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有機ELフルカラーディスプレイの開発に成功
当社は、これまでのディスプレイでは得られなかった多くの優れた特徴を持った、マルチメディア時代にふさわしいディスプレイ『有機EL(注1)フルカラーディスプレイ』の開発に成功しました。これにより、10インチ程度までの小型サイズに最適なディスプレイが誕生することになります。
当社では1988年に有機ELディスプレイの研究を開始し、昨年11月には業界で初めて単色の有機ELディスプレイの商品化に成功しました。これと同時に、フルカラーディスプレイの実現に向けた研究開発にも取り組んでまいりました。今回、赤・緑・青の発光が得られる有機材料の塗りわけ技術の開発と、有機材料の改良によるフルカラーの基準となるNTSCの色度の実現に成功しました。
この有機ELフルカラーディスプレイは自発光型(注2)のディスプレイであり、ディスプレイに求められる高輝度、高視認性、極薄型、微小電力という諸要件を全て満たすことができる特徴を持っています。これらの要件を同時に満たすことは、LCD(液晶ディスプレイ)をはじめとする従来のどのディスプレイでも実現できなかったことです。これらの優れた特徴を活かすことで、各種機器への広範囲な応用が可能となります。今後カーナビゲーションや携帯機器などのディスプレイはもとより、PDA機器(パーソナル デジタル アシスタント)やサブノート型パソコンなど各種機器用ディスプレイの幅広い商品化を目指し、2000年を目処に事業化に取り組んでまいります。
マルチメディア時代を迎え、特に重要となるのが機器と人間を結ぶヒューマンインターフェースとしてのディスプレイです。何時でもどこでも使え、美しく目にやさしいディスプレイが強く求められています。このようなディスプレイを実現するためには、
など、多岐にわたる技術的要件を満足するデバイスが必要になります。
現在、コンピュータや各種機器のディスプレイには、CRT(ブラウン管)やLCDなどが使われており、大きな市場を形成しています。これら各ディスプレイはそれぞれの特徴を持っていますが、前記した技術的要件のすべてを同時に満たすものはこれまでありませんでした。したがって、機器の性格によってディスプレイを使い分けせざるを得ないのが現状でした。小型軽量で暗所でも使われるPDAや携帯機器の台頭など、マルチメディア時代を迎えてより優れた次世代のディスプレイの開発が望まれていました。
このたび開発した有機ELフルカラーディスプレイは、次の図にあるような有機薄膜構造をもった面発光型(注3)のディスプレイパネルであり、次のような特徴があります。
このようなすぐれた特性をもつ有機ELフルカラーディスプレイは、カーナビゲーションや携帯機器などの各種機器のディスプレイからPDA、サブノートパソコンなどに至るまで広範囲かつ高い適合性を持っていますので、今後さらに寿命と発光効率の改善をはかり、事業展開をすすめてまいります。
画面サイズ | 5.2インチ |
表示ドット数 | 320*RGB*240dot |
ドットピッチ | 0.33mm |
駆動方式 | 単純マトリックス |
駆動デューティ | 1/120 |
発光色 | 26万色(各色64階調) |
輝度 | 150cd/m2 |
コントラスト | 100:1以上(フィルタ使用時) |
消費電力 | 6W(全点灯時) 1.8W(30%点灯時)(注4) |
寿命(注5) | 2000時間程度 |
原理図 構造図
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