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飲酒何時間後に運転できる?
飲酒運転防止のために知っておきたいポイント

2025年 4月 14日

アルコールチェック義務化

2022年4月1日から、一定台数以上の白ナンバーを保有する事業所を対象に、安全運転管理者による運転業務前後のアルコールチェックが義務化されました。さらに2023年12月1日からは、チェック時のアルコール検知器の使用と確認記録の保存も義務付けられています。飲酒運転を防止するためには、必要な施策といえるでしょう。
一方で、気になるのが「アルコールを摂取してからどれくらい時間が経てば運転していいのか」「目安などはあるのか」です。 今回の記事では、アルコール摂取後の運転までの目安となる時間と計算方法について紹介します。併せて、飲酒運転をしてしまった場合の罰則についても解説します。

目次

アルコール摂取後、何時間経てば運転していい?

アルコールを分解する時間は個体差があるため「何時間経過すれば運転してもいい」とは、明言できません。アルコールの分解時間には、人それぞれの体質や体調の違いはもちろん、体重の差や飲んだお酒の量、アルコールの度数も関係します。

1時間で分解できるアルコール量の一般的な目安としては、体重60kg〜70kgの人の場合で約5gと考えられています。アルコール5gとは、日本酒約4分の1杯、ビール中瓶約4分の1本、ウイスキーのダブル約4分の1杯となります。つまり、日本酒1合、ビール中瓶1本、ダブルのウイスキー1杯を分解するために必要な時間は、約4時間だということがわかります。

まずは最低でも上記を目安とし、運転する時間から逆算して、アルコールを分解できるだけの時間を確保するようにしましょう。

ただし、注意しなければいけないのは、睡眠中はアルコールの分解が遅くなることです。そのため「睡眠時間があるから大丈夫」と考えるのではなく、睡眠時間プラスアルファの時間をとるようにする、そもそもの飲酒量をセーブする、など注意しなければいけません。

白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化について一から理解したい方は、『アルコールチェックの義務化の対象者と実施のポイント』をご参照ください。

【2025年最新】アルコールチェック義務化の対象者と実施のポイント

アルコール摂取後、何時間後に運転できるのかを計算する方法

人が1時間で分解できるアルコール量の目安は体重をもとに算出できます。ただし、この計算式には体質などの数値に表せない事項は反映されていません。そのため、あくまでも目安に過ぎないことをあらかじめ認識しておきましょう。

1時間で分解できる量の目安を求める計算式は以下の通りです。

「体重×0.1」

この簡単な計算式で、分解できるアルコール量(/時)がわかります。たとえば、体重70kgの人ならば1時間で分解できるアルコール量は7g、80kgなら8g、ということになります。つまり、体重が重い人(=血液が多い人)と体重が軽い人(=血液が少ない人)で比べると、それぞれ飲んだアルコールの量が同等だと仮定した場合、体重が重い人ほど分解量が多いといえます。

そして、1時間で分解できるアルコール量がわかれば、摂取したアルコールの分解にかかる時間の目安を算出することも可能となります。その数値を求める計算式は以下のとおりです。

「純アルコール量 / 分解できるアルコール量(/時)」

具体的な数字を当てはめて計算してみましょう。たとえば体重80kgの人が、純アルコール量24gのお酒を摂取したとします。計算すると、分解には3時間かかる、ということになります。24g(=純アルコール量)÷8g(分解できるアルコール量/時)で、3時間ということです。

繰り返しにはなりますが、紹介した計算式で算出される数値はあくまで目安に過ぎません。あくまでも、飲み過ぎない、無理をしない、を基本姿勢にしましょう。運転を翌日などに控えているのであれば、なおさらです。

アルコールが抜ける、分解される時間を簡単に計算できるサービスもあります。自分の好きなお酒をどれだけ飲むと、分解されるのにどれだけの時間がかかるか把握しておきましょう。

※参考:単位・ドリンク換算 分解時間のめやす電卓(ver.1.1)

前日のお酒が残っていても飲酒運転になる

運転する当日に飲酒してはいけないことは言うまでもありませんが、前日のお酒にも注意を払うようにしてください。前日に飲んだ分が体内に残っていた場合も、アルコールチェック時に検出されてしまうからです。基本的には、翌日に運転を控えているのであれば飲酒しないでおくことがもっとも安全です。

