報道資料:高級マルチチャンネルAVアンプ「VSA-D10TX」「VSA-D8TX」新発売

ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

Pioneer
1999年 5月 13日
パイオニア株式会社

全5チャンネルに「MOS FET」パワー素子を採用し、
リアルな音場再現とDVDオーディオに対応する
ハイクオリティな音質を同時に実現した
高級マルチチャンネルAVアンプ「VSA-D10TX」「VSA-D8TX」新発売

VSA-D10TX

VSA-D10TX

商品名 型番 価格(税別) 発売時期 販売予定台数
AVアンプ VSA-D10TX 250,000円 99年6月下旬 500台/月
AVアンプ VSA-D8TX 168,000円 99年6月下旬 1000台 / 月

【企画意図】

近年、「ドルビーデジタル(AC-3)」や「DTS」といった映画館さながらの音場効果が得られるソフトが徐々に普及し、映画やライブを中心としたホームシアターが定着しつつあります。それに伴いAVアンプも順調に市場を拡大してまいりました。さらに、今年末までにはDVDオーディオが市場導入される予定であり、AVサラウンドやマルチチャンネルオーディオのニーズが一層高まるものと予想されます。DVDオーディオは、現時点で最高の音質を誇る2ch再生に加え、マルチチャンネルオーディオ再生時には5ch全てがCDを上回る高音質のため、これまでの音場重視型のAVアンプではハイクオリティな音質を表現するには最適とは言えません。
 当社は、従来のリアルな音場再現に加え、DVDオーディオの高品質マルチチャンネル音声をありのままに再現する「マルチチャンネルステレオフォニック」※という設計思想に基づき開発したAVアンプ2モデルを新発売いたします。今回のモデルでは高音質プリメインアンプに搭載されている「MOS FET」パワー素子を、全5チャンネルに採用いたしました。これにより、DVDマルチチャンネルオーディオ再生時には高音質なマルチサウンドを楽しむことが可能になりました。また、映画製作現場の音場を正確に家庭内で再現できる証である「THX Ultra」規格にも対応し、音楽と映画、両方の音の再現能力を一層高めております。
 CDなど他の2チャンネルオーディオソースの視聴環境においても、ピュアアンプと同等の実力を有し、AVサラウンドやDVDオーディオのマルチチャンネルオーディオ再生時には高音質を保ちながら「立体感」や「移動感」を表現できる実力を兼ね備えた「マルチチャンネルステレオフォニックAVアンプ」を目指しております。

※「マルチチャンネルステレオフォニック思想」
「2chのピュア・オーディオ・アンプとしても通用する質の高いアンプ回路を複数使用し、ソースそのものの情報量をありのままに再生することにより、理想とする音楽/音場を再現する」という考え方。当社は、オーディオとAVの融合をさらに一歩進め、マルチチャンネルアンプの新たな可能性を示すコンセプトとして、今回のモデルを皮切りに訴求してまいります。

【 VSA-D10TX、VSA-D8TXの主な特徴】

1 ) マルチチャンネルステレオフォニック思想高音質回路搭載

  1. 低損失・高リニアアリティの「ダイレクトエナジー MOS FET回路」搭載
    独自開発のMOS FETパワー素子「ダイレクトエナジー MOS FET」を全5チャンネルに採用。低損失・高リニアリティという特性を生かし、音質に悪影響をあたえるエネルギーロスをおさえ、パワーリニアリティの良さとスピーカーの持ち味を十分に引き出す負荷ドライブ性能を実現しています。また、素子自体を選別使用し、全てのチャンネルのFET動作条件を揃えることで、全チャンネル同一クオリティ、同一出力を実現し、チャンネル間伝送誤差の最小化を計っています。こうした手法により、従来のパワーアンプ回路では実現が難しかったハイパワー高音質と多チャンネルの両立が可能となり、ピュアオーディオ(2ch)再生時でもマルチチャンネルオーディオ(5.1ch)再生時でも、明瞭な音像感・音場感を実現し、さらにAVサラウンド再生時には重量感豊かな低域再生を実現しています。
  2. 信号経路を最短かつシンプルにした「ダイレクトコンストラクション」
    音質劣化の原因となる異種信号(オーディオ、デジタル、ビデオ、制御)の相互干渉を徹底排除。同時に信号経路を最短かつシンプルにすることで、一体型AVアンプでは業界最高水準のS/N比105dBを達成(VSA−D10TX、ライン入力時)。音の透明感や表現力を向上させています。
  3. 瞬時の大電流供給を可能にする「ダイレクトカレントバスバー」(VSA−D10TX)
    MOS FETへの電源供給において板厚1.2mmの銅板を使用することで、電源ラインの低インピーダンス化を実現し、ダイナミックな音場表現に不可欠な瞬時の大電流供給を可能にしています。また、正確なマルチチャンネルステレオフォニック再生を実現するため、フロントL/R、サラウンドL/Rの信号経路、および電源プラス/マイナスの電力供給を構造的・電気的に対称に配置し、音場再生誤差を無くしています。

