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小林可夢偉×カロッツェリア テール・トゥー・ノーズ

第5戦,第6戦 特集 小林可夢偉のクルマD.I.Y.

レースリポート:第5戦 鈴鹿サーキット 捲土重来

例年開幕戦と最終戦が行われる鈴鹿サーキットで、今年は新型コロナウイルスの影響で変則的なスケジュールが採用されたため、週末の間に全日本スーパーフォーミュラ第5戦、第6戦の2レースが開催されることとなった。この大事な2戦を見届けようと多くの観客が来場し会場は賑わいを見せ、選手たちも気合が入る。そしてFIA世界耐久選手権(WEC)で総合優勝を果たした小林可夢偉選手がどんな走りを見せるのか注目が集まっていた。

凱旋帰国後初の走行は
2019年ポールタイムを上回る記録でトップに。
予選も好調な走りで前方グリッドを獲得。

4日(金)午前に行われた専有走行は、路面温度が低い冷間セッションということもあり、各マシンはやや慎重な様子も伺えた。徐々にタイヤも十分に熱が入ったのか各マシンのタイムが上がっていく中、SUGO戦ぶりの参戦となる可夢偉選手はセッション終了残りわずかというところで1分35秒962という最速タイムをマークしトップに。国本雄資選手も上位タイムを記録し、初日を好調に終えた。
そして翌5日(土)午前の公式予選は、Q1Aグループから可夢偉選手が出走、Q1Bグループから国本選手が出走した。ともにQ1を突破しQ2に進出。国本選手はQ3まで僅かに届かず9番手で惜しくも敗退したが、可夢偉選手はQ3に進出し6番手でチェッカーフラッグを受けた。

まさに神業のドライビングテクニック。
アクシデント多発の決勝レースでダブル入賞を果たす。

公式予選を終え午後の決勝レースは、フォーメーションラップのスタート直後に他のマシントラブルが発生し28周で戦うこととなった。オープニングラップで可夢偉選手、国本選手が大きくポジションを上げ、好調な滑り出しとなった。その後はさまざまなアクシデントが起こり、セーフティカーが導入される展開が続く中、可夢偉選手、国本選手ともにピットに入りタイヤ交換を済ませるなど、順調に進めていく。レース終盤、可夢偉選手を含む4台がストレートで並んだまま1コーナーに入ると、他車2台が接触しクラッシュ。可夢偉選手は持ち前のドライビングテクニックで切り抜け、最終的に4位でフィニッシュ。国本選手は、ポジションを落とすことなく最後まで走り抜き、3位表彰台を飾った。

レースリポート:第5戦 鈴鹿サーキット 捲土重来

第5戦 ダブル入賞!
ドライバー・監督から決勝を終えてのコメント

4位 小林可夢偉選手
「波乱のレースでしたが、誰も怪我なく終えられたことは良かったと思います。また、パフォーマンスも非常に良く、2台揃って早いペースで走れて、その結果、ポジションを維持してレースを終えられたことがチームにとっては良かったと思います。もちろんここで満足する訳にもいかないので、明日のレースはさらに上に行って、2台揃って表彰台に立てるように頑張りたいと思います。」
3位 国本雄資選手
「久々の表彰台ですごく嬉しいです。今回はセーフティカーも多くて大変なレースでしたが、その中でしっかりと順位を上げることができたのは良かったです。レースを追うごとにマシンがどんどん良くなっているなと実感しています。もっと強くなって、もっと上を目指していけたらなと思います。明日も、もう1レースがあるので気持ちを切り替えて、予選ではQ3に進むこと、決勝では勝てる位置でレースができればいいなと思います。」
松田次生監督
「予選の走り始めからマシンの状態が良く、可夢偉選手がQ3まで行って、国本選手は惜しくもQ3に行けませんでしたが、ふたりとも良いパフォーマンスを見せてくれたので、決勝に向けて良い予選を走ってくれました。決勝はスタートで順位を上げてきてくれたので、あとは戦略面でなんとかミスしないように考えて、国本選手がいい形で戦略をうまく決めることができたので最終的に3位となり、可夢偉選手は4位という結果で終えることができました。3位4位ということで今季初のダブル入賞できたということは、チームが2台体制になって良い方向に向かってきていると思います。さらに強いチームを作るサポートができるように僕自身も頑張っていきたいと思います。」

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    レースリポート:第6戦 鈴鹿サーキット 捲土重来

