CDオーディオディスクの再生時において、ディスク上のキズ・指紋・ディスク不良(歪みや反り、厚さが均一でない、偏芯)などによりCD固有のエラー訂正システム(CIRC)でも補正しきれない読み取りエラーが発生した場合、読み取りエラーの部分を前後のデータから生成しデータの補間が行われていました。本機能を使用することで、ディスク状況を自動判断、最適な読み取り方法を調整し、リトライ(再読み取り)を行います。多くの人の手に触れるレンタルCD、中古CD、誤って傷を付けてしまったCDなどに特に有効な機能です。BDXL対応ピックアップ搭載によるCD読み取り性能の向上も相まって、高精度なCD読み取りを可能にしています。
PureReadには、標準の「マスターモード」と、より完全に原音で取り込む「パーフェクトモード」があり、付属の「パイオニアBDドライブユーティリティ」(Windows用)「パイオニアBDドライブユーティリティライト」(Mac用)を使用し任意に設定が可能です。(OFFすることも可能)
バージョン | アルゴリズム | モード設定保存機能 |
---|---|---|
PureRead | Ver1 | なし |
PureRead+ | Ver1 | あり |
PureRead 2 | Ver2 | なし |
PureRead 2+ | Ver2 | あり |
PureRead 3+ | Ver3 | あり |
PureRead 4+ | Ver4 | あり |
リアルタイムでデータ補間の発生頻度を抑え、オーディオCD本来の音質で再生する「RealTime PureRead」。
「PureRead 4+」で導入したアルゴリズムはこの「RealTime PureRead」でも採用しており、リアルタイムでオーディオCDを聴く場合もデータ補間の発生頻度を抑え、本来の音質で再生します。
あまり一般には知られていないのですが音楽CDは、CD-ROMに比べ、エラー訂正能力がかなり低く、傷・指紋・そり・偏芯等があると読み取りエラーが簡単に発生してしまいます。実際にはCDプレーヤーなどでは、前後のデータによる補完が自動的に行われているので気がつかない事も多いのですが、補完しきれないと、ノイズとして耳に届きます。また補完した部分は音の広がり感が変わると言う人も多いようです。
音楽CDのベースに関わる問題ですから、現状の音楽CDのままでこの問題を解決することはできません。つまりディスクの状況に応じた適切なリードを常に行わないと、本来音楽CDに入っている音が正しく再生できません。
私は、ピアノ演奏や作曲の道に進もうと真剣に考えていた時期もあり、今でも趣味として音楽活動を続けています。そのため音楽CDを正しく読み出したい、音楽CDに入っている音をすべて聞きたいという面については自分で言うのもなんですが、かなりのこだわりがありました。(笑)そこで考えたのが、音楽CDの読み取り時にエラーが発生しても、勝手にデータ補完をしないで正しく読み出すことでした。
まず、数種類のアルゴリズムをつくり、周囲にいる企画、営業のメンバーに試しに聴いてもらいました。今になって思うと、それがPureReadのプロトタイプとなりました。実際にPureReadのプロトタイプを聞いたメンバーが、製品に入れるべきと言い出してくれ、体力的にかなりつらいものがあったのですが、一気に開発を加速してなんとか製品へのインプリ期限ギリギリに間に合わせました。その後も継続して開発を続けており、性能を向上させ、最新のBDドライブに搭載しています。
今後、次々と川崎新小倉で生みだされる新技術、これからの「川崎新小倉」発のモデルにご期待ください。
PureRead 4+の進化した内容についてさらに知りたい方はPureRead 4+の開発ストーリー「PureRead機能のさらなる高性能化に挑戦」をご覧ください。PureReadについてさらに知りたい方は、PureReadの開発ストーリー「PureRead機能の進化と今後の可能性 I」 「PureRead機能の進化と今後の可能性 II」をご覧ください。
ファームウェア担当 大下
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