2 ) DVDオーディオプレーヤー対応

  1. 「5.1ch External input」
    今秋に登場が予想されるDVDオーディオプレーヤーとの接続が可能な5.1chアナログ端子を装備。DVDオーディオにおけるリニアPCMマルチチャンネル再生と、各チャンネルのレベル調整を含むボリウムコントロールが可能です。
  2. 96kHz/24bit DAコンバーター搭載
    DVDオーディオの標準音声フォーマットに採用されている96kHz・24bitリニアPCMに対応するDAコンバータを搭載し、より自然で存在感のあるサウンド表現を実現します。また、Dolby Digital(AC−3)やDTSなどのAVサラウンド再生時や、16bitで記録されているCD、MD等を再生する場合でも、信号をより細分化して忠実度の高い変換を行うため、極めて繊細な音場/音楽空間表現が可能です。

3 ) DTS/ドルビーデジタルデコーダー搭載

DVDビデオ規格の標準音声フォーマットである「ドルビーデジタル」信号に加え、ソフトの発売で普及の兆しを見せている「DTS」信号に対応したデコーダーを搭載。処理能力を大幅に向上させた新開発高速(100MIPS※)DSPを採用し、デコード処理と音場処理を1チップで実現しました。家庭で、最新劇場の臨場感をありのままに再現することが出来ます。

※ MIPS(Million Instruction Per Second):DSP処理能力の性能指標

4 ) THX Ultra規格

映画の製作現場であるミキシングスタジオで作られた音と同等の効果を家庭で実現するために、米国ルーカスフィルム社が提唱している「THX Ultra規格」に対応。THXシネマモードの搭載をはじめ、パワーアンプの性能や操作性にいたるまで、民生用製品で最も厳しいといわれる同規格の承認を取得しています。

5 ) 家庭におけるAV視聴環境を整えるためのオリジナル機能

  1. 映画の種類に合わせて「Musical」、「Drama」、「Action」、「5-D Theater」の4つの中から、最適なリスニングモードが選択できる“Advanced Theater モード”
  2. ノイズの少ないクリアーな再生を実現する“DNR(Digital Noise Reduction)”。特に、古いビデオテープやカセットテープ、FM/AM チューナーなどの音声再生時に最大20dB以上のノイズ改善効果を発揮します。(DNRは2チャンネル信号再生時の全てのファンクションに有効)
  3. 小音量で映画や音楽を聞いた時に不足しがちな「迫力」や「響き」を補正し、音量を上げずに大音量で聞いている時の臨場感が味わえる新機能“ミッドナイトリスニングモード”
  4. 映画鑑賞の雰囲気を損なわない4段階ディマー機能を搭載した“2段表示ドットマトリックス型FLディスプレイ”

6 ) その他の特長(共通)

