“市販にしかできない、新しいことをやろう”という意気込みで始まった「プロジェクト90」。
「限られたクルマのスペースに、未来のクルマから切り取ってきたような夢の道具を入れてあげたい。市販ならではの新しいカーライフを実現するには、この世界が必要だ。そのためには、まだ誰も手にしていない、触るだけでワクワクするような、そして大切な人とのかけがえのないひとときを盛り上げてくれる道具でなければならない。」
そこで生まれたのが、Audio-Visual-Information-Communicationの4つを統合した、総合情報エンタテインメントツールという概念でした。
しかし、当時、技術として確立しているのはAudioだけ。
その他のVisual・Information・Communicationについては未知の世界でした。型にはまらない自由なアイデアが飛び交う中で出てきたのが、“画面上の地図に自分が走った軌跡を表示することができれば、それを辿ってどこからでも家に帰れるんじゃないか”というもの。技術的にも実用性という意味でも、ゼロからのスタートでしたが、むしろプロジェクトメンバーはそこに魅力を感じ、“とにかくそれでやってみよう”と開発を始めたのです。
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