2024年 6月 18日
カーボンニュートラル
運転中に、車の燃費計に表示されている航続可能距離が0kmになって焦った経験がある方もいるでしょう。実際に0kmになっても、すぐに車が止まることはありません。また緊急時や災害時などすぐには給油できないときには、燃費の良い運転をすることで航続可能距離は伸びます。
近年の乗用車には、航続可能距離や燃料の残量を表示する燃費計が車載されていることが一般的です。車を運転中に燃費計の航続可能距離が0kmになって焦った経験がある方もいるのではないでしょうか。本記事では、燃費計の航続可能距離は、0kmになった後どのくらい走行できるかをご紹介します。
また運転中にすぐに給油できないときでも、燃費の良い走り方をすることで航続可能距離を伸ばせる可能性があります。記事後半ではそのポイントを解説するので、ぜひチェックしてみてください。
車の燃費計には、航続可能距離(走行可能距離)が表示されていることがほとんどです。航続可能距離とは、車のタンクに残っている燃料で走行可能な距離のことを指します。それまでの運転履歴(発車・停車の頻度やエアコン使用など)を踏まえて予測される燃費と、燃料残量から計算されるものであり、実際の交通状況や天候などによって変化する可能性もあります。
つまり燃費計に表示されている航続可能距離と、その日・その状況で走行できる距離は必ずしも一致するわけではありません。スムーズな運転ができ表示された距離より長く走行できることもあれば、渋滞や悪天候により表示された距離よりも実際の走行距離が短くなることもあります。
燃料が一定の残量になると燃費計内の燃料残量警告灯が点灯することで、ドライバーは燃料の残量が少ないことを把握できます。
燃料残量警告灯が点灯したり、航続可能距離が0kmになったりすると「すぐに燃料を入れないといけない」と焦ってしまうかもしれませんが、すぐに車が停止するわけではありません。車種によっても異なりますが、一般的には燃料残量警告灯が点灯してからも、50kmほどは走行できるといわれています。そのため多くの場合は、近くのガソリンスタンドまで走行することが可能です。
しかし航続可能距離が0kmになった時点で、タンクにどれくらいの燃料が残るのか、明確に公表しているメーカーはありません。
トヨタ自動車株式会社の公式ホームページには「一概には言えませんが、目安として燃料タンク容量の約10%です」とおおよその量のみ記載されています。※1
※1 出典:トヨタ自動車WEBサイト「マルチインフォメーションディスプレイの航続可能距離が「---km」もしくは「給油してください」と表示された時、燃料の残量はどれくらいですか。」
マルチインフォメーションディスプレイの航続可能距離が「---km」もしくは「給油してください」と表示された時、燃料の残量はどれくらいですか。
またマツダ株式会社のホームページには、燃料計が0になる前段階の燃料の残量について「E(Empty)を示した時点で、燃料は数L残っています。車種によって異なりますが、乗用車は目安としてはおよそ6Lです」と記載されています。※2ここから、例えばカタログ燃費が30km/リットルの車種の場合は、約180km走行できる計算です。
※2 出典:マツダ「乗用車でセンターディスプレイやメーター内(MID/i-DM等)に表示される走行可能距離表示は、燃料が0になるまでの距離ですか?」
乗用車でセンターディスプレイやメーター内(MID/i-DM等)に表示される走行可能距離表示は、燃料が0になるまでの距離ですか?
車種により燃料タンクの容量やカタログ燃費も異なるため、走行できる距離も異なります。燃料が少なくなってきたら、早めに燃料を補充しておくのがよいでしょう。
近くにガソリンスタンドがない場合や災害時など、燃料残量が少ない状態でどうしても走行しなければならない状況になったとき、どのように対処したらよいのでしょうか。航続可能距離を伸ばすためには、できるだけ燃費の良い走り方をすることが重要です。ここからはいくつかのポイントについてご紹介します。
車は、急発進・急加速をかけるときに特に燃料を使います。周囲の信号や通行人の状況をよく確認し、走行時には緩やかにアクセル・ブレーキを踏むことを心掛けましょう。
重い荷物を積んでいるために車が重くなると、それだけ加速するときに多くのガソリンが必要です。日頃より不要な荷物は載せないこと、可能な場合は荷物を降ろすことも一つの方法です。
エアコンやワイパーの使用も、ガソリンの消耗を早めます。しかしガソリン車の場合、暖房についてはエンジンの熱を活用して車内を温める仕組みになっているため、特に燃費が悪化することはありません。但し、コンプレッサーが稼働していればその分エネルギーを消費しますので、必ず「AC」はOFFになっていることを確認しましょう。OFFにしていても暖かい空気は出てきます。
車で遠方への出張や外出が多い場合や、急な渋滞・悪天候に巻き込まれた場合、燃料計が示す航続可能距離が0kmに近づくこともあるでしょう。航続可能距離が0kmになってもすぐに車が停車することは基本的にはありません。焦らずに近くのガソリンスタンドに向けて走行することが大切です。
しかし燃費が少ない状態で、いつまで走行できるかどうかは車種や走行状況によっても異なります。なるべく航続可能距離が伸びるように、本記事でご紹介した燃費の良い走り方をすることを心掛けましょう。