carrozzeria QUALITY  カロッツェリアクオリティ
第4回 “使いやすい”は、“美しい”。 目指したのは、人とモノを美しくつなぐこと。
変わり続けるもの、変わらないもの。
操作性は、カタチに表れる。
目指したのは、人とモノを美しくつなぐこと。
デンマークのデザイン家具ブランド『フリッツ・ハンセン』。使いやすさと美しさが高く評価される同社の代表作、『アントチェア』は、建築家アルネ・ヤコブセンとのコラボレーションにより生まれたものです。優れた座り心地を追求した結果たどり着いた極めて独創的なカタチは、誕生から50年以上たった今もなお高い人気を保ち続けています。
カロッツェリアが目指すプロダクトデザインの世界も、使いやすさと美しさを極める世界と同じだと言えます。
アントチェアの大きな特長であるくびれも、しなり具合を追求したために生まれたという。
カーオーディオという工業製品に対して、いかに工芸品の趣を持たせるか。それはカロッツェリアが長年こだわり続けているテーマです。つまり車室内のインテリアとしての「美しさ」とカーオーディオとしての「優れた操作性」を両立すること。人とモノを美しくつなぐことを目指して、デザイナーは日々カーオーディオの形を創り上げているのです。
では、カロッツェリアにとっての「美しさ」とは、どういうものなのでしょうか?
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変わり続けるもの、変わらないもの。
カロッツェリアにとっての「美しさ」。それはデザイナーが語った、あるひとつの言葉に集約されるかもしれません。
「私たちは『アドバンスト&エッセンシャルズ』といっているのですが、先進を追求しながら本質を見失わないということを常に大切にしています。」
20年におよぶブランドの歴史の中で培われた変わることのないデザインの本質。そして常に変わり続けるトレンドの一歩先を行く先進性。それらはカロッツェリアのデザインに脈々と生き続けています。
「トレンドという意味では、以前、クルマの中で存在感を主張する奇抜な形状や表示が激しく動くという派手なものが求められていたのですが、最近は仕上げのわずかな質感とか、クルマとインテリアのデザインマッチングなど、車室内と調和し空間を演出する1要素となることが求められています。」
今の時代を掴むためには、積極的にトレンドをチェックすることも重要です。
90年代のトレンドであるいかに主張するかをカタチにした「DEH-P500」「KDS-P500」
「例えば定期的にディーラーを訪問したり、開発途中のスケッチを見ていただいたり、何がこれからのトレンドなのかを幅広く探っています。そういった中で最近『イルミネーションとクルマのイルミが合っているほうがいいよね』という言葉が増えてきました。お店の方や海外からもそういった声が聞こえたので、先進を掴むヒントとして考えています。」
クルマと一体となりつつ、車室内の雰囲気を高める「FH-P530MD-B/-S」のイルミ
例えば2Dメインユニット「FH-P530MD-B/-S」に採用された間接照明やオレンジイルミも、ホームインテリアの世界で間接照明がトレンドとなっていたこと、そしてクルマのイルミネーションに最近多く使われ始めたアンバー色系を意識したことによるもの。こういったひとつひとつのパーツデザインにも先進性を忘れないカロッツェリアのこだわりがあります。
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操作性は、カタチに表れる。
ボタンやボリュームへのこだわりはもちろん、操ったときに高い品質をも感じさせる操作感へのこだわりは今もすべてのカロッツェリアのプロダクトデザインに息づいています。
指を受けやすいように斜めに静電センサーキーを配した「AVIC-VH99HUD」
また、「操る悦び」を持たせるためにデザイナーが着目していることがあります。それは、カーナビ/カーオーディオには走行中と停車中という異なった二つのシチュエーションが存在することです。例えば走行中に行う音量調整や選曲などの操作。これらは運転に集中しながらも確実に、すばやく操作できることが重要となります。そのためにキーの大きさや形状などは、わずか0.1mm単位で調整。このような、きめ細かい調整が走行中の快適な操作の決め手となっています。さらにサイバーナビ「AVIC-VH99HUD」などに代表される、静電センサーは、触れただけでソースキー/トラックキーを操作でき、走行中でも、より感覚的に意図したとおりの操作を実現しています。
一方、停車中に行う操作は、設定や調整など複雑な操作が多くなります。
「昔は目的の機能がそのまま使えるダイレクトボタンを設けていました。しかし今の時代はあらゆるものが多機能化され、ダイレクトボタンでの操作では限界があります。」
年々多機能化され複雑になる操作。この問題を解決するためには、わかりやすくシンプルなインターフェースが求められています。そこで、カロッツェリアは操作に一定の規則性を持たせ、感覚で操れるシンプルなインターフェースを追求しています。さらに操作とディスプレイ表示を連動させることで、誰でも、わかりやすく設定や調整などができるようになることも目指しています。
「iPodや携帯電話などもそうですが、まずメニューを表示して、次の操作を選ぶような操作ロジックが今の時代にあった使い方です。例えば『DEH-P760』ではiPodと同じ感覚で操作できるようにインターフェースを工夫しています。」
ロータリーボリューム&セレクターと有機ELディスプレイにより、高機能をシンプルに操れる「DEH-P760」
そこで大きな役割を果たしているのが、操作状況などを表示するディスプレイ。1999年、そこに大きな革命がもたらされます。それはインターフェース性とエンタテインメント性を融合するものでした。いまやカーナビ/カーオーディオで広く用いられているこの技術を初めてクルマで実現したのは、カロッツェリアだったのです。
第5回へ続く


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