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ナビゲーションのしくみ

ナビゲーションのしくみについて説明します。

現在地がわかるしくみ

本機では、現在地(自車位置)を測位する方法としてGPSに加え、自立航法による測位が可能です。

GPSによる測位

GPS衛星(人工衛星) から位置測定用の電波を受信して、現在地を測位するシステムがGPS(Global Positioning System:グローバルポジショニングシステム)です。GPS衛星は、地球の周り高度21 000 kmに打ち上げられています。3つ以上のGPS衛星の電波を受信すると、測位が可能になります。GPSによる測位には、3次元測位と2次元測位の2種類があります。

また、本機では、準天頂システム「みちびき」とGLONASSによる測位が可能です。

種類

内容

3次元測位

GPS衛星の電波を良い状態で受信できたときは、緯度・経度・高度の3次元で測位できる。

2次元測位

GPS衛星の電波を受信できても、受信状態があまり良くないときは、緯度・経度の2次元で測位する。高度は測位できないため、3次元測位のときよりも測位の誤差がやや大きくなる。

自立航法による測位

内蔵の3Dハイブリッドセンサーは、走った距離を車の車速パルスから、曲がった方向を振動ジャイロセンサーから、路面の傾斜を傾斜計(Gセンサー)から、それぞれ検出して、現在地を割り出しています。

GPSと自立航法を組み合わせた測位の特長
  • GPSによる現在地のデータと、自立航法による現在地のデータを常に組み合わせているため、より精度の高い測位が可能です。

  • GPS衛星の電波が受信できなくなっても、自立航法により測位を継続できます。

  • 自立航法による測位だけでは、現在地の表示が徐々にずれてくることがあります。GPSと自立航法を組み合わせると、GPS測位により自立航法のずれを修正できるため、測位精度が高くなります。

測位の精度を高めるためのしくみ

3Dハイブリッドセンサーの役割

内蔵の3Dハイブリッドセンサーは、自立航法自体の測位精度を高めるために、高精度3Dハイブリッドシステムで活用されています。

高精度3Dハイブリッドシステム

車速パルスが入力されているときは、3Dハイブリッドセンサーで高度差を検出できるため、高精度な測位が可能です。

簡易ハイブリッドシステム

車速パルスが入力されないときは、簡易ハイブリッドシステムで測位します。簡易ハイブリッドシステムでは、3Dハイブリッドシステムより精度が低くなります。道路の傾斜の影響を受けやすいため、長いトンネルや地下駐車場などGPSが長い間受信できない状況では、誤差が大きくなることがあります。

マップマッチング

GPSや自立航法による測位には誤差が生じることがあるため、現在地が道路以外になることがあります。このようなとき、「車は道路上を走るもの」と考え、現在地を近くの道路上に修正する機能がマップマッチングです。

  • 本機では、GPSと自立航法で精度の高い測位をした上でマップマッチングが働くため、さらに正確な現在地表示が可能です。

メモ
  • シティマップで道路が表示されていても、その道路をルート探索またはその道路にマップマッチングできない場合があります。

誤差が発生する場合

次のような状況のときは、誤差が大きくなることがあります。

GPS測位不可による誤差

  • 次のような場所にいるときは、GPS衛星の電波がさえぎられて受信できないため、GPSによる測位ができないことがあります。

  • 次のような場合は、電波障害の影響で、一時的にGPS衛星の電波を受信できなくなることがあります。

    • GPSアンテナの近くでiPhone/スマートフォンを使っている。

  • GPSアンテナにペンキや車のワックスを塗らないでください。感度が低下したり、電波を受信できなくなることがあります。また、アンテナに雪が積もると感度が低下するため、除雪してください。

GPS衛星自体による誤差

  • 捕捉(受信)できている衛星の数が少ないときは、2次元測位となり誤差が大きくなります。

有料・高架道路での誤差

有料道を乗り降りするときや、高架道路、立体交差の道路を走行するときは、勾配を検知して距離を補正します。勾配データが収録されていない道路では、補正できないため誤差が大きくなることがあります。

低速時の自車位置精度

車種により時速数km程度の低速時に車速信号が出力されないものがあります。そのような車種では、渋滞中や駐車場(地下駐車場など)で時速数km程度の低速走行が続くと、自車位置が正確に表示されないことがあります。

その他の誤差

  • 角度の小さなY字路を走った場合。

  • 駐車場などで、ターンテーブルでの旋回を行った場合。

  • 地図情報にはない新設道路を走った場合。

  • 直線や緩やかなカーブを、長距離走ったすぐあと。

  • ヘアピンカーブが続いた場合。

  • フェリーや車両運搬車などで移動した場合。

  • 砂利道や雪道などで、タイヤがスリップした場合。

  • 道路が近接している場合(有料道路と側道など)。

  • 渋滞などで、低速で発進や停止を繰り返した場合。

  • 蛇行運転をした場合。

  • 立体駐車場などで旋回や切り返しを繰り返した場合。

  • 碁盤の目状の道路を走った場合。

  • 勾配の急な山道など、高低差のある道を走った場合。

  • GPSによる測位ができない状態が長く続いた場合。

  • チェーンを装着したときや、サイズの違うタイヤに交換した場合。

  • ループ橋などを通った場合。

  • 工場などの施設内の道路を走行中、施設に隣接する道路に近づいた場合。

  • エンジンをかけてすぐに走行しはじめた場合。

  • 扁平率や径の異なるタイヤに交換して間もない場合。

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