地球の裏側まで魅了させる
世界各国で販売され、高いシェアを誇るパイオニア1DINカーオーディオのラインアップ。スマートフォンなど最新の音楽デバイスに対応した次世代のデザインを創出するため、約6か月に及ぶデザインワークを行いました。HIGH/MID/LOWの3つの価格帯によりラインアップが構成され、数ある競合商品の中で一見してパイオニアのデザインとわかるような「アイコニックで印象的な表現」を目指しました。
※MVH-S215BTは海外向けモデル
最も頻繁に操作するロータリーノブと重要なボタン (電話ボタンや新機能のナビボタンなど) を「アイコン」として象徴的に扱い、「新たなパイオニアの顔」とすることを目指しました。通常のデザインプロセスよりも多い5人のメンバーでアイデアを出し合い、コンペ形式で開発を進めることによりアウトプットに磨きをかけていきました。
パイオニアのオリジナル表現を生み出す研究活動に取り組み、日々のデザイン開発に活かしています。特に、イルミネーション表現には力を入れており、今回のモデルでは3つの新表現を採用。プロトタイプを作成して実際の見え方を検証しながら進めました。
(左図:ローレットカットボタン 中央図:点灯時にテクスチャが現れるロータリーノブ 右図:二層ボタン 下図:ボタン案の一例)
制約に縛られず自由に発想を行い、日々の活動からデザイナーの個性が詰まった表現を生み出しています。
DEH-6500 二層ボタン
デザインを担当した黄はプライベートで京菓子のデザインに取り組み、コンペティションでは大賞を受賞した経歴の持ち主。二層ボタンは、こうした経験を活かし「錦玉羹(きんぎょくかん)」という京菓子の素材から着想。「錦玉羹のように透明感を持たせた魅惑的なボタン表現にすることで、新アイコンをよりシンボリックにさせたい」という想いから採用に至りました。
MVH-5500 ロータリーノブ
これまでにDJ機器をデザインした経験のある小林は、DJ機器のターンテーブルから今回のロータリーノブのデザインを発想。「DJ機器でターンテーブルは象徴的な存在。最も操作する頻度の高いロータリーノブにも同様のエッセンスを取り入れ、パイオニアらしいエンタテインメント性を強調させたい」というストーリーをデザインに込めています。