どうしても飲む機会がある場合は、飲酒量を少なくする、飲酒時間を短くする、睡眠時間を確実に確保する、などを徹底するようにしましょう。自分ではお酒が抜けているつもりでも、微量なアルコールが残っていれば検知器には引っかかる可能性があります。

運転前にアルコールが検出されると、当然ながらドライバーは仕事ができません。その影響が、他のドライバーへのしわ寄せとして出ることも考えられます。仮に他のドライバーがいなければ、運行できないケースも発生するでしょう。そうなると、雇用側の企業責任が問われてしまいます。少しでもリスクを抑えるためにも、前日の飲酒にも注意をする必要があるのです。

アルコールを早く抜く方法はある?

前日に飲酒しても早めにアルコールを抜けば問題ない、と考える方もいるかもしれません。理論的にはそうですが、結論から述べると、アルコールを早く抜く方法はありません。一般的には「水をたくさん飲むといい」「サウナで汗を出せばアルコールが抜ける」と言われていますが、汗や尿から排泄されるアルコールの量はたかが知れています。

もちろん、アルコールには脱水作用があるため「水を飲むこと」自体は推奨される行為です。しかし、摂取したアルコールのほとんどは、肝臓で分解されています。つまり、水を飲む、サウナで汗をかく、といった方法を試しても、血中のアルコール濃度はほとんど変わりません。そもそも、アルコールが入った状態でサウナへいくことは危険な行為なので、控えるようにしましょう。

アルコールを早く抜く方法は残念ながらありません。もっとも効果的なのは、やはりアルコールの摂取量を控えることであると認識しておきましょう。

飲酒運転してしまった場合の罰則

飲酒運転防止のためには、罰則を理解する、意識することも立派な抑止力となります。飲酒運転してしまった場合の具体的な罰則について知っておきましょう。

まず、飲酒運転とひと口にいっても、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類に分けられ、それぞれ罰則が異なります。また、いずれかに該当する飲酒運転だと判断された場合、運転手だけでなく、同乗者やアルコール提供者、車の提供者にも厳しい処分が下される可能性があります。つまり、飲酒運転は自分だけでなく、多くの人の人生を狂わせることになりかねません。

飲酒したのなら、決して運転はしてはいけません。そして、周囲の人も必ず止めるようにしましょう。

酒気帯び運転

「酒気帯び運転」は、呼気中のアルコール濃度が1リットルあたり0.15mg以上含まれる状態で運転していることを指します。仮に、検出されたアルコール濃度が0.25mg以上含まれていた場合、処分はより重くなります。

運転中の検閲などで、酒気帯び運転と判断された場合、科される罰則は0.15mg以上0.25mg未満で違反点数が13点、最低でも90日間の免許停止処分となります。0.25mg以上のアルコール濃度が検出された場合は、違反点数が25点となり「免許取り消し処分かつ最低2年の欠格期間」という処分が科せられます。
さらに刑事罰については「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。

酒酔い運転

「酒酔い運転」は、検出されるアルコール濃度の数値に関係なく、酒に酔った状態で運転が困難だと思われるにもかかわらず運転していることを指します。まっすぐ歩けるかなどの運動機能や平衡感覚が正常かどうか、あるいはハッキリと会話できるかなどから判断されるため、アルコール濃度が0.15mg未満でも酒酔い運転に該当することもあります。

酒気帯びよりも重い罰則となり、酒酔い運転の違反点数は35点、そして「免許取り消し処分かつ最低3年の欠格期間」という処分となります。さらに刑事罰として「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられます。

飲酒運転で罰則が適用されるのは運転者だけではない

悲惨な死亡事故を引き起こすこともある飲酒運転は、罰則規定も厳しく設定されています。注意しなければいけないのは、先に述べたように、飲酒運転による罰則適用が運転者だけにとどまらない点です。対象となるのは、車両提供者、アルコールの提供者、飲酒運転となった車の同乗者です。酒気帯び運転、酒酔い運転、いずれの場合でも当てはまるものであり、危険な運転を止めなかった責任を問われるものとなります。

