追求による圧倒的臨場感と実在感。
従来のサウンドに加え、車室内の取付環境を意識した開発・設計により「Open & Smooth」コンセプトを追求。低クロスオーバー化やユニットの最適化に取組み「低歪み」と「広指向特性」を獲得。リアルな音場空間とライブで実体感のある音を実現します。また、サウンドエンジニアの開発経験を活かし、ドア共振とスピーカーの最低共振周波数(fo)の相関関係を徹底的に解明。ドア内部では80〜120Hz付近に共振が強いことを突き止め、ウーファー部のfoを従来モデルより低く設定。これにより、ドアとの共振による再生音のブーミーさを解消するとともに、低域再生能力の拡大とレスポンスの向上を実現しています。
▲指向特性
▲無響室周波数特性(TS-Z172PRS)
振動板には、3層IMX構造の「IMXファイバーコーン」を採用。アラミド繊維とガラス繊維の2つの振動板の間にPPとアラミド素材との混合材を注入し発泡することで一体成形とし、軽さと強靭さを獲得。振動板を保持するエッジには軽さ、動きやすさ、支持力、静かさ、それらすべての要素を高次元でバランスさせたマイクロファイバーを採用しています。またダンパー構造には、柔軟性のあるダンパーの外周部に環状のダンパーを重ねて貼り合わせた新開発P.F.S.S.(Progressive Flex Suspension System 特許出願中)を採用。最低共振周波数を大幅に低くすることで、ドアとの共鳴現象を抑制しクリアな低域を再生します。
▲IMXファイバーコーン採用の振動板
▲ウーファー部断面図
アルミニウムセンタープラグを真鍮ネジで磁気回路に強固に固定することで、スピーカーユニットの不要な共振を抑え、クリアなサウンドを実現しています。
▲ウーファー断面図
▲プラグ振動比較
従来の外磁型フェライトマグネットから内磁型ネオジウムマグネットに変更。これによりリニア駆動幅2.5mmの増加と磁束密度の増加(従来比約30%増)を同時に実現し、より生き生きとしたレスポンスが可能になりました。
▲磁気回路部
▲磁束密度比較
▲ウーファー部断面図
振動板を駆動する磁気回路には、ロングプレートとショートボイスコイルを組合わせた「ハイ・トランジェント・ショート・ヴォイス」を採用。高レスポンスと低歪みを実現します。均一な磁場の中を軽量のボイスコイルが高効率に駆動することで振幅の対称性とパワーリニアリティを獲得し、極めて忠実な高音質再生を実現しています。
スピーカーの磁気回路を支えるフレームには、高剛性制振構造の「フルバスケットフレーム」を採用。磁気回路を4点のネジで押さえ込むことでユニット全体の剛性を高めるとともに、不要な共振を排除しています。素材にはアルミダイキャストを用いることで、高い剛性を確保するとともに磁気回路の放熱にも貢献しています。
▲フルバスケット方式アルミダイキャストフレーム
平織りポリエステル素材にラミネート処理を施した軽量で大口径なダイアフラムの採用により、高域再生と低域側の再生限界を両立し、中域の忠実な再現性と卓越した定位感を獲得しています。
音質を左右するボイスコイルは銅線の材質から見直しを図り、ハイエンドのスピーカーケーブル、カードリッジ等で使用されているPCOCC®線(単結晶高純度無酸素銅)を採用。情報量が向上するとともに抜けの良い高域を獲得しています。
PCOCC®は古河電工の登録商標です。
バックチャンバーの容積の拡大(従来比27%増)とエッジ裏のスペーサーをチャンバーと繋げることで低fo化を実現。またリード線の這わせ方を改善することによりローリングを低減しています。
磁気回路にはキャンセルマグネットを採用。中域再生においても振幅を十分に制御できるため、歪みの発生を抑え、音色に濁りのないクリアな音楽再生を実現しています。
磁気歪みを排除するOFC(無酸素銅)を使用したショートリングを採用しています。
▲2.8cmソフトドームトゥイーター
トゥイーター部断面図
▲軽量ソフトドームダイアフラム
▲指向特性比較