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●自ら指揮を行い高い評価を得た前作、ショパンの協奏曲以来4年ぶりの新作ですが、第1番が1997年、第2番が2000年の収録と時期が重なり、じっくりと時間をかけて準備されたことがうかがえます。この新作も演奏内容、話題性ともにすぐれたタイトルです。 ツィマーマンの演奏は正統的な解釈と緻密な音色コントロールを特徴としますが、本作でも高い演奏水準を遺憾なく発揮しています。
●「作品番号1」を持つ第1番のピアノ協奏曲は著名な2番や3番に隠れがちですが、高い音楽性をもつ佳曲です。卒業試験のために書かれた原曲をのちに徹底的に改作し、現在の形なったと言われています。
●ピアノにフォーカスが当たり、相対的にオーケストラは控えめに感じられます。その中でもボストン・シンフォニーホール特有のオーケストラの響き、遠近感のある構成が再現できるかどうかがポイントとなります。 多彩な音色の再現も重要なポイントです。ツィマーマンのピアノは音色、表現ともにひじょうに密度が濃くソノリティー、質感の再現も重要です。 |
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●ナチュラルな女性ボーカルとしての選定です。このアルバムは、前作のグラミー賞作品以来7年ぶりで、久方ぶりとはいえ今回も超出色の仕上がりです。一貫しているのは、しなやかさと爽やかさとも言えるもので、エンヤにも通じるケルト系音楽の曲想も感じます。
●審査トラックはTrack 9 「Perfect Girl」。 傍らの友人に語っているようで、かつ自分自身をも諭すような内省的な詩も魅力です。声質は比較的軽く、安定した小さめのマウスサイズですがボディーの深い響きはそれほど出してはいません。サラ自身によるバックコーラスも爽やか傾向ですが、みごとな音場感を醸し出しています。バスは意外にディープで、充分な粘りを持ち合わせ腰のすわった重量感が載っています。定位が非常に優れているのもポイントの一つで、フロントウィンドゥシールドにボーカルは勿論全ての楽器を写しこむことも可能なことでしょう。ナチュラルな響きのギターも効果的なアコースティックを持ち、幅方向の拡がり感と共に豊かで爽やかな音場がくりひろげられます。 |
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●70年代から80年代にかけて活躍したボズ・スキャッグスも、すでに円熟の境地に入りつつあります。60才を迎えるにあたりメジャーレーベルでの活動に終止符を打ち、地元サンフランシスコのプライベートスタジオを中心にレコーディングされた、新レーベルの第1弾。ボズ・スキャッグスの面目躍如たる都会的センスにあふれたジャズのスタンダード集です。
●審査トラックはアルバムのタイトルトラックとなっている「But Beautiful」。 ボーカルの再現性が問われるのは言うまでもありませんが、さらにイントロダクション部より全編にわたるシンバルとスネアの質感の再現性、バランスが重要です。ステージ感、音像提示にも留意する必要があります。空気感の再現も大切にして、ボズ・スキャグスの世界を現出させてください。 |
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