    連戦となる全日本スーパーフォーミュラ第6戦は、前日に続き晴々としたコンディションで開催された。今戦のみオーバーテイクシステムが通常の合計100秒から合計200秒まで使用できるようになる変更点があり、戦いをさらにヒートアップさせる要素が加わった。しかしながら前日の決勝レースで、さまざまなアクシデントが起こっただけに安全性を考慮した車作りや戦術面でもピットインのタイミングなどが重要になってくる。

    前日の興奮が冷めぬままにノックアウト予選がスタート。
    可夢偉選手は5番手、国本選手は8番手で決勝に挑む。

    6日(日)午前の公式予選はQ1Aグループから国本選手が出走した。他車がアタックを始める中、国本選手は計測終了となる最後の1周でアタックを仕掛け、3番手でチェッカーフラッグを受けQ1を突破。一方、Q1Bグループの可夢偉選手も難なくQ1を通過しQ2へ進出。Q2は国本選手が9番手で敗退するものの、可夢偉選手が4番手に着けQ3まで駒を進める。決勝のスタート順はエンジン交換のペナルティで予選3番手の選手がグリッドを下げたことで可夢偉選手が5番手、国本選手が8番手からとなった。

    午後の決勝は、前日の上位陣が続々と後方に・・・。
    セーフティカー導入の連続となる波乱の展開。

    午前の公式予選を終えて会場では来場者がピットビューイングに参加したり、インディ500で優勝した佐藤琢磨選手のトークショーを見たりとイベントを楽しむ様子が見られた。チームの方では、午後の決勝までの束の間にもマシンの最終調整など作業が行われていた。そして決勝レースが始まるや否や順位変動が見られた。国本選手はスタートでポジションを落とした分をオーバーテイクで数台抜き去り上位のポジションにつけていたが、リアタイヤが突然壊れるアクシデントに襲われそのままリタイアとなってしまう。一方の可夢偉選手も序盤で他車と接触しタイヤがパンクするトラブルが発生。直ぐにタイヤ交換を行い、後方から追い掛ける展開に。他のマシンにもトラブルが相次ぐ中、可夢偉選手は最後まで走り抜き無事完走した。

    レースリポート:第6戦 鈴鹿サーキット 捲土重来

    第6戦 鈴鹿サーキットを終えてのコメント

    小林可夢偉選手
    「まずはスタートで出遅れてしまってそこからもう歯車が合わなかったのか、2周目に他車と当たったと思うのですけども、それでタイヤがパンクしてしまい、タイヤ交換を余儀なくされたことによって最後尾に入りました。その後なんとかリカバリーを狙ったものの、マシンのフィーリングが思った方向に行かず、残念ながら追い上げにはなりませんでした。予選まではできるだけ自分たちが持っているペースは発揮できたのかなと思いましたが、最後の最後で躓いたのはちょっと残念でした。残り1戦富士でしっかり上に行けるように集中して準備していきたいなと思います。皆さん応援ありがとうございました。」
    国本雄資選手
    「決勝を8番手からスタートしましたが、今回スタートがうまくいかず順位を下げてしまいました。その後、オーバーテイクすることができて3台4台くらいコース上で抜かすことができました。レース中盤でリアタイヤが突然壊れてリタイアとなりました。良い位置を走っていただけに、非常に残念ですけども昨日よりも良いペースで走ることができましたし、オーバーテイクもすることができて、レース自体は楽しむことができました。残り1戦富士だけになりますが、まずは予選で上位に行って優勝できるようなレース展開を持ち込めるようしっかり準備して次戦も頑張ります。」
    松田次生監督
    「予選は可夢偉選手がQ3まで行くことができましたがタイヤの使い方によって他のチームにポールを取られてしまったので、次の予選に対して車作り、タイヤの使い方を研究していけたらなと思います。国本選手に関しても、昨日に続いて良いところまで行っているのですがQ3に行けなかったので、予選で戦える状況をフリー走行から準備できればと思います。2日間のレースを通して、良いとこ悪いとこがしっかりと出たレースだったと思います。車の方はエンジニアが良い車を作り上げてくれていますし、メカニックも車を早くするために頑張ってくれているので、しっかりとその機能が発揮できるように最終戦をみんなで頑張っていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。」
    次戦は12月19日、20日の富士スピードウェイ。
    最後のレースも小林可夢偉選手、国本雄資選手の優勝を期待しつつ、
    カロッツェリアはラスト1周まで全力で応援しサポートしていきます。
    ファンの皆さんもぜひ熱い声援をお願いします!

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