報道資料:新開発 画期的な高音質録音技術“ASRACシステム”を搭載MDレコーダー「MJ−D7」新発売

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Pioneer
1998年 4月 15日
パイオニア株式会社

新開発 画期的な高音質録音技術“ASRACシステム”を搭載
MDレコーダー「MJ−D7」新発売~微少信号も逃さず記録し、繊細な表現を可能に~

MJ-D7

MJ−D7

当社は、新開発の高音質化技術や当社独自開発による様々な高機能を搭載した、MDレコーダー「MJ−D7」を下記要領で新発売いたします。

商品名 型番 価格(税別) 発売時期 販売予定台数
MDレコーダー MJ−D7 ¥ 65,000 6月 3,000台 / 月

【企画意図】

 MD(ミニディスク)は、この数年の間に本格普及が進んでおりますが、今後も市場は拡大し、全世界の累計出荷台数は、2,000年までに2,000万台に達すると見込まれています。
 当社はこれまでにミニコンポ搭載型やポータブル型などを市場導入し、好評を頂いておりますが、この度発売する据置型MDレコーダー「MJ−D7」は、より高音質なMDレコーダーを求めるお客様の声にお応えするため、新たに自社開発したオリジナルメカニズムと 画期的な新技術を搭載、家庭におけるデジタルオーディオ機器の核となるに相応しい、高品質化を実現しています。

【主な新開発、独自開発技術】

 この度、当社が新開発した“ASRACシステム”は、MDレコーダーの録音技術を根本から見直したものです。従来、MDの録音には高能率符号化技術(ATRAC)が使われていますが、“ASRACシステム”では、音楽信号に合わせたリアルタイムの可変制御を加えることで、これまで切り捨てられていた微細レベルの信号をも逃さず、より高音質な録音を可能にしました。
 また、当社の高級カセットテープデッキにも搭載して大変好評を頂いている、“デジタルNR(ノイズ・リダクション)”機能の採用によって、デジタル、アナログに関わらず様々なメディアからの録音時にノイズの大幅除去を実現します。
 さらに、CDプレーヤー、DATデッキなど、当社の主要なデジタルオーディオ機器に搭載している“レガート・リンク・コンバージョン”を採用し、MDとしては初めて周波数40kHz付近までの広帯域再生を実現いたしました。

【主な特長】

1 ) 《新開発》

 高音質録音技術“ASRACシステム”搭載(Audio Signal ReActive Control System )
 MDは、ATRAC ( Adaptive Transform Acoustic Coding ) と呼ばれる高能率符号化技術(音声圧縮技術)を用いて録音されています。この方式では入力された音楽信号(以下、入力信号)を高域、中域、低域に3分割したのち、人間の聴覚特性を利用した最小可聴限界特性とマスキング効果に基づいてデータを整理し、録音することで、CD並みの収録時間とディスクの小型化を両立させています。
 この度、当社が新開発した“ASRACシステム”では、DSP(デジタルシグナルプロセッサー)を用い、入力信号をリアルタイムに周波数分析して3分割すると同時に、それぞれの帯域において常に入力信号に最適なマスキング特性を選択するよう制御します。 例えば、入力信号に高域成分が多く含まれている間は、高域の音楽信号に優先的に情報量を多く割り当てるという具合です。このように、限られたデーター容量を成分の多い帯域へ多く配分することで、トータルでの情報量を増やし、聴感上の音楽表現力に優れた高音質録音が可能になります。
 そしてこの“ASRACシステム”を使って録音されたディスクは、従来のATRACとの完全互換性を保っており、ポータブルやカーステレオ等のあらゆるMD再生装置でより高音質に再生することができます。
 これは弊社が世界に先駆けて開発した独自の技術です。

2 ) アナログソースにも威力を発揮する“ デジタル NR(ノイズ・リダクション)”搭載

 デジタルNRは、信号に含まれるノイズを、音楽信号には影響を与えずに大幅に低減する技術です。
 アナログやデジタルソースからの録音時に、入力信号に含まれるノイズを自動検出してカットするため、アナログ信号のような特にノイズが多く含まれる信号も、クリーンな音質で録音することを可能にします。録音したMDディスクは他のMDプレーヤーでもクリアーな音質で再生できます。
 また、他のMDレコーダーで録音したディスクも、このプレーヤーで再生する時にはデジタルNR機能を使って、ノイズの少ないクリアーな再生ができます。

3 ) 高級機と同等の高音質録音を可能にする“ デジタル レック ボリウム”を採用

 デジタルレック (Rec.) ボリウム は、CD等のソースから“デジタルtoデジタル”録音する場合にも録音レベルを調整(+12dB~-48dB)することを可能にします。これにより、音量レベルに差のある複数のCDからでもバラツキの無い同一音量レベルでデジタル録音できると共に、音質劣化を最小限に抑えます。
 従来は高級機に搭載されているこの技術を、普及価格帯の製品へ搭載しました。

4 ) MDに初搭載、40kHzまでの再生を実現する“ レガート・リンク・コンバージョン”

 より自然に近い音を再生するためには、MDやCDフォーマットではカットされている周波数20kHz以上の音の成分が重要になります。レガート・リンク・コンバージョンは、周波数が高くなるほどに振幅が減少するという音の特性(1/f特性)に着目した技術で、可聴帯域内の信号と、1/f特性から割り出した40kHzまでの音楽信号を再現するため、自然界や楽器などが本来持っている豊かで自然な音をリアルに再生します。

5 ) 正確な信号処理を追求した“ Z-コンセプト”を採用

 オーディオ技術は、周波数レンジ(X軸)、ダイナミックレンジ(Y軸)の2つの側面から進化を続けてきました。これに加え、時間軸(Z軸)上での信号再現性をも向上させ、「信号の読み取り精度向上」「正確な信号伝送」「正確な信号変換」の実現を目指したのが“ Z-コンセプト”です。
 MDに記録された情報を、時間軸方向のゆらぎ(ジッター)の少ない信号として正確に読み取るには、ディスクを駆動するモーターを安定的に回転させる制御信号が必要です。ところが、通常の回転制御部には他の回路から発生する不要な高周波ノイズが含まれており、ディスクの回転に悪影響を及ぼしていました。「MJ−D7」ではZコンセプトに基づき、ディスクドライブの回転制御部にこの不要な高周波ノイズを除去する回路を追加して、より安定した回転を実現しました。もちろん信号伝送経路の短縮化や信号変換精度の向上も徹底しています。

6 ) “ タイムスキップ機能”による高速検索を実現

 従来のディスクの早送り/早戻し機能に加え、本体に装備されたJOG(ジョグ)を回すことにより1クリックで30秒または60秒単位でタイムサーチします。従来の時間を直接入力する方式と比較し、操作性が格段に向上しました。特にデバイド編集する時の頭出しにも効果を発揮します。

7 ) “ メドレー演奏機能”により、途切れの無い連続再生が可能

 曲の最後をフェードアウトすることにより、滑らかに違和感無く次の曲へとつなぎ、全曲をあたかも1曲のメドレーのように連続再生します。

8 ) その他の特長

  • 表示ネームのコピーができる“ ネームクリップ機能”。文字入力の手間を省きます 。
  • 信号を検知し自動録音・停止する“ 1/オール シンクロレック”。 シングルCDの録音に便利です。

【主な仕様】

再生周波数特性 8Hz ~ 20kHz
再生S/N比 101dB
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001%)以下
ダイナミックレンジ 94dB
外形寸法 420(W)×105(H)×294(D)mm
本体質量 3.9kg
消費電力 13W

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