点音源再生で実現
PRSスピーカーの開発コンセプトは、従来ウーファーが受け持っていた中域部分をトゥイーターに受け持たせるという、独自の発想で車室内における理想の音響特性を実現する「Open & Smooth」コンセプトの導入です。「Open & Smooth」コンセプトとは、開放的な音の広がりと各ユニットのスムーズなつながりにより奏でられるリアルな中域再生の実現。そのクロスオーバーポイントにおける各帯域のスムーズなつながりを徹底的に追求することで、低歪みと広指向特性を獲得し、車室内に理想の音響空間を創り上げます。
今回「新PRSスピーカー」では、デバイス性能の向上もさることながら「自然な音場空間と音の実在感」の実現のため、2年もの歳月をかけてさらなる理想を追い求めて開発を続けてきました。その結果辿り着いたのがパイオニアの高級オーディオブランド「TAD(Technical Audio Devices)」のコアテクノロジーである「CST(Coherent Source Transducer)ドライバー」の採用でした。これにより「Open & Smooth」コンセプトは劇的な進化を遂げ、初代PRSスピーカーの導入から約10年の時を経て、求め続けてきた理想を体現する「新PRSスピーカー」 がここに完成しました。
「CSTドライバー」とは、2ウェイでありながらトゥイーターとミッドレンジが同一平面上に配置された構造により、ひとつのポイントから音を発生させる点音源再生を実現することで、到達時間に差が無く位相乱れが発生しないという特長を持ったスピーカーユニットです。一般的なセパレート型や同軸型のスピーカーと異なり、各帯域での位相差が発生しないため目の前に明確な音像を結びます。また、高度な技術とノウハウによって設計されたミッドレンジのコーン形状により、トゥイーターの指向特性をコントロールすることで広指向特性を獲得しました。さらに、この「CSTドライバー」とウーファーがスムーズにつながることで、全帯域においてピーク・ディップの少ないフラットな周波数特性を実現しリアルな音場を獲得。その結果、「新PRSスピーカー」は(音像と音場を高次元で両立することが可能となり)「音色」や「空気感」だけでなく、手を伸ばせば楽器に触れられる錯覚を覚えるほど自然でリアルな音楽を奏でることが可能となります。
中域を中心として広帯域にわたり、ピーク・ディップの少ない特性を獲得。ハイレゾ音源の再生も可能とする超広帯域再生により自然で滑らかな音を実現しました。
CSTドライバーにおけるトゥイーター部のマッチングホーンとミッドレンジのコーン形状をシームレスにすることで、トゥイーターの指向特性をコントロール。20kHzまでの可聴帯域において軸上特性との差異を最小化し、軸上での試聴が困難な車室内においても充実した中高域を獲得しました。
TADで培ってきたノウハウとカロッツェリアの技術力で、トゥイーター部を車両取付に適したサイズを実現。セパレート2ウェイスピーカーと同等の取付方法でフロント3ウェイシステムの構築が可能です。
一般的なフロント3ウェイシステムはユニットの数も多く、トゥイーターとミッドレンジが別々の場所に配置されているため、位相を合わせるため高度な調整および取付技術が必要です。
CSTドライバーはユニットの数が少なく、トゥイーターとミッドレンジの位相が整っている同軸設計かつ指向性が広いため調整難易度は低く、手軽に3ウェイシステムを実現可能です。
※CSTドライバーのグリルメッシュを外した取付イメージです。
CSTドライバー用にピラー取付用補助スペーサーと汎用性の高いダッシュボード取付用台座を同梱し、2種類の取付方法を選べます。ウーファー部はハイエンド・スピーカーでありながら、幅広い取付車種カバレッジを実現しています。