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プロオーディオ用高精度サンプリングレートコンバート技術を開発各メディア(DVD、CD、PCM放送等)の録音フォーマットにフル対応これまでにない業界最高水準の高精度な変換性能を実現
当社はこの度、プロオーディオ用の高精度サンプリングレートコンバート技術※1を開発いたしました。
レートコンバートにとっての理想は「音質が変わらない」ことですが、この技術により、音質変化を最少限にとどめたサンプリング周波数と量子化ビット数の変換が、リアルタイムで可能となりました。
この技術により、各種デジタルメディアが異なったフォーマットで共存する中※2、フォーマットの異なるメディア間における、高品位でスムースな橋渡しを実現し、既存ソフトの有効活用、高品位マスターへの統一化に道を開きました。
近年デジタルオーディオの広帯域化、高解像度化が進み、レートコンバーターもより高精度な変換を行えるものに対する要求が高まっています。しかし現行のレートコンバーターの多くは、ニーズの高い44.1kHzから48kHzへのアップサンプリングにおいてさえも明らかな歪みの発生、音質変化などがあり、ソフト制作において満足な結果が得られないことが考えられます。
そこで今回、新しくオーディオサンプリングレート変換に最適化した「マルチステージ・ポリフェーズ・フィルタ・アルゴリズム※3」を開発することで、従来の技術ではコンピュータを使用して時間をかけて算出しなければ得られなかったような高精度な変換を、これまで通りDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)を使用して、96kHz×24ビットまで対応し、リアルタイムに実現することが可能となりました。
また、すべての変換比において高精度な変換が可能なため、44.1kHzサンプリングソースを利用したDVDソフト制作、96kHzサンプリングソースを利用したCDソフト制作等が可能となります。つまり、既存のソフト資産を最大限に活用して新メディアや他メディアのソフト制作が可能となります。また、現在最高音質のフォーマットである96kHz×24ビットで録音しておけば、他のあらゆるメディアに問題なくダウンコンバートすることができるため、マスター録音の高品位ソースへの統一化にもつながるというメリットがあります※4。
なお、この技術は6月25日から開催されるAES(オーディオエンジニアリングソサエティ)東京コンベンションにて発表されます。
また、ミキシングエンジニアがこの技術を搭載したプロトタイプ機を、96kHz×24ビットソースからCDフォーマットへの変換に使用したところ、そこで得られた結果が良好だったため、実際にこの技術を使用して制作されたCDが6月下旬に市販される予定です※5。
1 ) DVDのハイサンプリング・ハイビットオーディオにも対応。各入出力フォーマット間を高精度ダイレクト変換
世界初のサンプリング周波数(Fs)88.2kHz・96kHz間のダイレクト変換をはじめ、各入力フォーマット(Fs 44.1/48/88.2/96kHz、ビット長16~24bits)・出力フォーマット(Fs 32/44.1/48/88.2/96kHz、ビット長16/20/24bits)間を高精度ダイレクト変換。
2 ) 変換による周波数変動がない
オーディオサンプリングレート変換に最適化した「マルチステージ・ポリフェーズ・フィルタ・アルゴリズム」を新たに開発することにより、理想的な高精度同期式変換を実現。変換による周波数変動がなく、オリジナルの音質そのままに変換します(アップコンバート時)。大幅な演算・メモリ量の削減を実現したため、今までにない高精度ながら、リアルタイム変換を可能としました。
3 ) 変換ノイズが極めて低く、24ビット限界性能を達成(24ビット入出力時に、THD+N=約-143dBを達成)
本アルゴリズムが可能にした高精度フィルタ演算により、変換ノイズは24ビットノイズフロアー以下に抑えられているので、実質上変換ノイズが問題となることがありません。
4 ) 可聴折り返し雑音の発生がない
従来、変換時の演算量を減らすために変換フィルタのタップ数を減らさなければならず、フラットな周波数特性を得るには遮断特性を犠牲にせざるを得ませんでした。その結果、高域の信号入力に対し可聴折り返し雑音が発生する原因となり、音質劣化を招きます。
本技術によればフラットな周波数特性と急峻な遮断特性を同時に満たすことが可能であり、可聴折り返し雑音の発生はありません。
5 ) 特性選択可能なディザとノイズシェーパーによるビットマッピングが可能
各出力レートに合わせた、3種類ずつのディザ(全出力レート)とノイズシェーパー(32kHz出力時を除くレート)特性を用意。音質変化を最少限にとどめたい場合や、聴感上の解像度を保ったままビット切りつめを行いたい場合など、ソースの解像度や変換目的に合わせた変換が行えます。
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あるサンプリング周波数や量子化ビット数でデジタル録音されたソース(例えば、DVDの96kHz×24ビット)を、異なるサンプリング周波数・量子化ビット数(例えばCDの44.1kHz×16ビット)に変換する場合に使用する技術。
従来の技術では、デジタルからデジタルへ変換しようとすると、音質の変化やノイズの発生といった問題が発生していた。また、高精度な変換のためには膨大な演算量が必要となるため、リアルタイムでの変換が困難だった。