2019年技術論文

フレキシブル有機ELのダークスポット拡大と加速率(2019年2月)

岡田 健見、吉田 綾子、松川 真、辻 大志

【要旨】

単層および多層のバリアをもつフレキシブル有機EL素子において、ダークスポット(DS)の時間進行を高温高湿環境下で測定し、加速率を算出し、モデリングを行った。単層バリアでのDSおよび黒枠の時間進行は水分拡散でモデリングでき、加速率はDSと黒枠で同一であった。2層バリアの加速率は単層バリアと同等であったが、3層バリアにおいては遅延時間の後にDSが拡大した。成長速度の加速率は、温度一定の場合は相対湿度に比例しアレニウス型の温度依存性を示した一方で、遅延時間の加速率は湿度に依存しないために小さい値になった。開発した高信頼性バリアを持つフレキシブル有機ELパネルは85℃/85%RHで8000時間保存試験後も拡大するDSが発生せず、これは常温常湿環境下で30年以上の保存結果に相当すると見積もられた。

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