サービスの進化

“モノ(ハード)”דコト(サービス)”の
先行技術開発

スマートフォンの登場・普及により、ブロードバンドインターネット利用の場所の制約から解放され、いつでも、どこでも世界の膨大な情報の中からユーザーが自分に合った、欲しい情報を自由に取りに行くことが可能となりました。その情報を基に新たな体験、有益な知識を得ることが可能となりました。そしてソーシャルネットワーキングサービス(SNS)により、自らの体験等をユーザーが情報発信することが可能となり、情報がシェアされることでユーザー同士がつながることが可能となりました。スマートフォンのようなプロダクトの進化に合わせて提供されるSNS等のサービスの進化により、ユーザーの価値観、生活スタイルは大きく変化しています。このような「プロダクトの進化」と「サービスの進化」を的確にとらえた先行開発を実施し、スピーディーに価値の提供を行うことが、「未来の移動体験の創出」を実現するために重要です。パイオニアは先行技術開発を実施し、技術を進化させることでモビリティ領域におけるプロダクトの進化を導き、さらにプロダクトの進化による新たなサービスへと進展させていきます。そしてパイオニアは、モビリティ領域における“モノ(ハード)”דコト(サービス)”価値の提供を行っていきます。

“モノ”דコト”の先行技術開発では、プロダクトとサービスの進化を技術視点で捉えています。

サービスの進化

ユーザーに価値のあるサービスとは、ユーザーの期待に応えること、期待を超えることです。ユーザーは期待通りのサービスに「満足」、「快感」を感じ、期待を超えることで「驚き」、「感動」を受けます。そのユーザーの期待は、ユーザーの欲求が起点になっていると考えます。つまり、期待に応えるサービスの提供とは、プロダクトの進化を活用し、ユーザーの顕在的な欲求もしくは潜在的な欲求にアプローチしていくことです。

プロダクトとサービスの提供は、ユーザーのさまざまな欲求に応えてきました。例えばカーナビゲーションが登場するまでは、新たな目的地にドライブする際にユーザーは地図で事前にルート確認すること、走行中にルートを確認することが必要でした。このような事前の用意、運転中の確認は、ユーザーに「面倒」かつ「安全に不安」といった不満がありました。その後カーナビゲーションの登場で、これら不満を解決することが可能となり、ユーザーの「安心・安全」と「快適」といった欲求に同時に応えることができました。更に詳細マップ、音声案内、音声入力、高音質化等のサービスの進化により、より高次な「安心・安全」と「快適」といった欲求の期待に応えてきました。

サービスの進化イメージ

ユーザーの価値観、生活スタイルが変化する中、ホーム領域ではSNSの普及にみられるようにユーザーの欲求は「所属」、「承認」、「自己実現」とより高次な欲求にシフトしています。高次な欲求に応えるサービスに共通する価値は、「快適につながる価値」と「多彩な機能価値」です。

同様にモビリティ領域におけるユーザーの欲求も、「安心」、「快適」といった欲求を満たしながらより高次な欲求へとシフトしてきています。現在、車載機とスマートフォンに代表されるパーソナルIoT(Internet of Things)デバイスが連携することで、モビリティ領域でもホームユースで楽しんでいた音楽などのアプリを使えるようになりました。しかしモビリティユースでは、運転動作と同時にホームユースと同じようにパーソナルIoTデバイスを操作することはできません。このモビリティユースにおける安全不安を解決しつつ、快適にパーソナルIoTデバイスを利用するためには、最適なユーザーインターフェース(UI)を活用するサービスが有効です。マルチモーダルUI(音声、表示、振動など種類の異なるUIの組み合わせ)を利用することで、車載機と連携したパーソナルIoTデバイスを簡単に操作することが可能となり、かつホームユースと同様にさまざまな機能を利用することが可能となります。

その結果、モビリティユースにおいても「快適につながる価値」並びに「多彩な機能価値」をユーザーに提供することが可能になりはじめています。モビリティ領域においても、ユーザーニーズは、「もっと家族・仲間とつながる:所属」、「もっと誰かに見てもらいたい:承認」、そして「もっと理想に近づきたい:自己実現」等の広範囲でパーソナルな高次の欲求にさらにシフトしていきます。

技術の進化やプロダクトの進化により、連携した各デバイスで取得した車両周辺情報、車室内情報等を、エッジ(車載機)とクラウドに適した高度なデータ解析を行うことで、より的確な運転状況の理解とさまざまな予測が可能となります。AI(Artificial Intelligence)解析により予測した情報を適切なタイミングや内容でユーザーにサービス提供し、「快適につながる価値」と「多彩な機能価値」を創出していきます。

今後

車載IoTデバイスとパーソナルIoTデバイスは更に深く連携し、最適レイアウトされた機能から多くの情報が入手できるようになります。そして、多くの情報からパーソナライズされたサービスをユーザーに提供することが可能となります。このようなサービスの進化は、人々の「安心・安全」から「自己実現」といった多岐わたる高次の欲求・期待に応えるものと考えます。パイオニアは、モビリティ領域におけるユーザーの欲求を探求することで、ユーザーに満足・感動いただくためのサービスの進化を実現していきます。