#21 インド編 サウンドバムガイド

バンドゥーガル国立公園は、インドの中央にある高原地帯の北部に位置し、野生の虎が多く住んでいる事で有名です。
他にも野生の鹿やイノシシ、猿などが住み、鳥の種類も多く、豊かな生態系を保っています。
一方宗教の中心地、ベナレスの町はリキシャのベル音にあふれ、多くの寺院が建ち並ぶガンジス川の岸辺は朝早くから人の波が耐えません。
今回のサウンドバムは、これらインドの象徴的な場所をポイントに、夜行列車の旅を交えてゆきました。

アクセス

空路
  • 成田 → クアラルンプール 10:30発 MH89 17:05着
  • クアラルンプール → デリー 18:25発 MH190 21:40着
陸路
  • 夜行列車
    デリー → ウマリア 12:00 → 翌朝 6:30
    (約18時間 遅れる事もあります)

  • ウマリア → バンドゥーガル国立公園 40分
    バンドゥーガル国立公園 → カトゥニ 3時間
  • 夜行列車
    カトゥニ → ベナレス 18:30発 → 翌朝6:20着

宿泊

夜行列車 (寝台車)
カーテンでしきった部屋に2段ベッドがあり、日本の寝台車と同じように、毛布などが用意されています。このエアコン付き寝台2等は、普通2等と区切られているので、夜も安全で、リラックスできます。
時折売りにきたチャイを飲んだり、駅で果物を買ったり。又、車内でお弁当を予約する事もできます。のんびり楽しみながら旅ができ、とにかくお薦めの列車の旅です。
タイガーデンロッジ
バンドゥーガルにある、ロッジですが、リゾートホテル並みに整っており、サービスも良いです。食事も非常においしく、星空を見ながら、ビールを飲んでいると、ランタンフライ(蛍のような昆虫)がふわりふわりと飛び回り。最高の気分が味わえます。

サウンドバム

まず、列車の駅はいろんな物売りの声やアナウンスであふれており楽しいです。日本では、ほとんど無くなってしまった弁当売りのような声も聴けます。人間だけでなく牛がプラットホームや、線路上を歩いていて、近代的なアナウンスとの対比が面白いです。もちろん列車の音も旅情をかき立てる懐かしい音です。

一方、バンドゥーガル国立公園は、鳥の数が非常に多く、午前中はよく鳴いています。また、鹿や猿なども多く、その独特の声が森に響き渡ります。虎は滅多に鳴かないので、聞こえたらラッキーです。
しかし、虎を見る事はそれほど難しくなくできます。公園内はサファリジープが走り回っているので、ほどよい場所を選ぶ事が楽しむ秘訣です。なお、この公園内の山の上には古い(B.Cにできた)山城があり、そこから見る風景、風の音は最高です。
今は人が住んでいませんが、20世紀初頭まで王様が住んでおり、興味深い遺跡がいたるところにあります。ときおり虎も休息の為、上って来ます。静けさの中に不思議な空気が流れる場所です。*国立公園のオープンの時期(乾期)、時間(朝と夕方)に気をつけてください。

宗教都市ベナレスの町は、リキシャのベルの音が凄まじく鳴り響いており、暫くその流れの中にいると、頭が麻痺してきます。これは始めての体験でした。
そして、ガンジス川の岸辺では、様々な人がお祈りをあげたり、辻説法を聞いたり、川で沐浴したり。スピーカーからお経やインド音楽が流れ、人のざわめきとともに、世俗相見えるインドの縮図のようです。
お薦めは、乾期にしかない、対岸の砂州の上にできた茶店。手漕ぎ船で渡り、チャイを飲みながら、対岸の喧噪を俯瞰して聞く事ができます。

オールドデリーでは、馬車に乗り町を遊覧。インド名物のコブラ使いは、現在かなり少ないそうで、そのうち消えてしまう音かも知れません。おじいさんの笛はしぶくてなかなかでした。(川崎義博)

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