具体的な罰則については、車両提供者は運転手と同様のペナルティが科せられます。一方で、同乗者とアルコール提供者に関しては、酒気帯びで「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」、酒酔い運転と判断された場合では「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。

このように、飲酒運転をしてしまうと、本人はもちろん周りの人の人生にも影響が出てしまうことを理解しておきましょう。

関連記事:従業員が酒気帯び運転で捕まったらどうなる?会社の対処方法や対策について解説

安全運転管理者によるアルコールチェックを徹底しよう

2022年4月1日から、白ナンバー事業者でも運転前後でのアルコールチェックが必須化されました。2023年12月1日からは、チェック時のアルコール検知器の使用と確認記録の保存も義務付けられています。ドライバーを雇用する事業者側は、アルコールチェックを日常業務として確実に実施することで飲酒運転の抑止力となり、リスクを未然に排除できます。

もちろん、ドライバー自身の自主的な注意も必要です。しかし、企業としても、飲酒運転を生じさせない体制づくりをすることが重要といえるでしょう。

最近では多くのメーカーがアルコール検知器を展開しています。呼気中のアルコール有無や濃度を、音や光もしくは数値で正しく示す機器であれば、どの検知器を使っても問題ありません。同様に、保存すべき記録に関しても指定はありません。主には、「検査日時」「検査対象者の氏名」「検査を確認した者の氏名」「検査結果」といった点を最低限残すようにしておきましょう。記録については、手書きベースのアナログ形式でも問題ありませんが、あとからの確認や見直しなどを考えるとデータ形式で保存するスタイルの方がいいでしょう。検知器の中には、検査した結果を自動で記録するものや、専用のシステムと連携できるものもあります。こういったタイプを選んでおくと、管理の手間も省けます。

また、アルコールを摂取していなくても検知器に反応してしまうような飲食物や生活雑貨などもあるため注意しなければいけません。同様に、感染対策の手指消毒用アルコールの取り扱いにも注意が必要です。注意点についても事前に把握し、伝えておくようにしましょう。

繰り返しになりますが、飲酒運転のリスクは運転手本人だけに降りかかるものではありません。周りの人や企業への影響も大きく、万が一死傷事故などを起こしてしまうと、多くの人の人生を壊しかねません。そのようなリスクを未然に防ぐためにも、安全運転管理者によるアルコールチェックの徹底と仕組み、体制づくりをしっかり行うことが大切です。

まとめ

アルコール摂取後、何時間後に運転していいのかについては個人差があるため、一概にはいえません。しかし、計算式を使えばある程度の目安を割り出せます。日常的に運転をする方は、この計算式を頭に入れておくといいでしょう。

とはいえ、計算式はあくまで目安であるため、確実にアルコールが抜けているかどうかはわかりません。そのため、飲酒運転を防ぐには、運転前の飲酒を控えることがもっとも効果的な方法となります。悲惨な事故につながりかねない飲酒運転は、多くの人生を巻き込んでしまいます。トラブルやリスクを避けるためにも、「絶対に飲酒運転をしない」という日頃からの意識づくりが求められます。また、ドライバー自身だけでなく、雇用する会社側からも、前日の飲酒を控えるように促すようにしましょう。

アルコール検知器を用いた運転前後のアルコールチェックが、2023年12月1日から義務化されています。企業からの意識づけに加えて、義務化されたアルコールチェックについても、検知器を使ってしっかりと履行してください。

パイオニア株式会社の「MobilityOne 安全運転管理」は、アルコールチェックや運転日報などの安全運転管理業務を一元化できるシステムです。専用機器不要で、ドライバーの操作もスマートフォンで簡単にできます。また、安全運転管理者の日常業務をフロー化できることから、アルコールチェックの義務化によって増えた管理業務の負担も軽減できます。つまり「MobilityOne 安全運転管理」は、アルコールチェックの効率化と漏れ防止、管理業務の負担軽減、これらすべてが実現できるシステムです。アルコールチェックの実施方法や管理にお悩みの企業は、ぜひ導入をご検討ください。

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