10/2~21(2002)。大きな丸いカーペットを、極座標の世界地図に見立てて約24カ所の音をちりばめ、地球のあちらこちらの音が一斉に聴こえてくるような音の庭をつくりました。

会場にいらした方には、丸いワークシート(左)を配布。地図を片手に、音の世界旅行を楽しみます。
24カ所の中には、西表島のライブ音も。10月になってもまだ暖かい森の奥から、時々セミしぐれのうねりが届いていました。

カーペット周囲のカウチにはヘッドフォンが置かれ、森や街や海辺などテーマごとの音を、横になってじっくり耳にすることができます。
そのまま気持ちよさそうに寝てしまう人もいましたけど、それでいいのです。

くじらの鳴き声におどろいて友だちを連れてくる女の子達、バリのガムランにじっと聴き入るひと、自分の国の音を嬉しそうに聴く海外のお客さんなどなど。ちびっ子からご年輩の方、カップルから科学者まで、会場には様々な方が立ちより、音を楽しんでいました。

会期中には未来館で、慶応幼稚舎の鈴木秀樹先生とともにサウンドエデュケーション・セミナーを。同時期に開催された東京デザイナーズブロックの会場では、六本木・ThinkZoneでレクチャーを、SPUTNIKドームでSt.GIGAをテーマにしたライブイベントも開催。
日本科学未来館の展示デザインは同館スタッフの内田まほろさんをはじめ多数の方々の協力を受けつつ、サウンドバム・プロジェクトとリビングワールドが共同で行いました。

この展覧会で展示デザインを担当したリビングワールドが、世田谷くりっく・文化生活情報センターの感覚アンテナ展(2002/10/10~18)に参加。 約1/10サイズの地図テーブル上に「世界の音を聴こう!」展をリデザインしました。

地図の上で、小さなスピーカーユニットを動かすと、それぞれの場所の音が聴こえてきます。地球に聴診器をあてるような、不思議なインスタレーションです。 カードをめくるような感覚や、手のひらの中で弾ける響きが面白くて、一度はじめるとなかなか立ち去れない様子。

サウンドバムによる初の展覧会は、どちらも良い形で終えることができました。
会場に来てくださったみなさん、ありがとうございます!

同展覧会は2003年4月から5月にかけて、東京都写真美術館のデジタルフォレスト展にも巡回。大勢の方に聴いていただきました。

  • 会場は、映像地球儀「ジオ・コスモス」を見上げるアースラウンジ。
    丸いカーペット上に世界のあちこち、24カ所分の音が配されている。

  • 来場者には、ボランティアの会場スタッフから
    円形のワークシート(地図)が配られました。

  • ひとつの音に聴き入ろうとすると、こんなふうに顔を紙管スピーカーに押しつける格好に。
    左手に持っている丸いカードが、地図を兼ねたワークシート。

  • フィジー諸島の音を聴いている女の子たち。
    紙管スピーカーの高さは三種類ありました。これはいちばん低いもの。

  • スピーカーの上面には、世界地図の一部分が描かれている。

  • 日本科学未来館の客層は広い。

  • カーペットのまわりに並ぶソファーでは、人々・海岸・街・森など、
    テーマに沿って世界を一周する20分ほどのループ音源が楽しめました。

  • ふたたび、日本科学未来館の客層は広い。

  • 西表島からインターネットを通じて届く森の音は、
    東京のはるか南に位置するまだ暖かい島の様子を、ライブで届けてくれる。

  • 吹き抜けに浮かぶ大きな地球儀を見上げながら、
    ヘッドフォンで世界各地の街の音を聴いている。

  • マレーシアの森の生き物たちの音を聴いて....。

  • アラスカの雪原に耳を澄まして....。

  • そのまま西海岸を南下して、バハカリフォルニアのクジラの海へ....。

  • ぐるっとヨーロッパへ回り込み、プロバンスの港の音を聴いています。

  • プロ仕様のDATデッキから小さなMDレコーダーまで、
    スタッフが実際につかっている録音道具も展示。

  • 会場内にマイクを持ち込み、サウンドバムしている人も見かけました。(^_^:)

  • これは展覧会前々日の夜の設営風景。
    カーペットを半分づつはがし、各スピーカーに配線しているところ。

  • 10/13、六本木のTHINK ZONEでレクチャーを開催。
    オーディエンスの数は60名ほど。
    サウンドデザイナー・川崎義博さんの豊富でスジの通った経験談に、質問が続出。

  • 10/11、東京デザイナーズブロックの「SPUTNIK DOME」で、
    St.GIGAをテーマにしたDJイベント。
    日没から夜中の干潮ピークまで、川崎義博/川崎寛/石井亮/一ノ瀬響/シマダツトム/O:g(春日泰宣・亜紀)/Overhead/タカオカシンヤで大遊び。

  • ワークシートの裏面はこんな感じ。
    いたずら描きを加えたそれを撮らせてくれた、小学生の男の子。
    ありがとうございました。:-)