【コメント】 冒頭の船の汽笛や波の音などのサウンドエフェクトを聴くだけで、システムの良し悪しが分かります。 汽笛の奥行き感が出るかがポイントです。 音楽のポイントは解像力、ヴォーカルの質感、レンジ感です。 ひとつひとつのフレーズにある濃いニュアンスが再現できるか、手嶌 葵の声はハスキー過ぎてもダメ、 強過ぎてもダメ、弱くてもダメ、ちょうどのさじ加減が大事です。短調なので雰囲気はやや暗いですが、暗い中の明るさ、明るい中の暗さという、感情の深みとアンビバレントさを、どのように音で表現するか、音楽への解釈力が問われます。 母音と子音の聴こえ方も大事です。フレーズの終わりで母音を明確にしている時と、していない時があります。その違いが分かるか、それがニュアンスにどう結びつくかがポイントです。低弦のピッチカートの存在感、ピアノの珠玉感もポイントです。ヴォーカル音像はかなり大きめですが、巨大過ぎてもダメです。最大の参考資料はBD版の映画「コクリコ坂から」です。その世界観を音で表現して欲しいと思います。 |
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【コメント】 メンデルスゾーンの12歳の作品です。若々しく、溢れる生命感、音楽的な切れ味をどのように再現するか、溌剌さ、愉悦感がキーワードです。 出だしから、非常にエネルギーに溢れるヴィヴィットなアンサンブルです。 左の第1・第2ヴァイオリン、中央のビオラ、右のチェロという位置関係が明確な録音で、その正確な定位が正しく再現できるかがポイントです。ストリングスが硬くなってはダメ、しなやかで、かつハイエネルギーが必要です。剛性は欲しいが、同時に弾力感も必要です。 石橋メモリアルホールのソノリティが素晴らしいので、できれば会場に行って確かめると、より正しい再生につながります。DSD録音からのPCM変換なので、1ビット的な香り(しなやかな切れ味、明瞭な豊潤さ、濃密さと生命感)が、どのように聴けるかもポイントです。もちろんスコア研究はたいへん有効です。 |
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