報道資料:コンシューマー向けスピーカーシステム「TAD-M1」を新発売

ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

Pioneer
2003年 6月 18日
パイオニア株式会社

プロ業界で定評のTADティーエイディー(Technical Audio Devices) ブランド初コンシューマー向けスピーカーシステム「TAD-M1」を新発売

TAD-M1

TAD-M1

商品名 型番 希望小売
価格(税別)
発売
予定
月産予定
台数
スピーカーシステム TAD-M1 3,000,000円(1本) 10月下旬 10台

 TADブランドのプロ用スピーカーユニットは、プロフェッショナルスタジオモニタースピーカーとして、世界の録音現場の第一線で揺るぎない地位を築いています。1978年に米国で発売されて以来(国内では1981年発売)、四半世紀が経った現在でも、著名な録音スタジオに採用され、多くのトップアーティストから、レコーディングおよびデジタル・リマスター用モニタースピーカーとして大変高い信頼と評価を集めています。
 この度、パイオニアは、長年にわたり培ってきたプロ用TADスピーカーユニットの高性能技術にさらに磨きをかけ、DVD-AudioやSACDなど、飛躍的に高まった音楽ソフトの性能を存分に発揮できるスピーカーシステム「TAD−M1」を完成させ、TADブランドとして初めてコンシューマー向けに発売いたします。

【企画意図】

 これまでオーディオはアナログからデジタル(CD)へ、そして、近年にいたってはDVD−AudioやSACDといった飛躍的に高性能(広帯域、ワイドなダイナミックレンジ)なフォーマットへ進化しております。新たなフォーマットの登場は、再生芸術の歴史の中で大変革であり、いよいよ夢であった「自然界にある音そのもの」に肉薄するほど、リアルなオーディオ再生実現の可能性が出てまいりました。そして、これら新フォーマットによるソフトの性能を存分に再生するためには、再生装置にも一段の性能面の進化が求められて来ました。特にスピーカーシステムは、「演奏家とリスナーの最終インターフェース」という重要な役割を担うため、一層の広帯域や、ワイドなダイナミックレンジという極めて優れた性能が要求されております。まさに、プロの厳しい世界の中で、TADブランドが築きあげてきた圧倒的な高性能の本領をついに発揮するときがやって来たといえます。
 この度発売いたします「TAD−M1」は、TADの持つ技術思想、こだわりの姿勢を頑なに守って開発した、コンシューマー向けスピーカーシステムとして、ワイドレンジ思想を中心とした革新的な技術要素があますところなく盛り込まれた、ハイエンドオーディオ市場における21世紀の新しいリファレンススピーカーシステムです。

【スピーカーシステム「TAD−M1」の主な特長】

1 ) CST※1同軸ユニットの採用

CSTは、広帯域にわたって駆動ユニットの位相と指向性をコントロールする同軸スピーカー方式です。一般的なマルチウェイ方式のスピーカーシステムでは、スピーカーの前方にある軸上では特性をフラットにすることは可能ですが、その軸上をはずれると、それぞれのスピーカーユニットまでの距離が異なるために、特性にみだれが生じます。同軸スピーカーでは、それぞれのユニットが同じ距離にあるため軸上をはずれても特性の乱れが小さくなります。CSTではさらにミッドレンジとトゥイーターの指向特性もそろえ、クロスオーバーでの特性のみだれをなくしています。そのため、軸上をはずれても急激に指向性パターンが変化するということがなく、広いリスニングエリアと安定した音像が得られます。

※1 CST:Coherent Source Transducerの略語

2 ) 16cm口径のベリリウム振動板

ベリリウムをミッドレンジとトゥイーターの両方の振動板に使用。ベリリウムは、軽量かつ高剛性の金属材料で、中高域用振動板に最も必要な性質を持つことから、透明感あふれる澄んだ音を再生できます。再生帯域は350Hz~100kHzまでと、広い帯域をカバー。ベリリウムの製法は粒子の結合により金属では考えられないほどの高剛性と内部損失を合わせ持った“蒸着法”で、パイオニアのオリジナル技術です。
また、ベリリウムとしては最大級となる口径16cmのコーンタイプ振動板を開発。TADプロで培った技術を集約しました。

3 ) ウーファーとミッドバスの磁気回路に新開発の「OFGMS※2磁気回路」を搭載

ショートボイスタイプのOFGMS磁気回路を開発。37mm厚(ウーファー部)のロングギャップでありながら、その間の磁束密度を均一化し、常に一定の磁気ギャップの中にボイスコイルが位置されています(特許申請中)。大振幅のときでも動作が安定し、かつ振幅も制限されることが無く、常に波形を正しく再生します。
振動板には、構造体強度も含めて理想的な物性を得るために、3層構造アラミド振動板を新開発。豊かでクリアな低音とカラーレーションのない素直な中域音の再生を実現しました。またサスペンション系は、エッジにはTAD伝統のコルゲーションエッジ、ダンパーはデュアルダンパー(ウーファー部)としリニアリティーを確保しました。

※2 OFGMS:Optimized Field Geometry Magnet Structureの略語

4 ) スタイルの美しさはもちろん、サウンドの美しさも叶える、「SILENT※3エンクロージャー」

エンクロージャーは、音像および音場を形成する重要な一要素です。50を超える個々に加工された高品質なバーチ合板層を採用し、強固な構造となっております。スタイルの美しさはもちろん、キャビネット内の定在波が起きないように、厳密に設計し、高品位かつ自然で広がりのあるサウンドをお楽しみいただけます。

※3 SILENT:Structurally Inert Laminated Enclosure Technologyの略語

5 ) CSTを正確に、精密に音の力を生かせる「ISO(Isolation) ドライブ」

CST部を配置した上部エンクロージャーは本体エンクロージャーから切り離されています。またCST同軸ユニットは上部エンクロージャーに対して、浮かして取り付ける構造となっております。これらにより、CST同軸ユニットは低域の強大な振動からと上部エンクロージャーの共振から切り離されて、正確で精密なディテール再生を実現します。

【主な仕様】

構成: 4ウェイバスレフ型
使用ユニット: 25cm コーン型 ウーファー ×2
20cm コーン型 ミッドバス×1
16cm 同軸型 ミッドレンジ/ツイーター ×1
※ツイーター口径3.5cm
周波数帯域: 25Hz ~ 100kHz
周波数レスポンス: 30Hz~20kHz +/−3dB
クロスオーバー周波数: 100Hz、350Hz、2.2kHZ
パワーハンドリング
(適合アンプ出力):
50W − 300W
能率: 90dB/2.83v/1m
最大音圧レベル: 115dB
公称インピーダンス: 4Ω (minimum 3.2Ω)
質量 130kg
外形寸法 1380mm(高さ)×580mm(幅)×568mm(奥行)

他の報道資料を探す

キーワードで探す

年月で探す