“モノ”דコト”の
先行技術開発
サービスとプロダクトの両軸で

はじめに

パイオニアは、創業より培った「モノづくり力」を礎に“モノ”דコト”へのトランスフォーメーションを加速させ、モビリティデータを活用したソリューションサービス企業へ変革していきます。パイオニアの先行技術開発は、これまでのパイオニアのテクノロジーDNAを受け継ぎ、モビリティ領域とホーム領域のサービスとプロダクトの融合と変化を的確に捉え、安心・安全、快適、かつスマートな未来の移動体験を創出します。

先行技術開発の3ステップ

近年、モビリティ領域ではホーム領域のサービスとの融合が進み、シームレスに、パーソナライズされたさまざまなサービスが提供され始めています。“コト”であるサービスが可能となった背景を紐解くと、“モノ”であるプロダクトとテクノロジーが重要な役割を担っていることがわかります。例えば、SNS(Social Networking Service)利用は、スマートフォンが活用されています。スマートフォンというプロダクト進化は、高速無線通信や小型センサなど最新テクノロジー進化に支えられ、いつでも、どこでも快適につながる環境と多彩な機能を活用したSNS利用を可能にしています。つまり、ユーザーが体験するサービスの進化は、プロダクトの進化やテクノロジーの進化と密接に関わっています。

“モノ”דコト” へのトランスフォーメーションを加速させる先行技術開発において、要素技術の視点だけではなく、“モノ”であるプロダクトと“コト”であるサービスの両軸で将来の進化を先読みすることが重要です。それぞれの進化の先読みから必要となるテクノロジーを導き出し、具体的な先行開発に落とし込んでいます。 パイオニアは、“モノ”דコト”における先行技術開発を、3つのステップで変革していきます。ステップ1は「進化の予測」、ステップ2は「必要技術のリサーチ」、そしてステップ3は「先行開発」です。

先行技術開発の変革

ステップ1:進化の予測

プロダクトの進化

ホーム領域のサービスと融合が進むモビリティ領域におけるプロダクトの進化を予測する上で、ホーム領域のプロダクトの進化を分析、予測することが必要です。特にモバイルユースでは、スマートフォンに搭載されている多彩なセンサと機能を活用し、ユーザーのさまざまなニーズに応えた多岐のサービスが提供されています。スマートフォンのカメラ性能、新たなセンサ搭載、通信速度やデータ処理性能などを従来製品と比較することで、技術進展の方向性や市場ニーズ、サービスの変化を予測することができます。さらに据え置き型IoT(Internet of Things)端末やウェラブル(身に着けられる)IoTデバイスなど新カテゴリのプロダクトの登場も注視し、変化を予測する必要があります。

サービスの進化

モビリティ領域におけるサービスの進化を予測する上で、プロダクトの進化予測と同様にホーム領域のサービスの進化を分析、予測することが重要です。ホーム領域のサービスは、多種多様でありサービス提供価値も様々であることから、複数のホーム領域サービスの共通性や進化の方向性を見出すことは困難です。しかし、SNSなど急成長したカテゴリを分析することで、大きなサービス進化の方向性を見出すことが可能です。モビリティ、ホーム、モバイル領域が融合していく中、ホーム、モビリティ領域で提供されるサービスに活用される機能を分析し、モビリティ領域に反映して提供するサービスを予測することが重要です。

ステップ2:必要技術のリサーチ

従来の先行技術開発は、学術分野、技術分類別に技術開発動向や技術トレンドをリサーチし、中長期の技術ロードマップから具体的な技術を選定して開発していました。しかし、これからの“モノ”דコト”の必要技術のリサーチでは、従来のリサーチに加え、プロダクトの進化で予測した技術の進展とサービスの進化予測から必要技術を選定します。特にAI(Artificial Intelligence)技術分野では明確なサービスを目的とした研究開発事例も多く、最新AI技術トレンドのリサーチは将来必要となる技術の選定において重要です。

更に選定した技術をリサーチすることで、既存技術活用の領域、新規開発技術領域、協業領域を明確にし、先行技術開発するべき新規開発技術を絞り込むことが必要です。

ステップ3:先行開発

近年、技術革新のスピードが速くなっており、さらに顧客・市場ニーズの変化も速い時代において、タイミングを逃さずに製品を上市することが必要です。先行開発においては、事業戦略と一貫性を保ち、ニーズに対応するために必要な技術を選定し、開発を進めることが重要です。ステップ1の分析・予測とステップ2のリサーチを随時行い、技術、サービスのトレンドの変化に応じて開発する技術を適時見直しすることでタイムリーにアウトプットを創出していきます。

このように“モノ”דコト”の先行技術開発は、新たにサービスの進化からのバックキャストの視点も取り入れ、将来必要となる技術を目利き、先行技術開発することで、モビリティデータを活用したソリューションサービス企業への変革を支えていきます。