  • お手持ちのAV機器を1台でコントロールすることが可能な学習機能付き大型液晶タッチパネルリモコン(VSA−D10TX)
  • 全自照キータイプ大型AVプリセット学習リモコン(VSA−D8TX)
  • 拡張性を考慮した豊富な入出力端子。VSA−D10TXでは高音質を支える金メッキ端子を使用
  • コンピュータ解析を応用した高剛性・低歪シャーシ。VSA−D10TXではノイズを抑制するため銅メッキシャーシを使用
  • 1点1点のパーツを製品に実装し音質をチェックするなど、高音質を追求して厳選されたパーツ類
  • トランス内部でのエネルギーロスを押さえ、振動による再生音の濁りや漏洩磁束からくるS/Nの劣化を極少化したラップ・ラミネーション型大型電源トランス(VSA−D10TX)
  • 当社のDVDプレーヤー「DV−S9」や「DVL−H9」とデザインを統一させたフラットアルミパネル&サイドウェーブパネルデザイン
  • 長期の不在時に無駄な電力消費を抑えるタクト&メカダブル電源スイッチ

<参考>

※MOS FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)

FETは日本語で電界効果トランジスターと呼ばれています。電流の変化で動作する一般的なトランジスターとは異なり、入力インピーダンスが高く電圧の変化で動作します。また、MOS型は金属(Metal)の電極、酸化物(Oxide)の膜、ベースのシリコン(Silicon)の3層で構成されています。MOS FETの特徴はリニアな動作曲線を備え、スイッチング歪みが発生しにくい点や、連続した大電流に強く熱暴走がない点などです。そのため、高音質の高級アンプに数多く採用されています。

※DTS(Digital Theater System)

米国DTS(Digital Theater System)社が開発した映画用音声記録方式「DTSサウンドシステム」の家庭用デジタルサラウンドフォーマットで、音声信号の圧縮比率が低く転送レートも高いため、その豊富な情報量により、精細で濃密、緊迫感のあふれる高音質サラウンド音声が再生可能です。

※ドルビーデジタル(AC−3)

米国ドルビー研究所が開発した「ドルビーデジタル」の家庭用デジタルサラウンドフォーマットで、現在もっとも普及している映画音声方式。DVDビデオの標準音声方式として採用されており、デジタル時代の標準フォーマットとして普及が進んでいる。

【VSA−D10TX、VSA−D8TXの主な仕様】

  VSA−D10TX VSA−D8TX
オーディオ特性
実用最大出力
(EIAJ、6Ω、
サラウンド時)
フロント 160W+160W 150W+150W
センター 160W 150W
リア 160W+160W 150W+150W
定格出力(5ch)
(20Hz~20kHz、
0.09%、6Ω)
フロント 120W+120W 110W+110W
センター 120W 110W
リア 120W+120W 110W+110W
定格出力(2ch)
(20Hz~20kHz、0.09%、6Ω)
120W+120W 120W+120W
周波数特性(±3dB) 5Hz~100kHz
全高調波歪率
(20Hz~20kHz、120W、6Ω)
0.09% 0.09%
(110W時)
ライン入力S/N比(IHF-A) 105dB 103dB
入力端子
デジタル 同軸2系統、光2系統
(PCM/Dolby Digital/DTS兼用)
AUDIO 5系統(CD,LINE/TUNER,
MD/TAPE1/CD-R,TAPE2 MONITOR,Phono)
VIDEO 5系統(DVD/LD,TV/SAT/DVD,
VCR1/DVR,VCR2,VIDEO)
S−VIDEO 5系統;S2系統(DVD/LD,TV/SAT/DVD
VCR1/DVR,VCR2,VIDEO)
出力端子
フロント L/R2系統(+プリアウトL/R1系統)
センター 1系統(+プリアウト1系統)
リア SL、SR各1系統
(+プリアウトSL/SR1系統)
サブウーファー プリアウト1系統
デジタル 光1系統
AUDIO 2系統(MD/TAPE1,TAPE2 MONITOR)
VIDEO 3系統(VCR1,VCR2,VIDEOMONITOR)
S−VIDEO 3系統(VCR1,VCR2,VIDEOMONITOR;S2対応)
その他
SR入出力 各1系統 -
ACアウトレット 連動2/非連動1
外形寸法 420(W)×173(H)×470(D)
製品質量 18.5Kg 17.0Kg
消費電力 320W

他の報道資料を探す

キーワードで探す

年月で探す