ナビ関連の回路、オーディオ関連の回路、その他システム系の回路を明確に分けて、オーディオ基板からアナログオーディオに悪影響を与える回路ブロック(メインチップ、デジタル映像、マイコン、位置認識システム…etc)を徹底してカーナビ基板に集約。これにより、アナログオーディオの音質を担保するとともに、ナビ関連の回路がコンパクトに集約されることで、内部外部へのノイズ輻射を徹底的に抑制しています。
▲オーディオ基板
▲ナビ基板
その流れで、熱雑音による音質劣化を抑えるために、熱源はナビ基板へ集約。ナビ基板に比べオーディオ基板の定温化を実現し、高音質化。通常であれば放熱部品によるコスト増を避け、ナビ基板、オーディオ基板に万遍なく熱源を分散させる手法を取りますが、ここにも音質最優先の思想が息づいています。
▲ナビ基板
▲オーディオ基板
サウンドマスタークロックやD/Aコンバーター、I/V変換回路等の音質に大きな影響を与える部分は、空気の振動による音質への影響をも排除するためオーディオ基板周辺に大きな風の流れが起こらないような構造とした。これは熱源をナビ基板へ集中させたことによりこの構造が実現しています。
図は、製品正面から背面方向(矢印の方向)への空気の流れをシミュレーションしています。青から赤になるにつれて風量が大きくなっていることを表しています。下段にあるオーディオ基板の周りは、上段にあるナビ基板の周りに比べて風量が抑えられていることが分かります。熱源をナビ基板に集中させ、尚かつFANの吸引ポイントも上部に集中させることにより実現しています。
振動による音質劣化を排除。カーナビには様々な回路ブロックがあり熱源が非常に多いため、FANによる放熱は必須となります。しかしパワーアンプ部やアクティブフィルターなど大きな増幅を行っている部分は、振動による音質劣化が起こりやすいため、FANの振動による悪影響も徹底的に排除するため背面シャーシの強度を高める設計を施し、高音質化を実現。シャーシ間の固定用ビスも増量させ、堅牢で振動に強い構造としています。
▲制振用T字スリット
▲背面シャーシ振動比較
▲GND系統分割イメージ
「マスターサウンド・アーキテクチャー」により、スペースの確保、熱源の最適化、放熱設計の最適化をはかることにより、各オーディオ回路ブロックにおいて専用の高性能電源を用意した。
上記以外にも一般的にはスペースやコストの関係で採用できていないことが多い、オーディオ回路専用の負電源回路を搭載。通常の中点電源を基準とした信号伝送ではなく、クリーンでインピーダンスの低い信号伝送方式を採用し、高S/N比と低歪みを実現しています。
▲スピーカー出力パターン図
▲ストレート回路設計思想:パターン例
カロッツェリアでは、特にオリジナル音源を忠実に再現する原音再生にこだわりをもち、部品のクオリティを最大限に活かしたチューニングを施しています。製品の基本設計の後、常に飽くなき追究を続け回路設計の最適化を実施し各回路ブロックの定数を見直しをすることで、常にハイレベルな領域を目指して取り組んでいます。